染谷清行(オステオパス / パーソナルトレーナー)

オステオパシーとパーソナルトレーニングを行っています。ご依頼はホームページよりどうぞ。saitama-oste.com

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マガジン

最近の記事

すぐに戻ってしまう肩こり(臨床録)

女性 30歳代 依頼内容は肩こり ケアしても2〜3日で症状が戻ってしまうとのこと 身体をチェックすると、1番上の肋骨が上へずれている。 1番上の肋骨は他の肋骨と違い、前側が軟骨結合という硬い結合になっていて動きロックされてきる。 反対に、後ろは関節なので動き不安定になりやすい。 肩甲舌骨筋の余計な緊張もみられる。 肩甲舌骨筋はあまり聞き慣れないインナーマッスルであるが、この筋肉は僧帽筋を緊張状態にして悪さをすることもある。 僧帽筋は肩こりの時に揉むことの多い、いわゆる肩こ

    • 女子小学生の股関節の痛み(臨床録)

      小学生 女子 主訴は股関節が痛むこと 整形外科に受診し安静にするようにと言われ、1ヶ月ほど学校を休んでいる。特にこれが問題といったことはいわれてない様子。 身体をチェックする。 恥骨と腰椎5番と3番の可動に機能障害が見受けられ、右の距骨の状態が悪い。恥骨や腰椎5番は特に股関節との運動連鎖が強いためアプローチの必要があると考えられる。 施術を開始するが、年齢的なものや慣れの問題で、くすぐったがったりじっとしていられなかったりするので、無理のない範囲で行う。 実際にアプロー

      • 格闘家の頭部のボディマッピング(トレーニング録)

        20歳代 男性 総合格闘家のフィジカルトレーニング ディフェンスの時の粗い動作が気になるとのこと 細かく話を聞くと、頭を動かすディフェンスが大きくなりすぎてしまうのを改善したいとのことだった。 まず私が考えたのはボディマッピングの甘さで、ボディマッピングとは例えば目を閉じていても自分の手の位置が分かって触れることができる、といった身体の位置情報感覚をいう。 タンスの角に足の小指をぶつけた経験のある人は多いと思うが、これは足先はボディマッピングが曖昧になりやすい箇所だから

        • 目の奥まで波及する強い頭痛(臨床録)

          30代女性 頭痛 いわゆる群発性頭痛といわれるような眼球奥の強い痛みがある。 首の筋肉の胸鎖乳突筋にあったトリガーポイントへアプローチする。 すると放散痛が生じてその目の奥の痛みが誘発される。 胸鎖乳突筋の下部に顕著なテンダーポイントがある。 このテンダーポイントという点は、オステオパシーではストレイン&カウンターストレインというテクニックの指標になるもの。 こういったトリガーポイントとテンダーポイントが混在するケースでは、直接痛みが誘発していると思われるトリガーポイン

        マガジン

        • オステオパシーの臨床録
          15本
        • パーソナルトレーニングのセッション記録
          8本
        • オステオパシー
          8本
        • 日々思うことのまとめ。
          10本
        • コーヒーブレイク
          6本

        記事

          ランナーの頭痛と膝痛(臨床録)

          50歳代 女性ランナー 主訴は30kmほど走ると膝が痛くなること 痛くなるのは左膝の内側。 ランニングフォームを見ると着地の時に左膝がわずかだが内側に不必要に倒れていて、外反膝が生じている。 また、頸部があまり見られないような不自然な曲がり方をしていて、ただ右に側屈しているだけでなく左へもスライドしている。 これは右に倒れてしまっている首だけがおかしいのではなく、首の土台である上位胸椎の椎骨も変異しているためと考えられえる。 頭は4~6kgほどあり、しかも身体のトップに

          口が開けられない女性へのアプローチ(臨床録)

          40歳代 女性 主訴は口が2㎝ほどしか開くことができない状態 歯科治療中に顎関節脱臼(顎が外れた)ことがある 顎が外れたのは10年以上前とのことだが、今でも無理に開けようとすると痛みや、それ以上は開けないというような不安感が生じる。 他の症状としては腰部から背中、首、また鎖骨にかけての痛みがある。 頭蓋骨の領域を含めた軸骨格の機能障害が強いが、特徴的なのは左の腸骨筋がガンマループを起こして過発火している。 その腸骨筋をリリースし、ついで側頭骨と小脳テントをリリースする。

          口が開けられない女性へのアプローチ(臨床録)

          ギックリ腰へのアプローチ(臨床録)

          40歳代 女性 ヨガなどを教えるフィットネスインストラクター 依頼は急性の腰痛 急性の腰痛での来訪。検査するといわゆるギックリ腰と思われる。 ギックリ腰は仙腸関節か椎間関節がロックして強い痛みを出しているケースがあり、その場合はその箇所のリリースでほとんど軽快することが多い。 今回のクライアントの場合は仕事でのレッスン中に痛めてしまい、そのまま動き続けていたためか、状態がかなりこじれている。 オステオパシーでは症状なっていった経緯の順番を巻き戻すようなアプローチが良いと

          初回のカウンセリング

          オステオパシーは季節の変わり目に初回の方が増える傾向を感じる。 気候の変動は体調を崩しやすかったり、不調の芽が顔を出したり育ったりしてしまいやすい。 予約システムを最近新しくしたのだが、以前も今も「初回の方はこちら」というメニューを作っている。 初回はカウンセリングでいろんなお話を聞きたいからだ。 一見関係あるのかなという情報も良いアプローチにつながることは多い。 ちなみに初診の時に必ず聞いているのは「問診のソクラテス-SOCRATES」。 話だけで10分-15分、場

