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飯豊アーティストインレジデンス
西置賜郡飯豊町(にしおきたまぐんいいでまち)にて滞在制作を行う目的で山形にやってきました。
現地に住む方と話した際、Tree In Progress を飯豊町で、という提案。
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Tree In Progressはそもそも、自分自身の展覧会の合間に、各地で行っていた小さなドローイングから始まりました。ドローイングをSNSで見た埼玉の柳沢画廊の柳沢さんから、個展をしようと提案されたことから発表する機会に恵まれました。当初発表する気もなく描きはじめた作品だったので、その個展に向け銅版画(主にドライポイント)としても制作し、柳沢さんと一緒に相談しながら会場を作ることに。
素材やその場に沿うように出来ていく自由な線のような制作を、というのがテーマになり、タイトルも決まり、そこから制作現場を動画で撮影し記録することにも派生しました。他の方の視点を絡めたいと考え、撮影者としてこだわりのある、信頼出来る方にお願いしました。それもyoutubeと会場で発表しました。いくつかの作品には実験的に制作動画へと飛べるQRコードを表示しました。
これまでと異なる制作へのアプローチは、どのように受け止められるか不安と期待が入り混じっていましたが、思いの外好評で、多くの方々にご来場いただき、これまでと異なる様々な感想を聞くことが出来ました。特に素材や空間感、線の表情などの話になることが多く、画材の価値(高級さ)や制作時間の長さなどの話は皆無だったことは印象的でした。
そして、展覧会中に福岡のあまねや工芸店への巡回も決まりました。
今回は、そういった活動が、レジデンスという形で山形の土地と人と関わる中で実現出来たことはとても光栄に思います。
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これだけでも道なき道を来た甲斐があった。
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外で描くのは様々な制約があり、はっきり言って不自由です。
写真やスマホの画面を注視しながら、天気にも左右されないアトリエで描く作家がほとんどでしょう。他者から見た際に、表面的に上手に見えるように(文字通り写真のように)描く、という目的にはそのような環境の方が向きます。
ではその未知の不自由さに飛び込み、現実を捉えることをショートカットせず、ゆっくり道を歩くように向き合ってみるとどうなるのか。
画家には、締め切りまでに完成度の高い作品を仕上げる、という厳しい現実が常にあり、全てをその疑問に対する研究に捧げることは出来ませんが、上記のような好奇心を推し進めたい欲求も、同じくらい抑え難い現実です。
「自分自身が捉えた形」にフォーカスすることを、環境によって仕組む。少ない選択肢からは、それを補おうと身体がフル回転し、かえって豊かなものが生じるのではないか。そんな逆説的な制作を、このテーマでは取り組んでみたい。
ちょっとかっこいい言い回しになりましたが、写真の制作それ自体を否定するわけではなく、実際に現場でやってみたら、それが良いね、と言われる事が多いことに気づいたというのもあります。自分自身、その方がなぜか集中できるという事も。
五感の情報量と、その絞り込み方には、それをレンズによって削ぎ落とす前の豊かな緊張感が漂っているのかもしれません。
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流し漉きのネリにノリウツギを使ってるのは自分は初見。幹は螺旋状にヒビ割れる。
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地元の方向けのWS(ワークショップ)を頼まれているので、何をしようか考え、なるべく地元のものを使って行おうという事にしました。まずは和紙。山形、白鷹町の深山紙(みやまがみ)。工房を見学させていただきました。
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次に擦る木の板を探しに渡部製材所へ。
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山の逢魔時は、その名に恥じないなかなかの雰囲気と言うか、迫力があります。
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