齋藤 秀雄(ISSO inc.)

ISSO inc.の齋藤 秀雄と言います。 京都でグラフィックデザインを中心とした制作…

齋藤 秀雄(ISSO inc.)

ISSO inc.の齋藤 秀雄と言います。 京都でグラフィックデザインを中心とした制作会社を営んでおります。私が用意したプラットフォームにフリーランスのデザイナー達が集うスタイルで運営。その傍ら、自らの脚本・演出での小さな演劇を制作しております。

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ケラとヨトウムシ上演に寄せて

拙作「ケラとヨトウムシ」の上演が今週末(8月1日)と迫ってきました。 この作品は何度かSNSで説明しておりますが、昭和46年(1971年)に洛英社から刊行された「中部日本児童文学選集3 モクモク町のある一年」に掲載されている、私の父親が書いた短編童話を原作としております。 とても気恥ずかしいのですが、この本の解説にこんなことが書かれています。「児童文学創作への動機となったのは、昭和三十九年の長男出生で、子どもが成長したら息子の生活を語ってやりたいという素朴な心情からでした。

    • 「BEGINNINGーそのはじまりー」 を終えて

      先週「BEGINNINGーそのはじまりー」を上演して1週間が経ちました。 ご来場いただいた皆様、お変わりないでしょうか。 さて、少しずつご観劇いただいた皆様から感想を伺っております。 作品のご評価をいただくのですが、よく「座組がいいですね」と言われます。これは、私としてはとても嬉しい話でして、よく「キャスティングが終わったら私の仕事は7割方終わる」と申しておりますが、まさにそのとおりと思っております。 私の場合、(私が演劇を語るのは1000年くらい早いですが)、自分が好きだと

      • 再び「BEGINNINGーそのはじまりー」に寄せて

        この「BEGINNINGーそのはじまりー」に寄せてという記事を書いたのは6月のことでした。ほぼお芝居が出来上がり、あと2週間で本番という時に、コロナの第2波で延期を決断。 そして、今第3波の最中に、会場を変え、客席を絞り、感染対策を施しながらようやく公演に漕ぎ着けることができます。 足掛け1年になりました。 足掛け1年経っても、最初構想した出演者が一人も欠けずに集まってくれたことに、何をおいても感謝したいと思います。 そして、この公演の実現のため奔走、尽力してくださったワンダ

        • BEGINNINGーそのはじまりーに寄せて

          当然ですが、僕には「演劇人」と呼んでもらえるほどちゃんとしたキャリアもないし、世間的な認識もありません。 多くの演劇人の中で僕は「演劇好きのおじさん」という位置づけだと思いますし、それは間違っていません。 そんな中途半端な僕にも、いくつか書きためた脚本のプロットがあり、そして、とても幸運にも、こんな僕に「作品を出してみないか」と声をかけてくれる団体があり、出てくる役者さん達がいて、そして楽曲を提供してくれるミュージシャンがいて、今年も一つの作品をつくることが出来ました。 こ

        ケラとヨトウムシ上演に寄せて

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        • 齋藤の観劇記録
          10本

        記事

          【7日間演劇チャレンジ /5日目 ワンダーラーファクトリー「組曲」(2016年3月/2019年11月)】

          ワンダーラーファクトリーの高嵜さんに初めてお会いしたのは、確か2013年ごろの京都文化塾の会合だったかと記憶しております。 「へぇ〜京田辺にミュージカル劇団があるんだぁ」なんてぼんやり意識したにとどまりました。 それから、しばらくして無限洞を訪ねた際、マスターから「あんなぁ、うちの哲也がな、京都でミュージカルに出るねん。」と教えてもらったのが、2014年6月の「組曲」のことだったと思います。 この時は予定が合わず観にいけませんでして、やっとワンダーラーさんを観れたのは201

