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なぜ7日で初のゲームを完成できたのか

構想~公開まで7日ぽっきり。人生初のRPGをつくった。ロケットランチャーではない。
制作中の画面はすべて配信。動画に残している。Vtuberの番組内企画だ。
この記事では画像を交え、リアルなゲームづくりをダイジェストでお送りする。

約9800字、画像は多め
補足文献1枚(Googleドキュメント・690字)
参考リンク約20、画像・文の引用は少々

概要

完成したゲームはコチラ

作業期間:2019年9月8日(日)~14日(土)
制作ソフト:RPGツクールMV
作った人:俺

Vtuber番組内企画としてゲームづくりはすべて公開中だ

企画「Vtuberゲームづくり対決!」に参加した

番組には男の娘Vtuber白木サトミくんと俺の2人が出演する
それぞれゲームをつくって、互いのゲームを遊ぼうという企画だ
もちろん実況プレイする

ただし、実況プレイには1つだけルールがある
・30分以内にクリアする

また、ゲームづくりに2つのルールが定められた
・7日間でゲームをつくる
・自分で遊んで5分以内にクリアできる

これがコラボお誘い兼「企画書」になる
内容は思いつき

ちなみに俺のTwitchフォロワーは17人

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こんなクソ雑魚ナメクジにOKくれたサトミくんは神

打ち合わせはDiscordで1時間ほど喋っておしまい
サトミくんが対応してくれて良かった

配信日は2019/9/15 すでに配信済みだ
番組はコチラ

https://www.youtube.com/watch?v=EUuqS-YM8IU

結論 特別なことは何もしていない

ものづくりに答えはない
完成させるだけなら誰にだってできるのだ

残念ながら、強い意思、深い考え、ひらめきと言った類はない
俺が話せるのはゲームづくりに向き合った記録だけだ

向き合ったと言っても、レベルを上げて殴るだけじゃない
「無理そうな相手なら戦わない」や「相手の弱点を突く」ということだ

レベル1でもゲームはつくれる
では、これから俺がどんなことをしたのか話していこうと思う

作者は15年ぶりのゲームづくりに再挑戦する

男・20代・作家
仕事で小説を書いている
生業という意味ではディレクターだ

今回のゲームづくりはリベンジマッチだと思ってる

ゲームづくり技術は皆無
・小6の時にRPGツクール2000を1ヶ月くらい触った
・高校生の時にノベルゲームのシナリオを書いた
・大学生の時に将棋や囲碁みたいなアナログゲームをつくった

小6の時に取りこぼした「RPGツクールでゲームを完成させる」という目標に、15年ぶりに再挑戦する

0日目 作りたいゲームは『ムジュラの仮面』

俺の最も好きなゲームは『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』だ

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ムジュラの仮面は不気味な月が象徴的で、想像の通り怖いゲームだ
たしか、キャッチコピーは「こんどのゼルダは こわさがある」だったと思う

暖色の町並み、お祭りを前に忙しそうな街の人々、何気ない時間が過ぎて日が暮れていく
しかし、3日後に月が落ち、大人たちはその営みが終わると分かっている
人の営みがあるという実感に隣り合う「こわさ」

ゲームのシステムは最期の3日間を何度も繰り返しやり直す
だけど、ゲーム内のイベントで全ての人を救うことはできない
時間を戻すと誰も自分を覚えていないのだ

また、お面をかぶれば特殊能力を得るというシステムがある
繰り返される3日間より前に死んだ者たちはもう救えない
死者の仮面をかぶり、死者に成り代わるシステムは「こわさ」そのものだ

『ムジュラの仮面』は、繰り返して遊びたくなる
そんなゲームをつくりたいと思っていた

1日目 RPGツクールMVの講座動画を見た/テストプレイヤーを依頼した


まず大前提として、この1日目までマジで何もしてない
構想もしてないし、何なら前日の午後はTSもの小説を書いて、ディナーで女の子にアプローチをかけて空振りしていた

まずは毎日なにをするかTwitterでアナウンスすることを決めた
分からないことだらけだから、考えをまとめるためだ
目の前の課題を淡々とこなすだけなら俺でもできる

