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【第2回】再生医療の歴史っていつから?


「再生医療」とは、怪我や病気で損なわれた又は生まれつき損なわれていた細胞や組織、器官(場合によっては遺伝子の働き)を正常な状態に「再生」させる治療です。

京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞(参照:首相官邸ホームページ)した2012年頃から、再生医療に多くの人が期待を持ちだした時期ですね。


再生医療を用いることで、従来治療することのできなかった疾患の治療、そして根治が可能になるかもしれない。アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患や、事故などによる脊髄損傷、そして心筋梗塞や心筋症のような心疾患、緑内障や加齢黄斑変性のような眼科疾患など多くの領域の疾患において根治治療が可能になると考えられ、研究も多くなってきてる。
実は再生医療の原形となる行為そのものは、15世紀末から行われていた輸血です!当時は血液型の概念もなかった。末梢血の寿命(例えば赤血球では約120日)を考えると、一度の輸血では効果が長続きしません。その後、この問題を解決するため、骨髄移植が確立され、現在では一般医療になってるからまぁまぁすごい。
再生医療の中でも、細胞を用いて疾患を治療する細胞治療は、血液細胞を用いた治療から始まりました。1970年代より再生不良性貧血や白血病などの難治性骨髄性疾患に対して、造血幹細胞を患者さんに輸注する治療方法が確立し、現在の骨髄バンクや体性幹細胞を用いた再生医療につながっています。

1970年代には、細胞を注入するだけではなく、シート状の組織を構築した上で、人体に適応する技術が開発されてきた。そして1993年頃にはティッシュエンジニアリングという概念が提唱されたから、ここから進化スピードがあがった。
ティッシュエンジニアリングとは、工学と生命科学の融合により、人工材料と細胞・生理活性物質を組み合わせる技術。
この技術により、生体機能を代替する製品を作製することができ、これは現在の細胞シートにもつながる考え方になった。1990年代後半には体細胞と比較し、分化能力が高い細胞を用いるための研究が進み、1998年にヒトES細胞を樹立することでES細胞を用いた研究が盛んになり、再生医療の日本での知名度があがったんだけどね。
ES細胞は受精卵を破壊し作製するため、倫理面での問題が指摘され、ヒトの受精卵を用いることのないiPS細胞の活用が検討されるようになった。現在ではES細胞も含め、体性幹細胞、iPS細胞など様々な細胞を用いた研究が行われているけど…


ここからがなかなか進んでいるのか進んでないのかよく分からない!
で、詰まるところ法律の戻ることになるのですが、次回は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」について

再生医療を進めるにはどうしないと?って話を少し。

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