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運動領域のオステオパシー


オステオパシーは法的に認可されている国々では医療ですので、傷病の治療、すなわち痛みや不調を取り除く、ということに対して行われています。


それは優秀な人間が予算をかけて研究ができるという側面があります。
ここで研究された詳細な身体への考えは、使い方次第で運動分野への応用ができるでしょう。


私はオステオパスでありますが、フィジカルトレーナーという側面もあり、痛みや不調を改善したその先のこと、つまり「身体能力の向上・才能の発揮」という面でも身体のことを考えています。


オステオパシーとは哲学・考え方のことをいいますので、それにのっとったアプローチであればその方法が徒手療法やOMTではなくトレーニングであったとしても、それも一つのオステオパシーのかたちといえると思います。


しかし視点を変えて考えてみると、「身体本来の機能(=自然治癒力)を取り戻すことがオステオパシーの目的」だとしたら、その先の領域(=身体能力の向上)を目指すためのアプローチは、医療としてのオステオパシーの範疇を超えているとも言えます。


この住み分けが自分自身としてもボーダーが曖昧で、人への説明や理解を難しく感じていた部分でもあります。


心身含め、「トレーニングからの身体能力の向上」が通常のオステオパシーの範疇を超えているだろうというものの、やはり絶対的なベースとなる哲学・考え方はオステオパシーです。


そしてこれは、通常のオステオパシーの範疇外にある、従来のストレングスやコンディショニングで足らない範囲を「補完」する側面があるでしょう。


この「補完」とは、フィットネスをはじめ、各種競技のプロアマアスリート本人、ストレングス&コンディショニングコーチ、ヨガやピラティスのインストラクター、その他多くの運動指導者のトレーニング内容の「補完」と言い換えられるかもしれません。


逆にいえばこの「運動領域のオステオパシー」とはトレーニング種目ではなく考え方であり「土台の“基礎”」ですので、これだけで筋骨格面を始めとしたフィジカル面やメンタル面が強化できるというものではありませんし、極論すでに知っている人にはつまらないものかもしれません。


しかし、特にボクシングジムやバレエスクールなど玉石混交の集団でコーチングをしている指導者、逆に実業団など既にある程度の能力を持っているアスリートの指導者、もしくはアスリート本人の、「従来の方法でなぜかうまく伸びない」を伸ばしたい、というニーズに答えられるだろうなと考えています。


もしくは運動療法を取り入れたい治療家の方の役に立つかもしれません。


運動の領域にオステオパシーの哲学を取り入れたトレーニングの概念。それをこのブログの中で少しづつまとめていこうと思っていますが、やはりオステオパシーと別にカテゴライズしたほうがまとめやすいので、このブログの中では暫定的に「運動領域のオステオパシー」とします。


長々と書きましたが、「運動領域のオステオパシー」とは、シンプルに言えば「オステオパシーから考える、正しいスポーツトレーニング」のこと、といえるでしょう。



染谷 清行

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