まあ、時間配分がよくわかってなかった
1日目にできたのは4つだ

・ゲーム実況者のまっくすさんのRPGツクールMV講座動画を見た
・RPGツクールMVの公式webにある初心者講座を見た
・テストプレイヤーを依頼した
・どんなゲームをつくるか決めた


1日目は勉強と人集めをした

勉強はゲームっぽく言うと攻略サイトを見るのと同じだ

RPGの作り方は、まっくすさんのRPGツクールMV講座を見た
RPGツクールの公式webサイトに載ってたからこれが正攻法だと思う

あとは公式webにある初心者講座はとても丁寧なのでオススメだ
2~3時間でぜんぶ読めちゃう

と言っても勉強だけやると飽きる
そこでテストプレイヤーの依頼を平行して行った


ゲームはテストプレイをしてナンボだ

このあたりは『NEW GAME!!』で学んだ

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少なくとも5人くらいに遊んでもらえればいい
こういうのは10人に1人くらいが遊んでくれると言う
50人にテストプレイ打診のメールを出した

この日OKを出してくれたのは6名だった

また、テストプレイは4日目~6日目の間に行うことになった

ゲームの完成予定時刻は4日目の17:00
あと72時間だ

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テストプレイは依頼した方が集まる

ちなみにテストプレイヤーは希望者へ募集をかけた
これは最終的に0人だった
テストプレイヤーって募っても集まらないのが普通なのかも


どんなゲームをつくるかは1時間で決めた

最後、寝る前に1時間くらいかけて「どんなゲームをつくるか」決めた
他人に憑依して操るゲームになった
あきらかに、前日、TSものの小説を書いていたせいだ

似たゲームがあるか探していたため1時間ほど時間がかかった

夕方、構想を練るために温泉へ行ったのだが、つい飲酒してしまう
1日目終了

2日目 RPGツクールMVをダウンロードした

まったく作業できなかった

それは「臆病な自尊心」のせいだ

臆病な自尊心とは、自尊心の強さゆえにその自尊心を傷つけられることを極度に怖れる心理だ

昨日、テストプレイヤーの依頼を50人にメールした

結果、総勢20名の方がテストプレイに協力してくれることになった

Vtuber、ゲーム実況者と言ったプレイヤー視点
ゲームデザイナー、小説家と言ったクリエイター視点
RPGツクールでゲームをつくる「ツクラー」という人の視点

さまざまな視点からテストプレイしてもらえることになった

こんなにもありがたいことなのに、なのに……


ヤバイ、急に怖くなってきた

だって10人に4人が遊んでくれるって異常だ
普通なら10人に1人くらいって話なんだぞ……?

恐れ多くも、期待されていると思ってしまった

期待には応えなきゃいけないと思う
だけど、RPGツクールMVをまだダウンロードしてないのだ

この日は1時間だけ配信した
他の人が作ったRPGツクールMVのゲームを遊ぶだけだ

そのあと15分だけダウンロードしたRPGツクールMVをさわった
ゲームづくりができる精神状態じゃなかった

2日目終了

3日目 仕様書をつくった/素材を選んだ/メインのシステムをつくった

3日目できたのは3つだ

・仕様書をつくった
・素材を選んだ
・メインのシステムをつくった

午前中ずっとウダウダしてた

マジで滅入ってた
1日のやることリストなのに、上のツイートを13:36に投稿

そういえばテストプレイ用データって4日目の17:00に配布するって言っちゃったんだよなあ……
絶対これ明日までに間に合わない……
間に合わないのに、やる意味あるのか……?

