結末から書き出す

今回は、物語の中心人物について探って参りましょう。

中心人物主人公は誰？

物事には中心があります。
中心があって形を成すのです。

前回に続いて桃太郎を変形アレンジします。

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今回の桃太郎は三人の部下雉・猿・犬を持つリーダーとして設定しました。どんな性格キャラでしょう。面倒見がよくて頼れるタイプ人物像かな。

キャラが立つ

例えば、集団組織グループの中で浮いてしまった癖のある偏屈者かわりものたちを纏めるとか。

親から見れば意外と優しい息子なのかもしれません。故郷で待つ父母の姿が浮かびます。

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優しさを引き立てる厳しいピンチな状況が必要です。桃太郎を追い込みます主人公イジメ。慕ってくれる部下を犠牲にするしかない局面──

いきなりクライマックス！

ここでなんと結末場面ラストシーンを書くのです。最後はどうなるのか。着地点ゴールですね。

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「モモさん、オレ行くよ」
　木陰から雉が前方の鉄扉とびらを睨む。
「返り撃ちだぞ」
　桃太郎は小声だが強い口調。
「これしか道はねぇ」
　犬が光線銃レイガンを構え直す。
　無言の猿。
　軍服の肩口から鮮血が滴る。

「桃さん、覚えてるかい」
　雉の声が緩む。
「オレを拾ってくれて嬉しかったよ」
　言い残すと鉄扉へ飛翔とんだ。
　放射砲が容赦なく襲い掛かる。
　三人桃・犬・猿は鉄扉の蔭へ飛び込む。

「ここはボクだ」
　猿が前に踏み出す。頷く犬。
「世話になった。出会えてよかった」
　鉄扉を攀じ上り、放射砲の裏へ回り込む。
　電子回路に侵入する猿。
　鉄扉は上がっていく。
　感電した猿が地面に落ちた。

「さぁ、おいらの番さ」
　一旦上がった鉄扉が閉りかかる。
「さらばだ、桃さん。行け！」
　鉄扉を肩で支える犬が吠えた。
　桃は隙間へ潜り込む。
　通路を駆け抜け、指令室へ飛び込んだ。
　自爆装置に手が掛かる。
「母さん父さん、ありがとう」

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「おい、どうした」
「今、あの子の声が聞こえたわ」
　老いた夫婦ふたり。窓から庭を見る。

　ざぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
　風は吹き去って行く。
　桃の樹から一つ、実が落ちた。

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いかがでしたか

不思議ですね。書くうちに登場人物キャラが教えてくれます。耳を澄ませましょう。なるほど君ってそういう人なんだ……

四人の繋がりや挿話エピソードまで浮かび、背景となる物語世界の細部が見えてくるのです。

どこまでも書けそう──
結末ラストから書き出す。
お試し下さい。

ではまた💚