見出し画像

宮野の「十一面観音」。

画像1

宇目の愛しい夏の風景。

画像8

「田野」「宮野」に、夏の景色が広がる。

画像3

経年劣化に対し、「経年優化」という言葉がある。

田舎の風景に暮らしの息遣い癒し、そしてノスタルジーを感じるのは、「木々の成長」や「石の苔の深さ」にあるのかもしれない。

画像4

田園風景には、無意識で何かを目で追ってしまう。

あそび場を探して。

画像5

画像6

気が付けば、子どもに返る夏の空。

画像7

そんな風景が広がる宮野に、「三尊石仏」を見つけた。

調べれば、佐伯市の有形文化財。

画像8

材質は凝灰岩で、総高265センチメートル。

中央に観音菩薩

そして、両脇侍には、不動明王(右)と多聞天(左)。

総じて「宮野観音」という。

画像9

この観音菩薩、「十一面観音」とのこと。

わかりますか?

それでは、頭上にご注目!

画像10

前方に三面、右側に三面、左側に三面、後方に一面。

そして、本体を合わせて、十一面となっている。

画像11

よく見ると、かわいい顔っ。

画像12

造立は、1811年

およそ200年前のこと。何があったのか。

それは「飢饉」。稲作の不作で、農民は困窮。岡藩にあった宇目だが、竹田城には年貢の免除を要求する一揆まで起きたという。

画像13

そこで苦難の時期に救いを求めて石仏を造立し、

観音菩薩に三毒を退け、七難を免れると信じたとのこと。

そうか。今見てきた「この風景」は、長い時間のなかで形成されたもの。

自分はその時間の大河の途中にいるのか。

画像14

宮野観音は、あれから今日もそっと見守っている。

時間とともに優化できたなら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?