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1. 何を「心の中心(軸)」とするのかを定める


 どんな状態に置かれても自分を見失わず、ぶれない生き方ができればと思っている人は少なくないはず。

 ネットを通じて少しの移動時間や寝転びながらでも隙間時間にいくらでも簡単にさまざまな情報が手に入る現代において私たちの頭の中は毎日どんな情報で満たされているのだろうか。

 そんな事も考えず何気にインスタやYouTubeなどのSNSでネットサーフィンをしながら毎日を過ごしているといつの間にか時間が過ぎていたなんて事は日常茶飯事。

 またせっかくやる気になっていたのに何か人から言われた一言で信念を曲げてしまったり、心がくじけてしばらく立ち直れなかったり、挙句の果てには気を取り直した頃には「あの時の篤い気持ちはなんだったのだろう」とやる気を削がれていたりするものだ。

 毎年、年始には「今年こそは」と意気込んで取り組むべきことを定めたりするが結局、今年も残すところあと少しなんて事にもなる。ふと気がつくと数年が過ぎて「今まで何やってたんだろう」って事にもなりかねない。

 「ぶれない生き方をするにはどうすれば良いか」そんな事を少しでも考えたことがあればこれから紹介する「5つの心得」を参考にして習得してもらえればと思っている。

 一度読んだだけでも参考にはなるだろうが、これを習得するのが一番の目的であるので分かるまで何度でも身体に覚えさせるようにして生活の中でチャレンジしていって欲しい。まずは自分の中でこれらの事を知るだけでも良しとしよう。

 今後、以下のごとく「ぶれない生き方をする5つの心得」と題して5回のシリーズに分けてお届けしていきたい。

1.何を心の中心(軸)とするのか?
2. 何が喜びの原点なのかを知る
3. 何をすべきかより何を実現したいかを考える
4. いかなる衝撃を受けても原点を見失わない
5. 愛されている許されているという実感を持つ

 今回はその1回目の「何を「心の中心(軸)」とするのかを定める」である。

-1.宇宙や自然に対する畏敬の念を大切に軸とする

 前述したごとく真剣に何とかこの状態から抜け出したいと思い、ふと自然の摂理に目を向けてみると春夏秋冬ほぼ変化なく1年を繰り返し、どれだけの年月を繰り返してきたのか測り知れない四季といった周期がある。そんなぶれる事のない自然の偉大さには畏敬の念を抑えることが出来ない。

 不思議なことに自然界は共通して中心ともいうべき軸が存在している。広大な宇宙ひとつを見ても太陽系であれば太陽を軸にして周期が形成されている。月も然り地球を中心に一定の周期で回っている。これは過去も現在も未来も変わる事のないごく当たり前のように周知された事実である。そこに実は大きな真実が隠されている。自然界には必ず何かしら中心というものが存在している。つまり軸があるという事だ。

 今となっては昔のおもちゃとなり、あまり身近では見かけなくなったコマも、少しでも軸が中心から外れるとぶれて長くは回らない。

 自然界の法則がそうなっているのになぜか人間だけが特別なのだと言わんばかりに自分を中心にしたがる。つまり中心軸がない。自然の法則に反すると力がいるし支障が出てくるのも当然だ。

 私たちも限られたわずかな人生を生きる中にあってその心に軸ともいうべき中心を定めるべきである

-2. そこからくる刺激や感性を軸とする

 例えば「自分の力ではどうしようもない」「サジを投げたくなる」ような時には自然界に軸を置いて考えたり行動したりする事も有効だ。

 孔子の教えにもある「柳に風」のごとく、風が吹けばそれに靡(なび)いて、やめば根のあるとこ(元)に戻ればいいのだ。折れたりしなければ少しの時間、遠回りするように思われても再び元の場所に戻り転機は訪れてくるだろう。