1日じゅうずっとこればかり考えてた
でも、作業はかなり進んだ


やることリストに助けられた

リストの上から順番にやることにして、ほかのことは考えるのをやめた
ゲームを完成させないと企画が成り立たないのだ

完全にあきらめてたし、20名の期待を裏切っても、ゲームだけは完成させようと思ってた

精神的に参ったら決まったことをロボットみたいに実行する
手を動かしているうちにやる気は勝手に湧いてくるものだ

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考えを言葉にする

仕様書はGoogleドキュメントを使って作成
この仕様書は「構想を言葉にまとめる」という意味合いでしかない

1時間もかからずにできたと思う
その仕様書はコチラ

『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の感じとは違うイメージの名前だ
そこで世界観を明るくして、出来る限り毒抜きをしようと思った

また、仕様書をつくったことで本作はパズルゲームっぽいと気がつく
以降はパズルゲームだと捉えてシステムをつくるように心がけた


おもしろさは企画で決まる

「ゲームのおもしろさ」は多種多様で一概に言えない
だけど、「自作のおもしろさ」ならはっきり言えなきゃダメだ

「自作のおもしろさ」の実現がゲームづくりのゴールでビジョンだと思う
仕様書にはこの作品はどうあるべきかを書いた

この時点でおもしろくなさそうだったり、どこかで見たことあるような気がしたりするなら考え直す


何かを選ぶことは、何かを選ばないことでもある

次にやったのは素材選びだ
RPGツクールMVにはすでにグラフィック素材やサウンド素材など作成済みのデータが入っている
そこからゲームに使えそうな素材を選んだ

素材を選んだら名前を付けた
俺はネーミングセンスが無いと思ってる
女の子の名前は「ロリ」だし、勇者の友人の名前は「ユージーン」だ

キャラやアイテムは必要な分だけあれば良い
企画が成り立てばいいから30分たのしく遊べる程度だけ
余計なものがあると30分以上かかると予想して、あえて入れない

同じ理由でセーブ機能とロード機能を消去した
メニュー画面は、ステータス、オプション、ゲーム終了の3つだ
ほかにもBGMを減らしたり、マップ数を1つにしたり、引き算した


人間が一度に覚えられるルールは3つまで

最後にやったのはメインのシステムづくりだ
メインのシステムは3つまでにしようと考えていた

人間が一度に覚えられるルールは多くて3つくらいだ
ボードゲームを遊んで何となく感じたことなので確証はない

まあ、覚えることが少ないほど遊びやすくて良いと思う
そういうわけでこのゲームにおけるパズル的な要素を、3つのメインシステムで成り立つようにつくることにした

1.マップ上のキャラクターに憑依して30秒になると憑依が解除される
2.「たましいのかけら」を集めると憑依できる対象が増える
3.憑依が解除されてもステージギミックはそのまま残る

1.マップ上のキャラクターに憑依して30秒になると憑依が解除される

これは「メンバーの入れ替え」「タイマーの操作」で解決した

公式サイト(https://tkool.jp/mv/about/index.html)より引用

RPGを作るのに必要なグラフィックや音楽データもソフトの中に同梱されているので、アイデアさえあれば、どなたでも気軽にゲーム制作をお楽しみいただくことができます。

RPGツクールMVの初心者講座に載ってたのをいじっただけ

2.「たましいのかけら」を集めると憑依できる対象が増える

これは「変数の処理」「条件分岐」で解決した
初心者講座に載ってたのをそのまま使った
たましいのかけらが画面に表示されるのは「ピクチャの表示」で解決した

3.憑依が解除されてもステージギミックはそのまま残る

ステージギミックはマップを出ると元に戻るようになっている
そこで1つのマップ内を探索するゲームにした


1つの答えを見つけるのにすごく試行錯誤する
ウダウダしてた割にとても時間をかけて作業した日になった
3日目終了

4日目 マップをつくった/テストプレイした

核となる部分だけ先につくった

「5分でクリア出来る部分を先に作る」というのは企画のルールでのことだ
自分で遊んで5分でクリアできなければレギュレーション違反となる
リアルタイムアタックを繰り返し、4分30秒~5分でクリアできるようにした

その調整は簡単にできる
メインのシステムが出来た時点で、あとは「たましいのかけら」を配置するだけだからだ

エンディングやオープニングづくりは時間調整のために設けている
クリアまでのヒントを作りながら、障害物を配置した

このあたりは経験にたよる

「見えるけど取れないアイテムは後で取りに来るやつ」とか「序盤で入れちゃうけど難易度が高いダンジョンは何かフラグをスルーしてる」とか
そこそこゲームを遊んできたらわかると思う


