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道徳授業をアップデートする(3)

◆こんにちは。小学校教員のねこぜです。一年前、道徳授業をアップデートしようと記事を書きました。実際に自分の実践に生かすことで様々な変化が起こりました。しかしまだまだ未熟者。変化の記録と学びをアウトプットしていきます。


1.板書とワークシートを変えたら授業が変わった

 まず板書です。初回記事でも取り上げましたが従来の縦書きから横書きにチャレンジしてみました。はじめは不慣れなものですがやはり積み重ねが大事で少しずつコツがつかめてきました。思考ツールを取り入れたり図解化したりすることで視覚的に分かりやすくことも意識しました。形から入るなんて…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何のために変えるか、やってみないと分かりません。何より「授業を変えるんだ!」というこちらの思いが授業を楽しくさせます。

 続けてワークシート。本当は道徳ノートにしたいところでしたが、異動先の学校は学校共通で道徳ファイルを購入し、そこに毎回のワークシートを綴じこんでいくというものだったのでそれに合わせることにしました。教科書会社が提供するワークシートを使用するのも簡単でよいのですが、その都度印刷が必要であることと、ワークシートに主発問が既に書かれてしまっていることから自作することにしました。
 上記の二つの問題をクリアするために、毎回同じものを使えるように教材名を記入する欄を設け、メモ欄と称するただの大きな枠と振り返り欄の二つだけとしました。
 大きな枠が意外と子どもには評判がよく、自由に書けるからいいと。私と同じように図解しながら書く子、絵で表現しようとする子、箇条書きでがんがん書く子。A4の2/3を占めるその枠に入りきらないから裏面まで書く子も数人出始めました。

 板書もワークシートも従来の「こうあらねばならない」を脱却することで教師だけでなく子ども達も新鮮さを感じたり、これなら自分でもできそうと思えたりするようです。

2.表面的な学びにしないための深く考える発問とは

 次は課題です。教材研究が不足していると言われればそれまでですが、発問をどうするかに悩まされます。内容項目から、どのような思いで授業に臨むか、どんな価値観をもって臨むかが鍵になると思います。

授業をする際に、どんな価値を教えるのか、そして初めの価値から授業が終わったときにどんな価値に変えるのかというものを、実はけっこうもっていない先生が多い。(中略)
 どうやってその価値観の教材を研究していくのか。その価値観のとらえから資料を見ているわけですから、価値観からどう読むのかですね。でもその前提となる価値観をどうとらえるかができなければ、資料をどう読むかもできないわけです。

加藤宣行『道徳授業を変える教師の発問力』

 価値観をとらえて資料を読む。ここが国語と道徳の決定的な違いなのだと思います。そして、その経験が私にはまだ圧倒的に足りていません。どんな価値を教えるのか、「頑張ることって大事だよね」のような薄っぺらい、表面的なことではありません。だけれども一般化され、ともすれば何となく「そんなの当たり前じゃん」と思われているところに異を唱える、そんな感覚が必要なのだと思います。「頑張れば何してもいいの?」と問い返せるような力です。それは教師だけでなく子どもにも身に付けさせたい力です。

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