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木蓮を描く。(青空エッチング)
屋外で、下絵なしでグランドを塗布した銅板を直接引っ掻いてみる事にしました。
グランド:アスファルトと蜜蝋が主成分の、腐食を止める為の薄い皮膜。エッチングという、腐食液を使用し凹凸を作る銅版画技法ではお馴染みのマスキング材。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101604292/picture_pc_be1872497e76bd441448562c0cf1c19b.png?width=800)
線は線を消せません。消しゴムもありません。掻き落とした線の痕跡はそのまま残っていきます。しかしそれこそ望むところです。(この記事参照。)
最初に針先が触れる瞬間からニードルを置くまで常に適度な緊張感を保ちながら、丁寧に微調整しつつ掻き落とします。銅の板の上を針が走っていく感覚を手に感じながら、静かな時間が流れます。
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腐食後、刷ってみます。
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自分の観察した視点がそのまま立ち上がってきます。事前に先回りするようなものを削ぎ落とした自然な印象です。
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前日とは、花の開き方も枝のしなり方も既に変わっていました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101605076/picture_pc_b82b0d647afe4d0668202afb3ff7a3c4.png?width=800)
2枚目の試し刷りをしていたら、花が散りました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101606562/picture_pc_26cb7e3c2998352d32402f823296b9c9.png?width=800)
例えば写真を撮れば、その瞬間を切り取って光を固定することは出来ます。その写真を元に細部まで克明に描く事も出来るでしょう。しかし、切り取られ固定された光を描くということがテーマではないので、そういうことはしません。
刷るのに良い紙を探します。
続く。
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