マップづくりはサンプルマップをアレンジしただけ

サンプルマップを森の中の村にしたのは理由がある
マップ内に高低差があり、ステージごとに分けることができたからだ

憑依できる対象が帽子のある人になればゲームクリアできる
憑依できる対象は4種類でゲーム開始時すでに1種類ある
だから、このゲームは全3ステージだと分かった

・ステージ1「どうぶつ」
 ゲームの目標をつくる/憑依アクションや操作方法を覚える
・ステージ2「モンスター」
 小目標をクリアする/マップの広さを実感してもらう
・ステージ3「帽子のない人」
 ゲームクリアの条件を満たす/世界観の深さに気づいてもらう


布石を置いて、ゲームを遊ぶ目標を見つけやすくする

ステージ1

ステージ1では教会のあるエリアのみ移動できる
ゲームの目標をプレイヤーに見つけてもらうように、何ができるかは「たましいのかけら」を集めるごとに見えてくるように設計した

仕掛けをクリアすれば行けるエリアが広がるし、何ができるか新しく分かるようになると言う布石を置いた
どんな報酬が用意されているかここで提示している


ゲーマーは行き止まりを調べたくなると思う

ステージ2

ステージ2では前半は上の橋まで、後半は下の橋まで移動できる

プレイヤーはステージ1で移動できる場所を増やすことを目標としたはずだ
だからステージ2では、そのご褒美としてミニゲームをクリアすると、移動できるエリアが一気に広がるように設計した

ステージ2は入り組んだ地形だ
ゲーマーは行き止まりを調べたくなると思う
そこで行き止まりには宝箱やかけらと言った報酬を用意した


平面的なフィールドをストーリーが立体的にする

ステージ3

ステージ3では右上の谷以外はすべて移動できる

ここまで遊んだ人ならプレイングスキルが上達している
ストーリーを読み込む余裕があるはずだ
人に憑依できるようになり、ステージ3で初めて物語が始まる

右上の谷は、ゲームクリア以外の目標を持った人の到達点を示唆した
このエリアに来るには、少なくとも3つのサブシナリオをクリアしないといけない

本作のストーリーは群像劇だ
勇者を志す気弱な青年、両親を亡くした少女、泥棒に遭ったマダム、攻撃しないオーク、あっち向いてホイを仕掛ける爺、魔王の復活を願う男…

プレイヤーの分身である青い魂のストーリーはあえてつくらなかった
だから、様々な登場人物のストーリーでプレイヤーは群像劇の傍観者になるのではなく、憑依というシステムによって当事者になっていく


テストプレイの目的をつくる

最後は17:00までにゲームを完成させること
まあ、これは無理だった

完成しなかった旨を正直に伝えて別の日に遊んでもらうことになった

ここから完成品を遊んでもらうという考えをやめる
テストプレイでは、すべての「たましいのかけら」を集め終わる時間を測定した

これで初見プレイの人がおおよそ何分くらいでクリアできるのかが分かった

ゲームクリアまでおよそ20分

それがテストプレイで得た結果だ
単に遊んだ感想を求めるだけでは、テストプレイにならない
どんな部分を注意して見てほしいか伝えたことで、結果的にテストプレイヤーという目線でゲームを見てくれたように思う

4日目終了

5日目 遊び方の説明書をつくった/シナリオをつくった

イベントづくりが無限に終わらない
正直あきた
この日はイベントづくりをサボって別のことをした


家に帰るまでの、説明書を読む時間が好きだった

アナログゲーム界隈ではゲームの遊び方を「インスト」という
このインストにあたる画像という意味でインスト画像と書いた

的確な言い方に直すならサマリーが正しい
語彙力の問題だ

サマリーはゲーム中いつでも確認できる遊び方を記したものだ
本作で書くことはゲームの目的、操作方法、画面の見方だ

デジタルゲームのサマリーって紙の説明書だなって思う

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子供の頃、ゲームを買って家に帰るまでの、説明書を読む時間が好きだった
そうやって期待をふくらませる時間が、俺をゲームに没頭させたんだと思う

