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3. 何をすべきかより何を実現したいかを考える

-1. 喜びのゴール設定をする

 ぶれない生き方をする5つの心得の3番目は「何をすべきかより何を実現したいかを考える」である。

 前章では喜びの原点を追求してきた。この章ではその喜びが実現した時のゴールをいくつか設定して価値視している順番に序列を決定していく。

 またそれを持続させるためにイメージを膨らませるといった作業も付け加えておきたい。そうする事で理想とするゴールが現実化されていくと同時にぶれない自分を形成するのに有効だからだ。

 ところでこの章の題名にもなっている「すべき」という言葉は義務感、使命感を連想させる。どちらかというと「やらなければならない」ものといった印象を受けるだろう。

 それとは逆に「したい」という言葉は心から望んでいるものである。どこか心の奥底から湧き出てくるリアルなイメージだ。

 思考の流れから説明すると、このように「実現したい事がある」からまずはこれを「するべきだ」となる。つまりゴールが先でプロセスが後だ。

 当たり前のようなことを綴っているのだが、これを逆に思考してしまう癖というか習慣らしきものを何故か知らないうちに身につけてしまってはいないだろうか。

 現代人は何かとやらなければいけない事が多すぎるのかプロセスにこだわりすぎているようだ。プロセスに気を取られているうちにいつの間にか向かうべきゴールを見失ってしまう。このような状態にいると少しの衝撃を受けただけでも自分自身の心はすぐにぶれてしまうのだ。

 ここで大切なのは「何を実現したいか」である。それもイメージしただけでも嬉しくなるような喜びのゴールをいくつか設定する事をおすすめしたい。船も波に流されないために錨を下ろす。ぶれない自分を形成するにはこれがアンカーとなってくれるのだ。

-2. 価値視している事を整理して序列を決定する

 次に喜びのゴールをいくつか定めたら価値視している順にしたがってそのゴールに箇条書きでいいので序列をつけてみよう。

「いちばん実現したいことはこれ」「2番目はこれ」といった感じで順番をふっていくのだ。

 「何を実現したいのか」「それはどうしてか」また「その理由は何か」と心から湧き出る抑えきれない衝動が一体どこからきているのか原点にたどり着くまでこうした質問を投げかけて深掘りしてみることだ。

 その時のポイントはそれが心から喜べるかどうかにある。

 この原点が自分を動かす大きな原動力となるのでちょっとやそっとではぶれる事はなくなっていく。

 もしも喜びのゴールが自分の中でまだはっきりしていないのであれば、前章で紹介した喜びを発見する8つの質問を活用してじっくり深掘りしてみて欲しい。

 仕事、富(お金)、物、体験、知識、人間関係(学校・職場・家族)、精神状態、健康といった項目以外にも自分自身がいま価値視しているものがあるなら何でもいいのでそれを全て何も考えずにいったん書き下ろしてみることだ。

 誰かに話すわけではないので恥ずかしがらずここでは遠慮なく書き下ろしてみよう。

 序列の順位が上位にあると常に自分の中で意識している状態になるので、それを実現させるための具体的なヒントや気づきが様々なシチュエーションからたくさん与えられるようになってくる。つまり具体的なプロセス(何をするべきか)が明確になってくるのだ。

 そうすると更にその喜びを実現させようとする衝動に駆られて行動するようになるから喜びの結果が現れるようになる。

-3. イメージ膨らます(具体化させる)

 人は寝る時にこれをやると決意していた事を次の日の朝には忘れてしまっている。喜びのゴールをいくら設定してもその決意や熱意が雲のように消滅してしまっては意味がない。

 最後にこれを持続させるためにイメージを膨らませて持続させる方法をおすすめしておく。

 日々の生活がいかにガチャガチャした中で過ごしているのか。ひととき心を落ち着かせて自分の心と向き合うと、その日にあった衝撃が頭の中をぐるぐると回って、イライラしたり、悶々としたり、後悔していたり、悔しがっていたり、腹を立てていたりして「あの時はこうしておくべきだった」「こう言っておくべきだったかな」などと勝手に解釈している自分がいる事に気づくだろう。

