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「利他」は人間の本能⁈ エンタメでプッシュ⁈

先日、「最近の若い人のビジネスに対するスタンスはこれまでの層とは違って来ている」ということを書きましたが、それを示すのに「合うな」という言葉を新聞で発見しました。
それは「利他」です。
よく知られた言葉ですし、それかよ!という声もあるかもしれませんが、この言葉の由来などを知りますと、色々と考えさせられるものがありました。

1,200年前からある言葉

こちら、批評家の若松英輔氏のインタビュー記事からによるものですが、この「利他」という言葉、生まれたのは9世紀、実に1,200年前。
言い出しっぺは、当時同時期に仏教を学び広めていた2人の高僧。
一人は、真言宗の開祖“空海“
もう一人は、天台宗を広めていた“最澄“
お二人によると、「利他」というのは実は“人間の本能“なのだそうです。

“人は一人では生きられない“の意味

ちょっと宗教的概念/言葉になりますが、人には本来全ての命を救いたい、という「菩薩心」というものがあるとのこと。
そして、若松氏曰く、人間には他者と共に生きるという「存在の本能」がある、と。
シンプルに言うと“人は一人では生きられない“ということなのですが、それは、支え合って生きていくもの、という意味ではなく、「人は関わり合う/繋がり合うという“環境/状況“から逃れられない」ということです。
身内や友人という繋がりは勿論ですが、社会環境というものも同じです。
風が吹けば桶屋が儲かる、という言葉がありますが、プラスもマイナスも大きな繋がりの中で自分に影響してくる、ということですね。
それは自分も誰かに影響を及ぼす、ということでもあります。

「利己」の方が不自然⁈

世の中では、人間は“本来自分のことばかり考えている“もの、“競争してサバイバルしていくのが当たり前“という考えが一般化していますが、上記のスタンスに立つと、利己主義社会は、人間本来の本能を抑圧している社会、ということになります。
まあ、そこまで極端に考えないにしても、利他が本能なのかと思うと人生や社会に明るい光が差しますね。
これが、最近私が若い人と話していて、心が軽やかになるワケなのかもしれません。

エンタメは「利他」

空海は「自利利他」という言葉で「利他」に関して語っています。
それは、自分と他者の繋がりを軸として「修行で自己を深めることと他者の救済は1つ」という意味だそうです。
これって、エンターテイメントと合致するな、と思ったのです。
素敵な歌を作る、面白い映画を作る、それはクリエイター/アーティストにとってはまさに“修行“
それを追求することが結果として、それに触れる世の中の人の心を豊かにすることになる、という。
創るサイドにその意識がある無しは実は関係無く、エンタメとはそういう存在なのだ、と思います。

「自利」が「利他」になるエンタメを創り出す!

上記を踏まえ、企画屋さんとしては、もう一つ大きな広がりとなるエンタメスキームを創りたいと思っています。
それは、世の中の人がエンタメを思いっきり楽しむと、それが他の人の救済に繋がるエンタメ企画
修行ではなく純粋に楽しむ「自利」が「利他」に直結&一体化しているエンタメ。
今、仕込んでいますので、発表出来るようになったらお知らせします!

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