【皮膚糸状菌症】気を付けても再発する水虫の意外な感染経路|多頭飼育の注意点
はい!汗かき薬剤師saitorioと申します(*'ω'*)!
今回は、「何で毎年気をつけているのに水虫になるの?」について『【皮膚糸状菌症】気を付けても再発する水虫の意外な感染経路|犬・猫』のテーマで記事作成していきます。
この記事で得られること
✅人獣共通感染症である皮膚糸状菌症とは?
✅水虫に感染してしまう、意外な感染経路
✅ペットが感染したらどうなるの?
1回発症してしまうと、長い付き合いになってしまう水虫。毎年、多発する時期は決まっていて6~8月だと考えています。
これは、経験的にこの時期は皮膚トラブルで来局される患者さんが多くなるのと高温多湿の環境を好む水虫の原因になる白癬菌が活発的になるからです。
しかしながら、どんなに足のケアを気をつけていても水虫が繰り返し再発してしまいませんか?もしかしたらそれ、『意外な感染経路』を見落としているかもしれません。
その『意外な感染経路』ってなんでしょうか?気になりますね。それでは、早速解説に参りましょうか。
皮膚糸状菌症とは
皮膚糸状菌症とは、土壌や皮膚および爪・毛に生息する皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)に感染することで発症する病気を意味し「皮膚真菌症」や「白癬」とも呼ばれます。
その真菌が寄生する部位によって、病態や治療が変わってきます。例えば、毛髪に寄生すると「頭部白癬」であったり、足なら「足白癬(水虫)」と呼ばれます。
この皮膚糸状菌症は、犬・猫などの動物に感染が認められることからありふれた皮膚感染症として知られており、動物病院において診断・治療例の頻度の高い疾患です。
また人獣共通感染症であるため、飼い主およびその家族や飼育するペットまで感染拡大への懸念が予想されます。
❑Point
✅皮膚糸状菌症とは、白癬菌などに感染することで発症する感染症で、人や動物の両方に寄生を認めることから人獣共通感染症とも呼ばれる。
感染経路
水虫になる原因は、足(趾間)へ菌が寄生して増殖することで発症します。では、その菌はどこから来るのでしょうか?感染には大きく分けて2つあると考えられます。
感染経路
・直接接種感染(ヒト、動物、土壌)
・間接感染(スリッパ、足ふきマット、畳)
1つ目の感染は、罹患動物および保菌動物からの接触感染。また2つ目は、人家および動物の飼育小屋の菌に汚染した塵埃などからの間接感染が考えられます。
つまり、感染予防対策としては、皮膚に菌への付着を防ぐことであり、概ね感染経路の多くは、間接感染によることが予想される。
そのため感染拡大や知らずのうちに菌の付着に繋がるのが、多くの人が出入りする公共施設を利用することです。
水虫が多発する8月シーズンにプールや公衆浴場が危険なのは、上記より分かると思います。
また、菌の寄生リスクが高くなるのは、皮膚に傷口がある場合や不衛生な状態です。傷口(掻傷など)があるとそこから侵入し、不衛生であると被毛や表皮で増殖し、やがて毛孔や表皮内へ増殖侵入すると考えられる。
❑Point
✅水虫の感染経路は、大きく分けると直接接触や間接接触が考えられる。
感染経路の盲点
感染経路は、何となく分かった。けど、毎年患部の通気性を良くして、高温多湿を避けてるし、清潔にしているのになるのはどうしてでしょう?
恐らくそこには、感染経路としての盲点があると考えてます。例えば、家で飼育されているペットからの感染です。
皮膚糸状菌症は、人獣共通感染症であることから汚染した被毛が他の動物や人への感染源となる直接感染や、菌が付着した足で歩きまわることでの床・畳からの間接感染が推察されます。
つまり、人から飼育動物への感染やその逆、動物同士の感染が考えられ、自分の症状が良くなっても菌の生息は家中にしており、高温多湿の環境に変わると爆発的に菌の増殖により感染してしまうっていうことです。
また、ペットへの発症は、若齢の動物や多頭飼育の場合に多い。しかし基礎疾患や薬剤によって免疫抑制状態になった動物への発生も散見されるため注意が必要です。
また、ペットの多頭飼育は感染症対策から見ると、皮膚糸状菌症の治療が困難な場合も散見されます。
❑Point
✅感染経路の盲点として、ペットからの感染が予想されます。
ペットが感染したらどうなるの?
では、ペットの皮膚糸状菌症になると、どのような症状が出るのか?