 普段は振り返ることもしないまま時が過ぎ去ってしまうことの方が多い中で、静かに心を落ち着かせて自分が価値視している喜びのゴールのイメージを膨らませてみると気づくかもしれない。

 自分の気持ちと向き合うこともない状態が長く続くと、目指していたゴールなどはいつの間にかどこかに吹っ飛んでしまい、それこそぶれた人生を送り続けるしかなくなってしまう。

 いかにして価値視している「喜びのゴール」のイメージを更に膨らませて持続させる事ができるか、その方法をいくつかピックアップしてみた。

①イメージを膨らませる時間をとる
 先にもあげたがイメージを膨らませる時間をあえてとるということだ。シチュエーションによっても変わってくるが宗教的にいうと祈りともいうし、別の角度からすると瞑想ともいう。とにかく心を落ち着けて自分の心と向き合えさえすれば良いのだ。
 ポイントは「2-2.喜びが生じるプロセス」にもあるように一つの事柄には物理的喜びと精神的喜びの2つの側面が存在している。これをよく意識してみることだ。

②時間(時間帯)を決める
 わずか3分でもいいのだがその3分が流されてしまいなかなか定着しない。そのような時は「この時間帯にする」と決めてしまうことだ。またこれくらいの時間なら毎日続けられそうだと思う時間を定めよう。例えば「3分このような時間を持とう」と決めたとする。人に話せば笑われるかもしれない。しかしよく考えてみてほしい。やらない人と比べたら1年で1095分変わってくる。時間にすると約18時間だ。たかが3分だがされど3分。毎日のルーティーンに組み込んでしまえば習慣化されることだろう。

③期間を決める
 時間の次に期間を決めることだ。例えば1週間(7日間)、または1ヶ月とする。そんな長い期間出来るか不安だと思うならば、とりあえず3日間でも良かろう。期間を決めることである程度の仕切り直し(区切り)ができる。最終日には総合的に振り返る時間をもって始めた時から比較して少しでも変化があったかどうかもチェックしてみるべきだ。

④イメージしやすい環境をつくる
 やはり環境は重要だ。その場が散らかっていてとても殺伐とした雰囲気ではイメージも湧きにくい。いかに心が落ち着ける場所や空間をセッティングするかである。また音楽などのBGMを流すのもイメージを膨らませるのにより効果的だ。

⑤一つ上のステージにいる自分をイメージする
 いま現時点でゴールとしている最高の喜びをゲットした状態の自分がいるとしよう。その今いるステージから一つ上のステージにいる自分。心から「こんなものが手に入ったら最高だな」と思えるようなイメージをしてみよう。それもより具体的に、どんな場所で、どんな服を着て、どんな人と、どんな香りがして、どんな味を味わっているかなど臨場感あふれる状況をイメージしてみることだ。

 これらの他にも自分に合った方法でいくらでも喜びのイメージは膨らませることは出来るだろう。こうでなければいけないといったものは特になく、型にはまらずに自由にイメージしてみよう。

 この章を読んだすべての読者が、いま何を実現したいと思っているのか、自分が目指していくべき最高の喜びのゴールをイメージしながらそれを実現させるために喜んで毎日を送っている姿を著者は逆にイメージしている。

目次
1. 何を「心の中心(軸)」とするのかを定める
 -1.宇宙や自然に対する畏敬の念を大切に軸とする
 -2. そこからくる刺激や感性を軸とする
 -3. 倫理道徳観はぶれる事のない軸を確立する近道
 -4. 信念の本質(動機)に軸を定める

2. 何が喜びの原点なのかを知る
 -1. 何が自分にとって最高の喜びなのか
 -2. 喜びが生じるプロセス
 -3. 喜びを発見する8つの質問
 -4. 喜びの原点

3. 何をすべきかより何を実現したいかを考える
 -1. 喜びのゴール設定をする
 -2. 価値視している事を整理して序列を決定する
 -3. イメージ膨らます(具体化させる)

4. いかなる衝撃を受けても原点を見失わない
 -1. 常に原点に戻る  
 -2. いまやるべき事を見失っている時 
 -3. 力・やる気が出ない時 
 -4.「自分は絶対に悪くない」「絶対に自分から謝らない」と思った時

5. 愛されている許されているという実感を持つ

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