でも、今のゲームに説明書は入ってない
チュートリアルが用意されていたり、ネットで遊び方を先に知ってるからだ

……なんだかちょっぴりさびしい
俺の好きなゲームをつくるのだから説明書を入れることにした


大事なのは最初の20秒

当たり前だけど導入がつまらなければ遊ばない
だから開始20秒でゲームの遊び方に1ボタンでたどり着くようにした

遊び方ワンクリック


ゲームの目標は自分で見つけないといけない

ゲームの遊び方はすべて理解してもらわなくていい
説明書の役割はプレイヤーにゲームをどう遊ぶかイメージさせることだ

サマリーにはしばらく遊んでからじゃないと分からない情報を3つ入れた

・憑依した相手によって能力が違うこと
・それはステータスを見れば分かること
・憑依できる対象が4種類あり、プレイ開始時は1種類しかないということ

この情報がはじめに用意されていれば、ゲームの目標が憑依する対象を増やしていくことだと分かる

遊び方画像説明

「大きな家を目指そう」というのはゲームクリアの条件にすぎない
ちなみに本作は最短5分でクリアできる

たぶん「憑依する対象を増やすのが目標です」と直接言うのはダメだ
目標を押し付けられるのはおもしろくないと思う

だから、プレイヤーには「憑依する対象を増やす」ということを、サマリー1枚に散りばめた情報から自分で見つけてもらうようにしたかった
自分で目標をつくってそれを達成する、というよろこびはゲームを遊ぶ楽しさの1つに違いない


いかに5分でクリアさせないか

5分でクリアできることは番組企画内のルールだ
それを周知した状態で公開しているのだから、ゲームのウェイトは5分でクリアできるかではない
いかに5分でクリアさせないか、だ

そのための障害物をたくさんつくる
たぶん、こういうゲームにおける障害物は3種類あると思う

1.目に見えて分かる障害物
2.一目で分からない障害物
3.障害物に見えない障害物

1.目に見えて分かる障害物

帽子のない人は入れません2

「人が邪魔をして行き止まりになっている」
「移動速度に制限があってめっちゃ遅い」
「唐突に始まる障害物避けミニゲーム」

これをクリアすることが小さな目標としてプレイヤーの中に作られる
小さな目標を達成していくごとに、最初の「憑依する対象を増やす」という目標に近づくのだ

2.一目で分からない障害物

かくれたほのお

「30秒の制限時間」
「隠れたましいのかけら」
「近づくと攻撃してくる人」

いわゆる初見殺しは、プレイヤーがプレイスキルの上達を実感しやすい
プレイスキルの上達を感じられることで作業感がなくなり、プレイングに緩急が生まれるのだ

3.障害物に見えない障害物

わんわん

「ステータスを確認して能力を確かめないと答えが分からないイベント」
「サブシナリオ」
「意味ありげな初見殺しスポット」

これはゲームクリアへの導線にノイズを生み、ゲームクリアの条件をどうすれば達成できるのかプレイヤーに考えさせる
また、ノイズが世界観の広がりを感じさせ、ゲームのエンディングに意味を持たせるはたらきがある


『ムジュラの仮面』が終わりの物語なら、本作は始まりの物語

本作のエンディングはとても味気ないものだ
青いたましいが他人に憑依できる理由やオープニングで大きな家に身体があるかもと思ったのは、これから生まれてくる存在のたましいだったから、というだけ

だけど、そんな存在が生まれてくる場所が、しあわせや思いやりや希望や冒険の予感に満ちていて、それらはプレイヤーがつくったものだったら?