 このように自然の摂理からも学ぶべき事は非常に多い。宇宙や自然に対する畏敬の念を大切に持ちながら、そこからくる刺激や感性を大切にして軸を確立していく事も大切だ

-3. 倫理道徳観はぶれる事のない軸を確立する近道

 次にもしも何かしら信仰を持っているのであればその宗教での教えにも一目置いてみるべきと考える。

 いずれ海外で活躍したいとグローバルに世界に目を向けている人にはなおさらお薦めする。日本から一歩海外に出てみれば多くの人は特定の信仰を持っていて祈ったり礼拝したりするのは生活の一部となっているのがメジャーなのだ。

 データを見れば日本にいると分からないのが当然かもしれない。
特定の宗教を信仰しているかという問いに対して日本はなんと世界一低い国なのである。

(世界価値観調査より)
http://www.garbagenews.net/archives/2497600.html

 特定の宗教を信仰していなくても日本は世界から見て倫理道徳観に関しては高い水準に値するのではないかという人もいるだろう。

 実際に一部を除くアジアの多くの国では泥棒やスリを警戒しなければならないし、道端ではゴミが当然のごとく捨てられている。バスやタクシーなどの順番を守らない人も多く、そのモラルの低さに多くの日本人は驚く事だろう。

 宗教はどの宗派を超えてみても神を敬い人を大切にするといった愛に対する教えを説いているのが本質だ。特定の信仰を持っていたとしてもそれが心の軸になるまでの倫理観や道徳観念が身に付いていなければそれは偽りの信仰であって己の人生にとっても社会や国にとっても無意味である。

 ここでは何か特定の信仰を持つべきだという事が言いたいのではい。
信仰心からくる倫理道徳観がぶれる事のない軸を確立する近道になるからだ。

-4. 信念の本質(動機)に軸を定める

 かつて新渡戸稲造が、キリスト教国家であった当時のアメリカで「日本の宗教は何か」と問われた時に日本の宗教としてあえて神道ではなく「武士道」を書籍で分かりやすく紹介しベストセラーとなった話しは有名である。

 北海道大学の前身である札幌農学校に赴任してきたクラーク博士は課外ではあったがキリスト教倫理の教育を施していたそうだ。その教育を直接受けた1期生から稲造は大きな影響を受けたと言われている。

 「青年よ大志を抱け(Boys, be ambitious!)」というクラーク博士の言葉は有名だ。しかしそこには欠けている言葉があるがその部分だけ削除されたものが今日まで伝わってきた。それが「Boys, be ambitious! in Christ (God)」であった。正確には「青年よキリスト(神)の名の下に大志を抱け」である。

 ここでは何のためにその大志を抱くのかが重要であるという事が言いたいのだ。

 何か事を成し遂げる人物は必ずと言っていいほど強い信念を持っている。大切なのは何のためにそれを成し遂げたいと思っているのかその信念の本質である動機(何のためにそれをするのか)に軸を定めるべきなのである。

ぶれない生き方をする5つの心得
<目次>
1.何を「心の中心(軸)」とするのかを定める
 -1.宇宙や自然に対する畏敬の念を大切に軸とする
 -2. そこからくる刺激や感性を軸とする
 -3. 倫理道徳観はぶれる事のない軸を確立する近道
 -4. 信念の本質(動機)に軸を定める

2. 何が喜びの原点なのかを知る
 -1. 何が自分にとって最高の喜びなのか
 -2. 喜びが生じるプロセス
 -3. 喜びを発見する8つの質問
 -4. 喜びの原点

3. 何をすべきかより何を実現したいかを考える
 -1. 喜びのゴール設定をする
 -2. 価値視している事を整理して序列を決定する
 -3. イメージ膨らます(具体化させる)

4. いかなる衝撃を受けても原点を見失わない
 -1. 常に原点に戻る  
 -2. いまやるべき事を見失っている時 
 -3. 力・やる気が出ない時 
 -4.「自分は絶対に悪くない」「絶対に自分から謝らない」と思った時

5. 愛されている許されているという実感を持つ


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