          【7日間演劇チャレンジ /5日目 ワンダーラーファクトリー「組曲」(2016年3月/2019年11月)】

          【7日間演劇チャレンジ /4日目 ももちの世界#2「黒いらくだ」(2017年7月)】

          大学の後輩で舞台美術家であり、写真家としても活躍している松本謙一郎さんから、「ピンク地底人だけは絶対に観ておいた方が良いですよ。」言われつつも、なかなか観る機会がなくようやく観たのはなんと、うちの事務所があるつくるビルの一階のギャラリーでの公演 ピンク地底人逍遥の地獄めぐり2かい「EX.人間」でした。 面白い作品であることはわかったのですが、全体に役者さんの演技のバランスが悪く、つまりはスペースに対して演技が大きすぎて、私としてはピンとこないお芝居だったのです。 それから

          【7日間演劇チャレンジ /4日目 ももちの世界#2「黒いらくだ」(2017年7月)】

          箸休め2:西一風「愛情物語」

          何を書こうか資料をひっくり返していたら疲れちゃったので、もう一日箸休め。 自分の話です。 結果的に西一風出演の最後になったのは1987年12月の第5回公演「愛情物語」。 西一風初のレパ選の結果、僕が負けて、目黒作品になりましたが、結果的に良かったと今でも思っています。 さて、この写真、写真研(だったと思う)の廣畑くんが撮ってくれたものです。この公演の前に稽古場に来てくれて、「舞台写真を撮りたいんです」って言ってくれたことがきっかけで、この後も写真研の人に撮ってもらっていたと聞

          箸休め2:西一風「愛情物語」

          箸休め:1984年〜87年の立命館学生劇団の半券たち

          演劇チャレンジはちょっとお休みいただきまして、1984年から87年にかけての立命館学生劇団の公演の半券をいくつか持っているので並べて見ました。 1枚目は立芸こと立命館芸術劇場とその関連劇団。 よく見ると、小山力也さん、石丸純さん(当時:バニー石丸)の名前や水嶋くんや松本くんの名前が・・しかし、鴻上作品多いこと。 2枚目は新演研(後の月光斜)と学生劇場。上段が新演研で下段が学生劇場。両劇団とはかなり仲が良かったので、もっと見ているはずなんですが、半券がないのは、チケット買って

          箸休め:1984年〜87年の立命館学生劇団の半券たち

          【7日間演劇チャレンジ / 3日目 くじら企画「夜、ナク、鳥」(2014年7月)】

          1986年に「桜企画」という劇団が立命館で生まれました。2部の学生を中心に活動していた「学生劇場」から昇竜之助と石川真士が飛び出て結成した劇団で、当時からかなり挑戦的なお芝居を作っていて、僕はよく観に行っておりました。 それから何年後だったでしょうか。当時東京から久しぶりに無限洞を訪ねた際、マスターに「あのな、竜ちゃんと真ちゃんな、犬の事ム所に入ったねん」と聞かされ、恥ずかしながら初めて「犬の事ム所」を知ったのでした。 (註:杉山晴佳さんからご指摘いただき、入団ではなく客演

          【7日間演劇チャレンジ / 3日目 くじら企画「夜、ナク、鳥」(2014年7月)】

          【7日間演劇チャレンジ / 2日目 遊劇体「縄文人にあいういう」(2010年10月)】

          遊劇体は1983年結成で今も活動を続ける関西小劇場界の雄。 西一風の活動をし始めた頃、遊劇体は先輩劇団でしたが、越あゆみこと稲本さんの同級生である原さんが在籍していたこともあり、役者さんをお借りしたり、とても友好な関係でした。 その遊劇体が、あの満開座の作品を上演すると聞き、これは行かないという選択肢は絶対にない!と考え、観に行った公演。 満開座は立命館の大先輩劇団で、1975年に立命館で旗揚げし、90年代に活動を休止するまで、独特の小劇場作品を展開し、私も西一風に入団後か

