2022/08/28(日)

案の定、行こうと思っていたご飯屋さんのランチタイムは、5分前にラストオーダーが終わってしまっていたらしい。

「もう少し早く済ませてればよかったね、ごめんよ。」

と、僕は謝った。午前中、家で小さな仕事を片付けていた間、彼女には近所にある図書館で一人活動してもらっていたのだ。

「いいのよ、仕方ないじゃない。」

風がもう夏のものではなくなっていて、国道沿いに落ちる日差しを直接浴びたとしても、怖さは感じられなかった。時間は流れたのだ。

僕は今月半ばから、夏季限定のお仕事を始めた。朝から晩まで倉庫のようなビルのなか、立ちっぱなしで業務にあたる。ビルを出る頃にはもう外は暗くて、自転車を漕ぐ足も重たく、空を見上げる余裕も風を感じる暇もなかった。

はい、はい、かしこまりました。

という返事を5000回くらいしているうちに、夏は終わっていたのだ。

催し物があるらしく、街には人が溢れ、何やら法被や揃いの衣装を着てわいわいしている人たちが目立った。

「私たちもお揃いだよ、ほら。」

と、彼女が足元のサンダルを指した。

「この夏はこれしか履かなかったな。」

「そうだね。買ってよかったね。」

ランチを逃し、夏をも逃したかもしれない。

でも、大切なものはやっぱり、しっかり残ってくれていたのだ。

ということにして、僕らは違う店を探しに進んだ。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.


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