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キンモクセイは二度咲く

今年はキンモクセイの開花が早いな、と思っていた。9月の10日過ぎくらいだったと思う。iPhoneの画像フォルダを漁って、前年の写真を見ると10月3日だったから、三週間ほど早い開花となる。しかも開花早々雨風にさらされてあっという間に散ってしまった。

我が家には大きなキンモクセイの樹がある。前の家主さんから引き継いだものだが毎年おびただしいまでの花を咲かせ香りを振りまいている。何年か前に、害虫に悩まされていたサザンカを業者に依頼し二本伐採した。その際にご近所さんから「キンモクセイも切っちゃうの?切らないでほしいわ~」と言われ「大丈夫です!切りません」と返したら心底ほっとされていた様子。香りを楽しんでいただいてたらしくこちらも嬉しくなった。

今年は香りを楽しむ間もなく短いシーズンが終わってしまい残念に思っていたが、樹がある側の窓を開けると蕾がふくらんでいた。キンモクセイは年に一度きりしか咲かないと思っていたので、まさか天変地異の前触れか!と不安になって検索したところ、気温や環境によって二度咲きもあるとのこと。SNSでも「今年は二回咲いた」という書き込みも多く出てきて、そういえば一度ぐっと気温が下がって、また夏が戻ったように暑くなったりしたからかも知れない。とにかくもう一度咲いてくれたのは本当に嬉しい限り。

前回あまりに早く散ってしまったので、実行できなかった計画を進めたいと思った。それは「キンモクセイのお酒」。梅酒のようにホワイトリカーに漬けるつもりでいたが、開花に気付いた昨日は月に数回の出社日。7時過ぎには出ないといけなかったので、朝のうちにとりあえずめぼしい枝を切って花瓶に生けてどたばたと出勤。

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ごちゃごちゃした玄関で失礼。これがバタバタの現実生活ということで……

帰宅途中にベースとなるお酒を購入。この忙しさの中、広口ガラス瓶を消毒してホワイトリカーを用意して、という時間は取れない。もっと簡単な方法ということで白ワインに漬けこんでみる。桂花陳酒のように本格的ではなく香りづけになればいいなという感じ。ワインは流石に手持ちのDOCGものとか樽香芬々のものを使うのは気が引けたので、メルシャンさんの「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」を使用。アレンジが利くニュートラルさが重宝。

花をばらして、本当は洗わない方が香りが飛ばなくていいと聞くけれどやっぱり洗いたいのでさっと洗ってザルで水切り。

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花のひとつひとつがいちいち可愛い。お茶パックにぎゅっと詰め込む。

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メルシャンさんのワインのボトル、強化プラスチックなのかな、扱いが楽で助かる。楽さに甘えて雑に押し込み、セット完了。本当に雑だな……

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丸一日近く経って、我慢できず香りを嗅いでみたら、白ワインプラス甘い花の香りがふわっと上がってきた。心なしか黄色味が増してきた気も。このまま一週間ほど冷蔵庫で寝かせる予定。これでうまくいったら毎年作ろう。

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