誰もがもつインナーチャイルド
◆こんにちは!公立小学校教員のねこぜです。よろしくお願いいたします。「インナーチャイルド」という言葉を知っていますか?直訳すると「内なる子ども」。要するに、個人の内面に存在する子ども時代から変わらぬ思考や習慣のことです。誰もが子ども時代を経由して大人になっていきます。いや、子ども時代によってその人自身が形づくられていくと言ってもいいでしょう。そんなことをテーマに記事を書いていきたいと思います。
▷ねこぜのインナーチャイルド
インナーチャイルドとは分析心理学などで用いられる言葉だが、しばしばネガティブな意味合いで用いられることが多いそうだ。子ども時代のトラウマやコンプレックスと言ってもいいかもしれない。
僕自身で言えば、「祖母との関係」である。赤裸々に言うのも恥ずかしいがそうなのだ。具体的に言うと、父方の祖母は礼儀に厳しく、学歴や家柄にうるさい古い考え方をもった厳格な人である。おばあちゃん子なんて言葉があるが、僕からすれば意味が分からない。甘えるなんてもっての外であり、祖母に会いに行く日はいつも何か言われるんではないかとビクビクしている。「している」と書いたが、実にこれが子どもの頃からずっと続いている。祖母に対して恐れ、会いに行くこと、電話をかけること、話すことつまり関わることに非常にストレスを感じてしまっている。もう何年も生きないであろう、会うのはこれが最後かもしれない、そんな感情はここ数年漸くもつようになった。分かっている、分かりきっている、とは言え、シンドい気持ちが影を落とすように残っている。このように、僕にとってのインナーチャイルドはネガティブ感情そのままに大人になっても変わらず残っているものなのである。
▷きっと誰もがもっているインナーチャイルド
みなさんはどうだろうか?家族と関係が良くなかったとか、友達にいじめられた過去があるとか、中学校のときの先生が怖くて学校が嫌いになったとか周囲への関係性の中でのネガティブ要素もあれば、自分の容姿や嗜好嗜癖に対するコンプレックスもあるかもしれない。過去の嫌な思い出にはそっと蓋をして、忘れたふりをしているかもしれない。実は今悩んでいることの根底にはこうしたインナーチャイルドの影響があるかもしれない。無意識のことだ。
精神分析学のフロイトは幼少期の家族関係に目をつけた。エディプスコンプレックスとはフロイトが提唱した概念。親子関係において、異性の親の愛情を求め、同性の親には嫉妬し憎む。しかし、その憎悪的な衝動は抑制され、憧れを生むことにも繋がっていく。
▷子どもに関わる立場として
今、目の前にいる子どもたちも随分家族関係には苦労しているらしい。あからさまに分かる、本人も心得ている場合はまだよくて、上述のように抑制・抑圧されている子もいるということに注意したい。無論、そこに介入して何かするなんてことはない。余計なお世話だ。DVやネグレクトなどの問題は別。その子の家庭の様子は学校からは見えにくい。子どもの身なりや表情、会話から汲み取る他ない。だから「家で何しよん?」「父ちゃん優しいか?」などそっと聞いてみる。一方で、個人面談や電話などで保護者から話を聞くこともある。これはあくまでも保護者から見た世界だ。しかし、忘れてはならない、その保護者1人1人もインナーチャイルドをもっていることを。
◆最後までお読みいただきありがとうございます。保護者も子どもも自分自身も1人の人間、個人であることに気を付けていきたいですね。誰がどんな悩みを(無意識であれ)もっているか分かりません。教師は医者じゃありません。しかし、悩みに向き合ったり、強く生きていく力を身に付けたりできる個人を育てたいのです。それでは、自分のインナーチャイルドに向き合うべく、祖母に会いに行ってきます。
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