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丁寧と馴れ馴れしい、の間はディズニーランドがあった

これまで、山形→仙台→北海道→東京→徳島、と都会暮らしと田舎暮らしの両方を経験してきた。

3年前、東京から徳島に引っ越したときから、徳島には違和感が強かった。

なんだか、馴れ馴れしいのである。
店員さんが。

山形や東京では、なんとも感じたことがないが、端的に言えば、馴れ馴れしい。
良く言えば、フレンドリー。

このひととの距離感について、私はなかなか馴染めなかった。

あと、とても適当なのである。雑。

「これと、あれください」
「はーい。あとはー?いけますかー?」

何が?なにがいけるのだろう。

徳島(阿波弁?)でよく使うようだが、「あとのご注文は、よろしいでしょうか」の意味らしい。

この、「いけますかー?」は日常的に使われており、「大丈夫」の意味である。

話が若干それたが、徳島に来た当初は、店員さんに違和感しかなかった。

基本、タメ語である。

「わかるー」とか「ねー」とか、同意もすべてタメ語。年齢性別関係なく、基本、タメ語。

一方、山形は、丁寧。

住んでいるときは普通だったが、徳島に来た今、こう感じる。

丁寧というか、へりくだりすぎている。


さて、徳島では、言い方以外も雑である。

もちろん、この考察は、「人による」ということを申し添えたい。

が、サイトウ調べでは、9割が雑。

問い合わせの電話をしたら、
「すみません、〇〇について教えてお伺いしたいのですが。」
「はーい、確認して折り返しますね!」

・・・・・・

基本、かかってこない。

「すみません、◯日に問い合わせをして、折り返しがないのですが・・・」
「あ!確認しますねー。〇〇〇〇でした!」

・・・・・

謝らんのかい!と。

ここは海外か!と当初は怒っていた。

なぜだろう、沖縄なら許せる。

しかし、なぜか南国に片足を突っ込んだ程度の徳島では、許せなかった。

しかし、人とは慣れるもので、3年も徳島にいると、それが普通になる。
電話で問い合わせをしたら、
・担当者の名前をきく
・いつまでに返事がもらえるかきく
・返事がなかったら、待たずに自分から電話する
を徹底することにした。

一方、丁寧党の山形県。

たまに帰省すると、なんだかむず痒い。

丁寧すぎるのである。

そんなに、へりくだらなくても・・・大丈夫ですよ?と店員さんに言いたくなる。

旅館なんて、サービスが過ぎる。
これでもか!というくらい、料理もでてくる、なんでも丁寧。ありがたい。

もちろん良い面であるが、働いている人たちの精神面、メンタルヘルスが大丈夫かと心配になってしまう。

徳島は馴れ馴れしくてストレスだが、山形は丁寧すぎてストレス。

そんなふうに感じていた。


そんなとき、久しぶりにディズニーランドに行った。

ディズニーランドのこれまでのイメージは、それこそ、
「お客様は神様です!」
という感じ。

毎度、何をどのキャストさんに聞いても、丁寧に教えてくれる。
いつもニコニコしている。
なんというか、人間を超えた、「ディズニーランドのキャスト」を演じている感じ。

それが今回、少し変化しているように感じた。

なにが?

なんだか、もちろん何を聞いても教えてくれるが、なんだろう、フレンドリーなのである。

「すみません、レンタルベビーカーのたたみ方、わかりますか?」
「あ!僕もわからないんですがー、一緒にやってみましょ!やりましょ!」

なんだか、友達みたい。

写真を取ってくれたキャストさんも、
「わたし、2児の母なんで、写真まかせてください!」
その上、
「子どもの写真って、難しいですよねー、家でも苦労してます。」
と。

これまで、キャストさんが、自分の話をすることを聞いたことがなかった。

あくまで、「夢の国のキャストというキャラクター」のような方々。

それが、今回、なんだか、私たちと同じ、人間だと感じるやりとり。

丁寧すぎない、雑すぎない、でもフレンドリーで共感がもてるのである。

一言でいうと、心地よい人たち。
心地よい、やりとり。

「お客様は神様」という風潮は終わりつつあると感じている。
ディズニーランドでは、方向を変えたのだろうか。
それとも、時代が変わったのか、受け取る私が変わったのか。

理由はわからないけれど、心地よい空間がそこにはあった。

同じところに居続けるメリットもあるけれど、こうやって移動することで、新しい発見がある。

小さい発見だけれども、なんだか心が穏やかになった。

徳島の馴れ馴れしさも、これから居心地が良くなるかもしれない。


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