          【7日間演劇チャレンジ / 2日目 遊劇体「縄文人にあいういう」(2010年10月)】

          【7日間演劇チャレンジ / 1日目 劇団西一風「タウン」(2009年5月)】

          FBに書いていたのですがせっかくなので、noteにも書いておきます。 大学の同級生、村上修一くんから最近SNS上でガンガン回っている「7日間映画チャレンジ 」が回ってきました! が、私はさほど映画を観ない上に、結構たくさんの人が映画チャレンジをやっているので、今更私がご紹介するものは何もありません。 と、いうことで、私は、演劇をご紹介しようと思います。 2009年4月に(当時勤めていた会社の)転勤で千葉から京都に越して来て以来11年間で約500本のお芝居を観ました。 その

          【7日間演劇チャレンジ / 1日目 劇団西一風「タウン」(2009年5月)】

          出町座のソコのお取り寄せ

          出町桝形商店街にあるミニシアター出町座の1階にあるカフェが「出町座のソコ」。 映画館のカフェでありながら、無国籍的なオリジナルのカフェ飯が人気のこちらのお店が「お取り寄せ」をはじめております。 評判になっていたジンジャーシロップとか、オリジナルのブレンドコーヒー豆やスパイスカレーソースや、「出町座のソコ」印の小皿まで(笑)。 ミニシアターもカフェも絶対無くなって欲しくないなぁ〜と思っておりましたので、早速私もコーヒー豆をお取り寄せ〜 わーい! 手作り感満載のパッケージで

          出町座のソコのお取り寄せ

          八雲食堂の39チケット

          https://note.com/sbr/m/mc27a553db8f9 こちらの活動に賛同しまして、ひとまず情報を一つ。 船岡山の南側、鞍馬口通に面した泊まれる飲み屋「月光荘 京都」の1階の飲み屋「八雲食堂」さんでは、前払い早割りチケット『39チケット』を発売してます。 3900円で5月以降4500円で使える前払い先割りチケットです。 お店の通常営業は今週いっぱいとのこと。 振り込み、郵送可です。電話、店頭、メッセージなどで連絡してあげてください。 沖縄の月光荘さんのグル

          八雲食堂の39チケット

          プロトテアトル「X X」を観てきました。

          だいぶ時間が経ってしまいましたが、書いておきます。 観劇日:2月15日 @神戸アートビレッジセンター プロトテアトルは劇空間の作り方がとても秀逸。今回の公演も美術は、僕の大学の後輩でもあり、VOGA時代にお世話になった松本謙一郎さん。 劇場の中央に広くアクティングスペースをとり、ある郊外の町を表現し、観客がそれを取り囲むという空間構成。そこで日常を繰り返し描きながら、少しずつ変化や異常が入り込む様子を表現してゆく手法は、相変わらずさすがだと思いました。 特に、劇中でリア

          プロトテアトル「X X」を観てきました。

          3CASTS Vol19を観てきました。

          去る2月20日のこと。UrBANGUIDで3CASTS観てきました。 まあ、よくもこんな取り合わせにしたなぁと思います。 まるで、カステラの間にあんこを挟んだお菓子シベリアのようだと、和田ながらさんにはお伝えしましたが、ロシフォール姉妹が見事にあんこの役割を担っておりました。 ・松田早穂(dracom) 「オートマティスム」と題しているだけあって、憑依状態の自動筆記で書かれた言葉の羅列と身体の動きは、気持ちいいくらい意味不明だった。面白かったけど、できれば、構図を見てくれる

          3CASTS Vol19を観てきました。

          ももちの世界「ハルカのすべて」を観てきました。

          観劇からすでに1週間が経ちましたが、やっぱりちゃんと書いておこうと思います。 3号さんのももちの世界は、この作品で観劇4作品目。私のみならず過去作いずれも評価が高く、特に前作「カンザキ」でももちでの作品形態にある程度、じっくり描く会話劇という「カタ」が決まった感がありましたが、ここに来て演出方法や、表現スタイルを崩してくるあたりがさすがでした。 でありながら、主人公は前作と同じ、のたにさん演じる、(女性の体で男性の心を持つ)緑川遥(ミドリカワリョウ)であるあたりが、継続

          ももちの世界「ハルカのすべて」を観てきました。