マガジンのカバー画像

小説感想

39
運営しているクリエイター

#読書感想文

「八月の光」×「ビラヴド」×伊黒小芭内で社会構造と個人の関係について考える。

「八月の光」×「ビラヴド」×伊黒小芭内で社会構造と個人の関係について考える。

「奴隷制度が人の心にもたらすもの」について描いた、トニ・モリスンの「ビラヴド」が面白かった。

「奴隷制度について描いている」と書くとついそちらに意識がフォーカスされるが(そしてもちろんとても重要な問題だけれど)、自分がこの話で一番興味を惹かれたのは物語の語りの手法だ。

「八月の光」の解説の中で、フォークナーが活躍した時代はちょうどヨーロッパでモダニズム文学が流行していた、と書かれている。
 ア

もっとみる
【火山島6巻・感想】一体、なぜこんなに話が進まないのか考えてみた。

【火山島6巻・感想】一体、なぜこんなに話が進まないのか考えてみた。

◆萌えも面白さもない、恋愛やもめ事エピソードが延々と続く。

 余りに話が進まないので、1巻を読んだあと6巻を読み始めた。
 だが六巻でも、驚くくらい話が進まない。
 200ページくらい「主人公の妹・有媛(ユウオン)が、嫌味で俗物な御曹司である龍鶴(ヨンハク)に結婚を迫られて困っている。どうやって断るか」を延々とやっている。
 やっとその話がひと段落つくと(ついていないが)、今度は主人公の芳根(バ

もっとみる