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2023発表会本番(前日)

年に一度の、チェロの発表会を終えました。
振り返りをしたいと思います。

今回は、前日のピアノ合わせから。

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ピアノ合わせは夕方からだった。

その日は日中仕事で、しかも、出たくもない会議に出席させられた。
職場のある地域の会議。
私の出席を依頼してきた自治会長さんに長時間捕まってしまい、しんどかった。

夜の懇親会出席も求められたが、丁重にお断りした。

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そのようなことで、覚悟はしていたが、リハーサルへ向かう頃にはかなりクタクタだった。

リハーサルの会場となる音楽教室には、約束の時間20分前に着くことができた。

隣の部屋で音出しをしながら、待機。

「お待たせ。」

師匠が私を呼びに来た。
楽器を持って、ピアノのあるレッスン室へ向かう。

レッスン室では、今回私のピアノ伴奏をしてくださるW先生が待っていた。
早速ご挨拶。

「夜です。こうしてお話しするのは1年振りですね。今日をとても楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いいたします。
昨年、W先生がソリストで皇帝をお弾きになったジルベスターコンサート、聴きに行ったんですよ。とっても素敵でした。」

W先生
「ああ、Kさん(師匠)も乗っていらしたあのコンサートですね。来てくださってありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです。
こちらこそ、よろしくお願いいたしますね。」
と、ニッコリ。

ああ、やっぱり良い先生だ。
もしピアノを習うなら、私はW先生に教わりたいな。

「お前の弾くアダージョね、お前も苦労したけど、伴奏のWさんにとっても、難しいんだって。」
と、先生が言う。
「選曲にアダージョ入れたのは僕だから、Wさん、スミマセン。」

W先生、苦笑いする。
「夜さん、一緒にがんばりましょうね。」

W先生…誰かさんと違って、やっぱり優しい方だ…。

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ピアノに合わせてチューニングをし、早速曲を合わせてみる。

先生は予め、W先生に私が苦手とする部分を話してくれていた。
テンポを極力合わせてくださる。

しかし、32分音符のある1小節が合わない。

「夜、そこは慌てないで。ピアノの音を聴きながら、ちゃんと4拍数えて。」
と師匠。

ピアノ伴奏のある曲を弾くのは、約10年振り(それまで、無伴奏ばかり弾いていた)。
感覚を掴むのにちょっと時間がかかった。

「Wさん、間奏部分はピアノのカッコいいところなので、Wさんのいいように弾いてください。
そして、チェロが入る小節からは、テンポを落としてください。」

今日の師匠はプロデューサーだ。
Wさんと私の息が合うよう、次々と指示してくる。

30分後には、何とか形になった。

「夜、45、46小節部分の『シソファ♯ミ』が相変わらず苦手そうだなぁ。何でだ?」

師匠にはやっぱり分かるか。

「シとソの間に16分休符が入るじゃないですか。3、休符、4、3の指の動きと、弾き戻す弓使いとの合わせ方が苦手なんですよ。」
と、私が答える。

「そうなのか?」とイマイチ納得のいかない師匠。

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「では、明日よろしくお願いします。」

もう少しここで練習していきます、とおっしゃるW先生を残して、師匠と私はレッスン室を出た。

「明日は11時前に会場に来て。すぐにステリハ(ステージリハーサル)するよ。」
「わかりました。じゃあ明日。おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」

手を振って、先生と別れた。

いよいよ本番。準備期間が3か月と短くて大変だった。
楽しみだ。

帰宅後は疲労感がひどくて、早々に就寝した。

(「当日前編」につづく。)