10/【フリーランス1年生は知っておこう】イマドキの「通信費」は工夫すべき重要項目
●通信費は面倒くさい!だからラフでいい!
通信費と言うと一般に電話代のことを指します。いや……その昔は電話代のことを指しました。ところが今、実際に電話回線で電話をしている人はどのぐらいいるでしょうか?もちろん打ち合わせで電話を使う事もあるでしょうが。現実に多いのは電子メールのやりとりや SNSだったりするのではないでしょうか?パソコンに限らずスマホがメインという方もいらっしゃるかもしれません。通信の基本が電話回線からインターネットに変わってしまっているのです。
つまり通信費として使われているのは「電話回線」にプラスして「インターネット代」ということになります。若い方はご存じないかと思いますが30年前にはインターネットに接続するのに電話会社とは別の会社と契約し接続料を支払っていました。これがいわゆるインターネット代ですね。
今ではインターネットにかかるお金というのは個人それぞれいろんなケースが考えられます。外出先でSNS やメールのやり取りをする場合、無料のWifi環境がなければスマホでドコモやソフトバンク、KDDIなどの電話回線を使います。これは電話料金として毎月支払っているお金で賄っています。また、 自宅なら自分のマンションやアパートに、フレッツ光やソフトバンク光と契約した回線を使っている方も多いでしょう。その場合も別途、毎月料金がかかっているはずです。仕事で使っているならどちらも「通信費」の対象にして良いものです。
難しいのは、電話もメールも SNS も、プライベートと仕事の区別をつけるのがとても大変だということです。電話料金ならともかくそもそもメールに関して言えば「一通送っていくら」というものではなくあくまで月額で換算されているからです。実際多くの人は通話をするにしても料金のかかる電話より、 LINE通話やメッセンジャーアプリを使ってインターネット経由の会話をするような時代になっています。
もちろんその辺りを仕分けるのが面倒くさい、というのは税務署の方も理解済み。つまりこちらも「大体」でいいのです。携帯電話(スマホ)を使っている人なら、プライベートと仕事どのぐらいの割合で使っているか、ざっくり割り振ってみてください。本当に感覚的なもので大丈夫です。家賃と同じく「半分くらいかな〜」なら、月額の半分を「通信費」にしてもいいし、「パケ代の殆どはゲームだな」という人なら月額の10 分の1だけ「通信費」にする。「ほとんどが仕事に関係しています」ということなら「全額を通信費」にしても大丈夫。こればかりは個人の使い道、仕事の使い道によって大きく変わるため基準は何もありません。アプリゲームの課金で月に何十万も使ってしまうような方もいますが、さすがに月2万を超えて電話料金を経費にすると税務署から突っ込まれてしまうかもしれませんが……。常識的な範囲で経費にしましょう。
●なんならアプリやサーバー代も通信費に入れちゃおう
さらにインターネット関連で言うと近年ではレンタルサーバーを仕事に使う機会も増えているかと思います。私の場合も営業用の個人ホームページを作るためレンタルサーバー1社と契約をしていますのでそのサーバー使用量も通信費として確定申告で申請しています。自分の仕事の営業ツールとして「通信」に使っているのですから、わたしはサーバーレンタル代も「通信費」としているわけです。また、仕事用のデータをバックアップするためにクラウドサービスとして Dropbox と言うサービスを利用しています。クラウドも「データの通信」を仕事に使っているわけですから「通信費」になりますね。
さらに特殊な例になりますがデータ通信を使ったアプリケーションを仕事に使うパターンもあります。例えば私の場合「CLIP STUDIO」と言うお絵かきアプリ、さらに日々デザインの仕事も行なっているため 「Adobe creative cloud」というサービスも仕事で使っています。これもサーバーレンタルを含めたアプリの使用契約になるため、通信費として経費にしています。こういったインターネットを利用するツールを仕事に使っている方は通信費に入れてしまうのがスマートかと思います。年間契約される方は、年に一回の支払い月のみ通信費として加算すればよいでしょう。 何を、どんな名前の勘定科目で経費にするのか?は「第三者が見て理解できればOK」。帳簿をつけるあなたの自由なのです。
税務署の人たちはインターネットを全く知らないわけではありませんが仕事に使うアプリやツールに関しては実際そこまで詳しい訳ではありません。あなたが仕事に使っているという認識があり、突っ込まれた時にそれを説明できるのであれば、多分詳細まで突っ込まれることはないと思います。仕事に使っているなら堂々と経費にして構わないのです。
また、書類や請求書を送ったり、荷物を送ったりするための切手、はがきの代金も立派な「通信費」になります。商品を宅配便などを利用することの多いクリエイター、通信販売業であれば、あえて「通信費」とは別に「荷造運賃」という勘定科目に振り分けるとわかりやすいと思います。
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