          パンチ動作へのフィジカルトレーニング(セッション記録)

          20歳代 男性 格闘家 ストレートパンチ時に身体が突っ込んでしまう癖を相談したいとの依頼 実際に動きを見せてもらうと足底で地面を上手く蹴れておらず、地面反力が有効活用できていない様子。 強く影響しているのは運動の連鎖性と関節の不安定性と思われる。 フィジカルトレーニングは日頃からやっているので、トレーニングにより動作改善を試みる。 今回行ったメイン種目はランドマインのクリーン&ジャーク。 メインを行う前にトレーニングや手技の調整で機能をある程度復元させている。 メイ

          パンチ動作へのフィジカルトレーニング(セッション記録)

          社会人サッカー選手 股関節痛(臨床録)

          20歳代 男性 主訴は股関節痛。 サッカーやランニングを習慣的に行っていて、いわゆるグロインペインと思われる。 身体をチェックすると特に気になるのが仙骨の状態で、右斜軸/右回旋と呼ばれる変異を起こしている。 また同時に上位頸椎の変異も強い。 仙骨は上半身の軸骨格のボトムであり、上位頸椎はトップであるので関連性が生じていることもある。 今回はおそらく脊柱の上端と下端で代償を起こした結果の適応と思われる。 この仙骨の変異に関しては、間接的に腹斜筋と腓骨の影響もある。 これ

          社会人サッカー選手 股関節痛(臨床録)

          女子中学生 肉離れの後遺症とシンスプリント(臨床録)

          クライアントは女子中学生 陸上競技を行っている。 ママ友つながりの紹介で来訪。 依頼内容は、大腿部の肉離れの後遺症の違和感、シンスプリントの改善。 身体全体のアライメントが崩れている。一言でいうといわゆる「ゆがんでいる」や「姿勢が悪い」と呼ばれる状態で、末梢の筋に負担がかかっている。 それが筋膜タイトにし、その影響からリンパ環流の悪くして、浅深の筋膜の柔軟性が損なわれている影響が強い。 これは主に頭蓋と頸椎、上胸部の状態の悪さが引き起こしている様子がある。 そのせい

          女子中学生 肉離れの後遺症とシンスプリント(臨床録)

          寝付きの悪さの改善。

          寝付きを悪くする原因は様々ですが、春や秋の梅雨のシーズンなどの季節の変わり目などは、暑さや湿気や気温の変動で寝付きの悪さを感じる方もいらっしゃると思います。 単純な寝苦しさのせいもあれば、この時期特有の不安定な気候によって、自律神経系=交感神経・副交感神経が乱れされることによる影響もあるでしょう。 自律神経に加えて、この不安定な気候、湿度や気圧の影響はリンパの還流も低下させます。 リンパの流れは平常時でも弱いため気象などの影響も受けやすく、リンパシステムの機能の低下は疲

          脳震盪と不安感と下顎骨

          今週は思うことがあり、殴られることと殴ることに慣れたいと思ってボクシングの練習をしている。 結果、悲しいことに殴るより殴られているほうが多い感があるのだが涙、それはともかく笑、私の仕事、オステオパスという徒手療法家としてと、またフィジカルトレーナーとして思うことがあったので書いておきたい。 ご存知の通り、殴られることによって脳が揺れる。 脳は硬い頭蓋内に入っており、脳脊髄液というリンパ液に近い液体で満たされている。 この構造はスーパーで売られている豆腐が、柔らかくても崩

          気がつくのに15年。

          大学卒業後の5年間ほど、2社の企業で勤めた経験がある。 1社は専門商社で、買い手と売り手が円滑にいくように営業したり手配する業務内容だったと思う。 最近、フィジカルトレとケアを見ているファイターと、栄養アドバイザーの人の間を取り持つ機会があった。 今回は今までの情報や知識を持つ自分が間に入ることで、スムーズな流れになったように思う。 15年ほど前の話に戻るが、私がその商社に勤めていた時の上司が、右から左に流してるだけじゃうちらのいる意味がない、と言っていたのをよく覚え

          柔軟性と処理能力

          写真は総合格闘技の田嶋選手です。 総合格闘技はその名の通り、立ち技や寝技を含んだ総合の格闘技です。 彼は柔道がバックボーンであり、以前の試合では強いタックルやグラウンドファイトなど「組む」印象のある試合をしていました。 しかし先日行われた試合では、終始スタンディングの打撃で圧倒し、TKO勝利を納めました。 その時の試合展開や選手同士のスタイルもあるので、今回はこの結果になったという側面ももちろんあります。 しかしながら格闘技に限らず対人競技では、「得意な武器があるからこ

          実力が伸びる時。

          先日フィジカルトレーニングをみている選手に、ひょんなことから「ブレイクスルーした時はいつか?」という話をした。 その選手は、ある誰かの言うことを素直に聞けた時、というようなことを答えた。 これに関してはこれといった正解があるものではないだろうし、人それぞれ違うと思う。 必ずどういう形であれ、その人の思考パターンや反応パターンは形成される。 聞き慣れた言葉で言えば “日々の習慣” といえるだろう。 大切なのは、その習慣ができるだけ自分の目的や目標に近づいていくものである