臨床症状
・表在性皮膚糸状菌症(皮膚、爪):皮膚の脱毛,紅斑,丘疹,水疱,膿疱,痂皮,落屑などの皮疹
・深在性皮膚糸状菌症:皮下に結節(肉芽腫病変)などの隆起性病変を形成する。
これらの症状がペットに見られたら、皮膚糸状菌症である可能性が高いので、動物病院への受診を推奨します。
❑Point
✅皮膚や爪などにいつもと違うような違和感が感じられたら、直ぐに病院に連れて行って治療を始めてあげましょう!
治療方法
菌に感染したペットへの治療は、基本的には飲み薬が処方されます。塗り薬もありますが、被毛に被われている犬・猫の皮膚糸状菌症においても内服療法が基本です。塗りにくいからですね。
または、手術することあるそうです。その時はできるだけ外科的に病巣を切除してから、抗真菌薬の内服を併用されます。
塗り薬の使用は、1 日 1 ~ 2 回塗布する。副作用としては外用薬による“かぶれ”や薬疹が認められることがあるため、使用には注意する。また塗布後動物に舐められないように注意することも大切です。
治療方法
❐外用(シャンプー洗浄)療法
(1)石灰硫黄合剤溶液:効果的であるが,悪臭が問題である。
(2)クロルヘキシジン・シャンプー:感染被毛の真菌を充分殺滅しない。粘膜毒性を認める場合もある。
(3)ミコナゾール含有シャンプー:グリセオフルビン単独で治療されるよりも迅速に菌の培養が陰性化したとの報告がある。ただし,ミコナゾール含有シャンプー洗浄 / リンスだけによる治療は,イトラコナゾール内服よりも治癒率は低い。
患部の二次感染予防および感染被毛や落屑の環境中への飛散を防ぐことができる。抗真菌薬の内服と併用すると、より一層の治療効果があるとされている。
❐内服薬
治療には内服療法が基本であるが,副作用の発生には注意が必要である。また内服期間は根治するまで数週間から数ヶ月ぐらいは必要である。
❐治療終了の判定
以下の項目を参考にして治療を終了する。
1. 臨床症状の改善
2. 改善した患部の直接鏡検(皮膚掻爬物検査)および培養検査陰性化
3. M. canis 感染の場合は,ウッド灯検査の陰性化
被毛にだけ生息(腐生)した被毛および汚染した環境からの再感染に注意する。ただし陰性判定後の再感染または再燃予防のために、抗真菌薬投与を継続するかについては、担当獣医の判断によって決められる。
❑Point
✅ペットの皮膚糸状菌症の治療は、患部が毛で覆われていることが多いので基本的に飲み薬です。
治療後はどうすればいい?
と言っても大部分の健康な動物では皮膚糸状菌症は自己修復する疾患で、無治療でも最終的には自然治癒するとされています。
しかし未治療の間は、大事なペットに症状がなくても環境中を汚染することになるので適切な治療が必要である。
また治癒する前に治療を中断すると被毛に不顕性感染して、それが長期にわたって感染源となってしまう危険性もあります。
ここに、どんなに気をつけていても、毎年水虫になってしまう原因があったのかもしれませんね。
動物に限らず、ヒトにおいても罹患動物や不顕性感染動物、または疑わしい動物と接触した場合は、すぐに手指や腕などの洗浄を行うことが感染予防として必須である。
具体的な再感染を防ぐ生活習慣は、以下の通りです。
・清潔に保つ
・高温多湿を避ける
・家族内に白癬患者がいれば、同時に全員治療し、猫・犬がいる場合は診察・治療を行う。
・共用使用物の頻回に取り換え滅菌(熱湯)
❑Point
✅家族内に水虫患者がいるなら、同時にペットを含めて治療を行うといい。
まとめ
✅皮膚糸状菌症とは、白癬菌などに感染することで発症する感染症で、人や動物の両方に寄生を認めることから人獣共通感染症とも呼ばれる。
✅水虫の感染経路は、大きく分けると直接接触や間接接触が考えられる。
✅感染経路の盲点として、ペットからの感染が予想されます。
✅皮膚や爪などにいつもと違うような違和感が感じられたら、直ぐに病院に連れて行って治療を始めてあげましょう!
✅ペットの皮膚糸状菌症の治療は、患部が毛で覆われていることが多いので基本的に飲み薬です。
✅家族内に水虫患者がいるなら、同時にペットを含めて治療を行うといい。
でした(*'▽')
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