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月と黒龍、飛ぶ白龍

 少し前にリクエストで龍を描く機会に恵まれました。普段描かないテーマに、描きながら感じたことや発見があり、改めて向き合ってみようと思っていました。

掻き出し。

 自然という掴みどころのないものの象徴としてのそれという発想から、自らの収集物の混成体としての龍です。黒い龍は鱗がキラリと月光を映す。月と龍の組み合わせは前回の金龍から。黒龍は更に夜、闇を司る龍という印象。

 そして黒龍を描くと同時に、白い龍も描こうと思いました。
 調べてみると白龍は、龍の中でもすごい速さで飛ぶという特徴があるらしい。

白龍/黒龍

 以前収集した2点の額縁。雰囲気が強すぎて普段の作品には使えないでいましたが、この連作にぴったり。

月と黒龍
飛ぶ白龍

 描きながら、龍というテーマに興味が更に湧いてきました。
 自分なりに踏み込みたいと思って温めていた事もあり、それを形に出来るかここしばらく思案中です。
 一つは環境要因があります。私がこれらの絵を描いている、まさにそのアトリエのすぐ近くに見沼代用水が流れています。この見沼は小学生の時分から私の育った場所です。そしてこの見沼にまつわる伝説のうちのほとんどが、実は龍にまつわるものなのです。

続く

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