そういう想像の余地を与え、本作はエンドロールに入る


シナリオづくりはハリウッド映画を参考にした

そんな風にゲームづくりしながら、どんな話をつくるか決めていった
エンディングをつくったので、そのオチを示唆できるようなオープニングをつくった
ハリウッドの脚本はエンディングを先につくるのでそれと同じだ

俺、物書きVtuber、シナリオ、チョットワカル


イベントづくりはせず、話を考えることが中心の1日だった
5日目終了

6日目 イベントをつくった/デバッグした

この日の予定をツイートしてなかったが、それくらい焦っていた
話はできていてもイベントがほとんど手つかずだったからだ

そして20名のテストプレイヤーから続々とバグ報告が送られてくるので精神的に余裕がなかった

5日目に考えたことを黙々と実装していった
分からないところはGoogleで検索する


RPGツクールは優れた共通フォーマット

プラグインを入れる選択もあったが、何も入れなかった

公式の初心者講座(https://tkool.jp/mv/guide/011_001.html)から引用

プラグインとは?
例えば、MV で以下のようなことをやりたいと考えたことはないでしょうか。

メニュー画面のレイアウトをオリジナルのものにしたい
アイテム図鑑やモンスター図鑑を作りたい
全体攻撃など、特殊な効果を持つ武器を作りたい
これらは、ここまで説明した「データベース」や「イベント」だけでは実現できない、もしくは実現に大変な手間がかかることです。しかし、「プラグイン」の機能を使えば、それほど多くない手間で実現が可能になります。

このように、プラグインは、ゲームの基本的な部分の機能を置き換えたり、既存のイベントコマンドなどでは実現不可能な機能を実現することが出来るものなのです。

RPGツクールという優れた共通フォーマットをわざわざ崩す必要もないと思ってプラグインを入れなかった

普遍性は7割、新奇性は3割で良い
今回はメインシステムでそれなりの新奇性は担保されていると思った


運否天賦と人海戦術

とにかくバグを削りながらイベントをつくった
ただ、1週間でゲームづくりを完成させるに至った最大の理由はここにある

ゲームづくりを一人で抱え込まなかったのがここで功を奏した
20名のテストプレイヤーの中には、バグの原因を教えてくれたり、その解決法を提示してくれた

かみがみ

一人で無理そうなゲームづくりなら一人じゃなくなればいい
制作ソフトや技術的に難しい部分はたくさんのアイディアで解決する

というか、時間がなければこれしかない
記事のはじめに「特別なことはなにもしていない」と言ったのはこのためだ

結局、最高の人たちに巡り合っていた運の良さに尽きると思う
それ以外は変わったことはしてないはずだ
6日目終了

7日目 音素材や演出を調整した

この日もTwitterに予定を投稿していない
ほとんどゲームは完成して、音素材や演出を追加するだけだったからだ


違和感はズレない感覚だ

ネット上の素材配布サイトから音素材を探す作業は時間がかかる
すでに入っている素材から選ぶだけにとどめた
演出に関しても凝ったものは何一つしない

ゲーム内の情報量を調整したり、不自然な動きをする部分を修正した
音素材は違和感をなくせそうなものを選ぶ

仕上げにおいては「しっくりくる」より「違和感」を信じるようにしている
「しっくりくる」は人によるけど、「違和感」は万人に共通するからだ


そうやってゲームを完成させた


ゲームづくりは7日間で終わりじゃない

RPGアツマールに投稿したら動作がモッサリになったし、未解決のバグ、未修正の演出がある
HPやLv表記などシステム的に不要なものを消したり、不便さや面倒臭さをなくしたりする
出来ないことを想像できないように削る部分が大半を占めると思う

魔王覚醒イベントで兵士が焼かれる表現をソフトにしたい
エンディングは黒画面じゃなくて、プレイヤーが介入して変化した街の様子が見えるようにしたい
プレイヤーの意思決定がゲームの結果に影響するようにしたい

今後はこれらを解決していく


さいわい、RPGアツマールに公開すればコメントがデバッグの代わりになる
それに俺は作家としてVtuberとして作業工程を配信している
間違いや無知を人に見られることにためらいは無い

現時点で「何言ってんだこいつ」と思う部分もあるだろう
このゲームづくりは7日間という区切りでもって完成できた
まずはそれを記録に残した

というかこれが俺の初めてつくったRPGツクールのゲームだ
俺のゲームづくりのこれからは、ぜひ君の目でたしかめてみるといい


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