腕時計革ベルト考 カミーユフォルネを買ってみた
腕時計革ベルト「この一本」
腕時計の革ベルトの色に悩み続けている。
腕時計の革ベルトの色は革靴・ベルトの色に合わせろとよく言われる。
革靴・ベルト・時計ベルトが黒や茶で統一されているときのあの一体感は、見る者に細かいディテールへのこだわりを感じさせずにはおかない。
革靴の色は黒・茶であり、それに合わせてベルトも黒・茶を持っていることが多いだろう。
他方で、腕時計は一本しか持っていない…ここが悩みの根本にある。
一本しかない腕時計に装着すべき革ベルトの色は黒か茶か、それともアナザー色なのか。それが問題で、ずっと悩み続けている。
もちろん、腕時計を二本持ち、黒い革ベルトと茶の革ベルトをそれぞれ装着しておけば、黒い靴の日、茶色い靴の日の双方に対応できる。さらに雨の日やレジャー用にメタルブレスの腕時計の三本で運用できれば最強である。
しかし、機械式を前提にすると、二本あるいは三本持つならワインダーは必須になり置き場所に難渋する。また、高価な機械式腕時計を複数保有する贅沢ができる人間は限られている。なにより、黒い革ベルトと茶の革ベルトの両方を着けたいから二本持つというのも何だかヘンな気がしてならない…
ここで、いわゆるクリッカー加工された革ベルトであればワンタッチで脱着できるため、一本の腕時計に対し、黒い革ベルト、茶色い革ベルトの2パターンで運用できる、という考え方もある。
しかし、ワンタッチで着脱可能とはいえ、平日の朝の忙しい時間帯に、その日の靴の色に合わせて腕時計の革ベルトを付け替えるだろうか…よほどヒマがあればさておき、何回かトライしてみてやがて面倒になって替えなくなるのがオチのように思われる…
そう考えると、クリッカー加工されたものであったとしても、やはり腕時計一本を二本の革ベルトで運用するというのはかなりの意識の高さを必要としそうである…
というわけで、機械式腕時計を二本所有することができないことを前提に、革ベルトを選ぶならこの一本、というのを考えてみたい。
素材
もっとも一般的な革ベルトの素材はカーフだろう。腕時計の革ベルトはある程度消耗品であることを考えると、価格も手頃なカーフは間違いのない選択肢である。
しかし、「この一本」というお題からすると、いささか面白いみが足りない気がする…
ここはやはりクロコ(ワニ革)を推したい。
なぜクロコなのか、それは腕時計革ベルトこそがワニ革がもっとも活きるアイテムだと考えるからである。
考えてみてほしい。ワニ革のバッグや靴の威圧感を。街でワニ革のバッグや靴(たいていは本物のワニではなく単なる型押しだが…)を身に着けている方を見たとき、シャレているなと感じるものだろうか… どちらかといえば「やりすぎ」感を受けるのではなかろうか…
ワニ革は一定の面積以上のものになると、目立ち過ぎるのである。思うにサイフやベルトであってもまだギョッとなる。
しかし、腕時計のベルトであればそこまで目立ちはしない。他人の腕時計の革ベルトに目をやる人間にだけ、クロコであることがわかるのである。
これ見よがしではない、さり気ない自己主張がそこにはある。
リザード(トカゲ)、パイソン(ニシキヘビ)、オーストリッチ(ダチョウ)、ガルーシャ(エイ)、なども同様に、腕時計の革ベルトとして使うくらいに留めるのがさり気なくて素敵だと思う。いつかこれらのエキゾチックレザーにも挑戦してみたい…
色
「この一本」として黒なら間違いないだろう。
他方で茶色の靴、茶色のカバン、茶色のベルトに腕時計の革ベルトだけが黒、というのもなんだか残念である。
これまでは、黒でも茶色でもないアナザー色としてネイビーのものを選んでいた↓
思うに、ネイビーの革ベルトは夏にピッタリである。
ネイビーのパンツやネイビーのシャツなどに合わせて使って色を拾うことができるので、黒でも茶色でもないが、浮いてしまうことがない。
しかし、浮くこともないが、黒や茶でないため、統一感はどうしても犠牲になってしまう。ネイビーの革靴は履かないし、ネイビーの革ベルトもしないからである(ネイビーの革のバッグはあり得るが)。
アナザー色ならネイビーがベストのようには思われるが、「この一本」を選ぶとなると、やはりネイビーではなさそうである・・・
とまあいろいろ考えてみたが、結論としては、「この一本」ということになれば、かなり黒っぽいダークブラウンがいいのではないかと考えるに至った。
黒っぽいダークブラウンであれば一見黒なので、黒革靴、黒ベルトと合わせてもガチャつかない。そして、茶革靴、茶ベルトには当然マッチする。
ブランド
腕時計の革ベルトの専業ブランドというと、そんなに数は多くはない。
まずは、言わずと知れたカミーユフォルネ
【公式】カミーユ・フォルネ オンラインストア|時計ベルト・お財布・アップルウォッチストラップ (cfjapon.co.jp)
カミーユフォルネはベタ過ぎる、と感じる方にはジャンルソー
レザーの時計ベルト、ラグジュアリー革小物:Jean Rousseau (ジャン・ルソー) (jean-rousseau.com)
フランス製など性に合わない、やっぱり国産だろ、という方には松重商店
時計ベルト/バンド 男性用専門店 日本一の品揃え 大阪【松重商店】 (watchband.co.jp)
購入した品
カミーユフォルネにした理由は店舗の多さ。関西の各百貨店にも店舗がある。
腕時計の革ベルトは消耗品的な側面がある。
裏張りのゴムが剥がれるなど、メンテナンスが必要になる場合も。
そのような場合にすぐに修理に持ち込む店舗があったほうがよいという観点から。
ワニ革にはツヤありの「シャイニー」とツヤ消しの「マット」がある。ここもかなり迷いが生じるポイントだろう…
ツヤありはベルト単体で見ると一見して派手でドギツく感じられるが、腕に装着してしまえばそうでもない。なにより、しばらく使うと光沢は落ちていくらしい。
参考までに、こちら↓↓↓は4年ほど使用した腕時計付属の純正品。マットだが、逆にかなりツヤが出てきた。
この写真のベルトのように、ステッチの色を変えるのか、革と同じ色にするのか、またステッチなしという選択肢もある。
まとめ
結論としては、「この一本」ということでオン・オフ兼用で考えるならシャイニーを推したい。ビジネスには何とも言えない気品を添え、カジュアルには落ち着きを与える。
さらに、ステッチは革と同じ色が無難だろう。ステッチの色が変わるとかなりカジュアル路線になる。
ここまで長文で腕時計の革ベルトについて考察してきたがいかがだっただろうか。
機械式腕時計に装着する前提で書いて来たが、スマートウォッチでも考慮要素はたいして変わらないはずである。
ブランド✕革の素材✕色✕ステッチの有無✕ステッチの色✕裏材の種類などと考えると、膨大な選択肢があるわけだが、時間と手間を惜しまず、自分なりの「この一本」を見つけ出して頂きたい。