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アラサー女子の誕生日にプロポーズしない男性は、無責任なのか?

28歳の秋、プロポーズをした。

いわゆる“逆プロポーズ”で、周りにはそれなりに驚かれる。

それはもう綿密な計画のもと実行したプロポーズだったけれど、今振り返っても涙が出るほど緊張した。


社会で活躍する女性が増えて、「男女平等」「対等なパートナー」「金銭的に依存したくない」というワードは耳にしても、女性から結婚の申し込みをするのは今の日本では一般的でないように思う。
(わざわざ発信している人がいないだけかもしれないけど)

やっぱりプロポーズは憧れなのだ。

自分を人生の伴侶にという選択、“結婚”という社会的に大きな決断、一生大切にするという宣言、自分が最愛の人であるという証明、などなど

そんなくすぐったくも愛おしい贈り物を、多くのリスクとともに提案する儀式、それがプロポーズ。


プロポーズから遡ること半年前、28歳の春。私は……

めちゃくちゃプロポーズされたかった。

付き合って3回目のお互いの誕生日を迎えて、クリスマスも終えて、同棲して3年で分譲マンションに引っ越して、お互いの両親にも会っていて、来年の冬には30歳になるし、このタイミングが「まだそのタイミングじゃない」なら、いつその時来ますのん!?!!!?

という、交際3年記念日。

特に何もなく、超〜〜〜〜楽しく、デートして終えた。

私はとってもしあわせで、とっても不安で、とっても悲しくて、彼に憤っていた。

結婚のタイミングって?

友だちと話せば「お前が悪い」と言う人はいないので、「覚悟がないんだよ〜」「まだ遊びたいのかもね」「仕事がタイミング悪いのかもね」と私の心の声をそのまま読んで慰め?てくれる。

「どうしてプロポーズしてくれないんだろう?」

「いつしてくれるの?なぜ今じゃないの?」

「このままプロポーズしないなんて、無責任」

「今仕事が楽しくて、先のことを考えていないんだ」


たくさん考えているうちに、おかしなことに気がついた。

ずっとずっと、「彼はこうしてくれない」「彼に原因がある」「私は頑張ってるのに、ヒドイ」そう思っている私。

なんて他責的というか、なんて仕事ができなさそうなんだろうか

そして自分、めっちゃヒマだな???

切り替えることにした。

あらゆる事象は自分発信で解決できるし、相手を変えようとしても変わらない。

自分は何をしたいのか?

どうなりたいのか?

これからの人生、どう生きたいのか?

そのために今、何ができるのか?

5,10年後のキャリアプランならぬライフプランを考えることにしたのだ。

自分は何をしたいのか?

結婚したいの?プロポーズされたいの?幸せになりたいの?

……しあわせってなんだ……という迷宮は置いておいて、これだけの問いでわかったことがある。

私は別に、結婚したくない。

とにかく彼とずっと一緒にいたいだけだった。(結構おかしいくらい、四六時中一緒にいたい)

結婚は、この先ずっといるための手段でしかなくて、プロポーズはさらにその手段。

この先の人生のしあわせや出来事を、全部彼と一緒に過ごして、悩んだり笑ったりしたいんだなと気づいたわけです(なんだこのJ-POP)。

プロポーズ、すればよくない?

そうしたら「プロポーズしてくれない!」と憤ってる自分が、ひどく情けないやつに思えてきた。

え??何??自分がずっと一緒にいたい側なのに、相手はそう思ってくれない!><って怒ってんの???

ヤバくない???

相手にも同じ気持ちでいてほしい、というのは百歩譲ってかわいいとしよう、でも怒ってるってヤバくないですか。

自分自身が急〜に恥ずかしくなってきた。

あれ?どっちが無責任なの??

すればいいじゃん。私が結婚したいんだから、私がすればいいじゃん。プロポーズ。

プロポーズすると決めたら、できなくなった

自分からプロポーズするの、めっっっっちゃこええええぇ!

え?断られたらどうしよう?

お前何言っちゃってんのみたいな、冷めた目で見られたら?

まだ違うよね、とか言われたら?

冗談だと思われたら????

そしてよく考えたら、

私、プロポーズして彼を養えるの??

共働きとはいえ、長い人生何があるかわからない。
もし彼が事故にあったら、私が大きな病気をしたら、産まれてきた子どもが健康でなかったら?親の介護が突然必要になったら?

今の収入(当時手取り20万円乗らなかった)じゃ、とても彼を「幸せにする」なんて言えない。

その時まさかのワードが頭に浮かんだ。

「まだそのタイミングじゃないな」

えーーー!!あんなに!あんなに!?今でしょ今でしょって頭の中で何回も林先生がゼク○ィ掲げてたのに???

自分がいざプロポーズしようとしたら、タイミングじゃないって!

再び自分が恥ずかしくなりました。

どれだけ彼に何もかも、自分の未来の妄想の幸せさえも押し付けていたか。

収入安定しないくせに「結婚したらネコ飼う!」とかほぼ毎日言ってた私を、よくもうイヤだ!ってなんなかったな。彼のキャパ宇宙だな……。

じゃあいつならいいの!?1人PJキックオフ

これまで頭で彼にぶつけていた「結婚いつするの!」を、今度は自分に投げつけた。

「結婚」というアイディア出しだけして仕事をした気になって、企画に落とし込まない無責任なやつにならないために。

リリース日を彼の誕生日(半年後)と決めて、私の1人PJは走り出した。

世代的にはまさに『プロポーズ大作戦』である。

・目標設定(SEY YES)
・課題設定(転職しよう)
・スケジューリング(何から始めよう)
・資金調達(貯金しよう)
・PRストーリー設定(なんて言おう)
・リリース会場抑え(どこでプロポーズしよう)

などなど(ふざけているみたいだけど、思い返してみると頭の中は本当にこんな感じだった)

幸い両家の両親は結婚に前向きだったので、ステークホルダーの握りもバッチリ。

この3年あらゆるケンカを繰り広げてきたおかげでデバッグも十分だった。

まもなくサービス運営開始1周年

長くなったのと、リリースまでの仔細は今回のテーマとズレるので省きます。

無事に課題解決して、PJ半ばでトラブルもありつつ、なぜか自分が泣いてしまったプロポーズも「いいよ!」とキャパ宇宙の彼に受け入れてもらえました。


なおプロポーズに際して、「彼に良く思ってもらうために、頑張る」は(会場選び以外で)考えなかった。

彼の気持ちは変えられないし、嘘のない範囲の精一杯を見せるのがプロポーズかなと思ったから。

女性は、「プロポーズしてくれない!」と嘆く、自分の真意はどこにあるのか?
→結婚してほしいって言われたいのと、自分が彼と一緒にいたいのとどっち?(どっちもなら怒ったりゼクハラしたりしない)

男性は、「まだその時じゃない」は課題整理できるものなのか?
→解決優先度が低いだけなのか、仮説検証段階なのか?(スケジュール引いてないPJは走ってないのと同じ)

考えてみると、もめる本質が見えるのかなと思います。


個人的には結婚して本当に本当に本当によかったなと毎日思っているので(すさまじく怒っている日も月1くらいであるけど)、結婚どのタイミングですべきか悩んでいる人の後押しになれたらうれしいです。

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