2022/07/26(火)

ペットボトルごと凍らせておいたジャスミンティはあっという間に溶けてしまった。明るい緑色から花の香りがして、それが喉を通り過ぎた時、小舟が川を下る音が聞こえた。

学校が夏休みに入った今、電車はいつもよりも余裕のある走りっぷりで、僕はうとうとしながら、昔々の夏のことを思い出した、ような気がした。

今よりももっと匂いや味が感じられた日々は、マスクのせいなのか歳のせいなのか、まとまった束としてしか単位を成さなくなっていて、その一つ一つの実態など、もはやないに等しい。

今は今しかない、という事実をもう過ぎたものとして視野の外に置いてしまっていることを、大人と読んだり、世間とくくったりするのだ。

そこにある夏は、4分の1でしかない、ただの束だ。

夜、虫歯のある彼女がカステラを食べた。それに対して、僕は強く避難した。しかし、飲んだ次の日にも飲みたがる僕は、まぁ結局引き分けだ。

それもきっと、ただの束として同じところにまとめられるのだろう。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.


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