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【7日間演劇チャレンジ /4日目 ももちの世界#2「黒いらくだ」(2017年7月)】

大学の後輩で舞台美術家であり、写真家としても活躍している松本謙一郎さんから、「ピンク地底人だけは絶対に観ておいた方が良いですよ。」言われつつも、なかなか観る機会がなくようやく観たのはなんと、うちの事務所があるつくるビルの一階のギャラリーでの公演 ピンク地底人逍遥の地獄めぐり2かい「EX.人間」でした。

面白い作品であることはわかったのですが、全体に役者さんの演技のバランスが悪く、つまりはスペースに対して演技が大きすぎて、私としてはピンとこないお芝居だったのです。

それから、1年後、今度は3号さんの別ユニット「ももちの世界」の公演があるという情報が。どうしようかと悩んだのですが、秋津ねをさんが役者として出演するというので、何の気なしに観に行ったがこの「黒いらくだ」。
ドラマの力に圧倒されました。

舞台はベランダ。大阪の郊外の街の閉ざされた団地。描かれるある家族の父親と息子の葛藤。
うまく生き抜くことができない人たちのドラマを丁寧に描いてゆく様に、次第次第に引き込まれてゆき、やがて、話のどこかに自分自身を投影し、ドラマの住人になってしまっている。
そう形容しても過言ではないと思います。

脚本・演出ももちろん素晴らしいのですが、その本を引き受ける役者達の仕事が素晴らしかった。
創作の過程が実に有意義だったことも充分見て取れる良いお芝居でした。
実はももちの世界はその後「鎖骨に天使が眠っている」「カンザキ」「ハルカのすべて」と作品のレベルが上がっています。加えて、今まので役者陣にのたにかな子さんや白木原一仁さんが加わり、作品にさらに厚みが増しております。

機会があればぜひご覧いただきたいと思います。(なんの立場で言ってるのかな?俺笑)

<写真下:ピンク地底人逍遥の地獄めぐり2かい「EX.人間」フライヤー(2016年7月)>
<写真TOP:ももちの世界#2「黒いらくだ」フライヤー(2017年7月)>

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