見出し画像

「THE SECOND」から思う。ライツビジネスのキモはやっぱり「企画」

先日、「結成16年以上の漫才師」を対象としたお笑い賞レース「THE SECOND〜漫才トーナメント〜」がオンエアされました。
「M-1」「R-1」「キング・オブ・コント」「THE W」と、世の中には多くのお笑いバトル/賞レースがあります。
そこで披露される「ネタ」―――
それは出演している芸人さんがゼロから作ったコンテンツ。

歌手で言ったら「楽曲」。
つまりは「著作物=ライツ」なわけです。

「テレビ番組」こそがライツビジネス

コンテンツビジネス業界では、ライツビジネスは最重要テーマの一つです。
私がまだ日本テレビに在籍していた時は勿論、その前からもそれは変わっていません。
そこでは、「テレビ番組」をどうライツビジネス展開するか?が課題というかミッションなわけですが、実は、テレビ番組そのものが「ライツ運用ビジネス」なのです。

上記の賞レースや年末年始にオンエアされているネタ番組。
これは、ライツビジネスの視点から見ると、芸人さん達が作った「ネタ」という「著作物」に出演料や賞金という対価を払って「番組」というライツ活用ビジネスを展開している、ということになります。
つまり、テレビ局のビジネスそのものがライツ活用ビジネスの構造になっているのです。

ただ、その収益モデルが、コンテンツそのものを「販売」して売上を得るというストレート&シンプルな形ではなく、そのコンテンツを活用して人々の耳目を集め、その集まった方々に自社商品のアピールをする機会を企業に提供する、というちょっとロンダリング的な?二段階右折的な?仕組みのため、ライツビジネスを展開している、という実感がないだけで。

企画によってライツが生きる!ライツホルダーが生きる!

さて「THE SECOND」。
出場資格は、芸歴16年以上の漫才師です。
決勝に残った8組は、優勝したギャロップ、スピードワゴン、三四郎、超新塾、テンダラー、マシンガンズ、囲碁将棋、金属バット。
私、以前はずっとお笑い系のバラエティがメインでした。
最近の芸人さんについては、世の流れにしっかりついて行けているかというと自信はありませんが、逆にベテランさんはお仕事をする機会は勿論、自分で勉強のためにライブに足を運んだり、またオーディションに来てもらったりと色々と出会う機会が多かったので、結構知っているぞ、と思っています。
が、そんな私でも失礼ながら「どんな笑いをしていたかな?」とすぐに分からないコンビもいらっしゃいました。
つまり、忌憚のない言い方をすれば「そんなに売れていない」コンビもいたという事です、彼らそれぞれの実力とは別に。
が、今回、この「芸歴16年以上」というコンセプトで出来上がった企画「THE SECOND」によって、世の中の人々から「そのネタ面白い!」という認識をしてもらえたわけです。
ネタ=ライツの活用ビジネスとして大成功、ライツホルダーもライツビジネス実行者ともWIN-WINな素晴らしい形だと思います。

ここから改めて思うのは、ライツビジネスにおいて、大切なのはやはり「企画」だということ。
素晴らしい企画によってビジネス自体の成功も生まれますが、実はそれによってライツホルダーも幸せにする事がきるる。
以前、ライツビジネスの基本は二人三脚、WIN-WINの関係を築くこと、と書きましたが、そのキモとなる重要な要素の一つが「企画」なのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?