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ゲームモデルは1日にして成らず

ゲームモデルの良し悪しを判断する基準は何だろうか?

バレーボールのゲームモデルを考える中で常に頭の中を駆け巡っている一つの問いである。本記事では、良いゲームモデルとは何かを考えていきたい。

ゲームモデルとは

簡単にゲームモデルについておさらいしておこう。

ゲームモデルとは、チームが目指す、試合の模型。「どうプレーしていくか」というチームのガイドであり、全員が頭の中で共有しておかなければならない地図。

『footballista 3月号 戦術的ピリオダイゼーション用語辞典(p34,35)より引用』

ゲームモデルの考え方について、もう少し整理が必要な方は下記の記事を参照願いたい。

ゲームモデルとプレー原則とプレー動作原理

ゲームモデルに良し悪しはあるのか

さて、ゲームモデルのおさらいをしたところで、その良し悪しについて考えていきたい。

現在、育成カテゴリーにおけるバレーボールのゲームモデルを作成しようと色々と動いているところだが、やはり作るのであれば『良い』モデルを作りたいと色々考えるわけである。しかし、その判断基準みたいなものはまだぼんやりとしている。ただ、当初からなんとなく普遍性があるようなものでトレンドなどの影響を受けづらい(受けないということはないだろう)ものを作成したいという想いはあった。

そこで、色々と書籍を読み漁っていたところ、参考になる書籍に出会った。

プレー経験ゼロでもできる実践的ゲームモデルの作り方

簡単にこの書籍を紹介をすると、世界史の高校教員が顧問をしているサッカー部でゲームモデルを作成・運用し、その実践の軌跡を記録したものといったところである。学びの多い書籍なのでぜひ手にとっていただきたい。

そして、この書籍の対談コーナーで良いゲームモデルを一言で言い表しているものを見つけたのである。

『バレても勝てる』ゲームモデル

著者である脇さんと奈良クラブの現監督の林さんの対談コーナー。ゲームモデルについて話す一場面での林さんの言葉。

相手にバレていても勝てるのが『良いゲームモデル』だし、相手にバレているってことは相手の対策が読めるってことです。(中略)
良いゲームモデルを作れば、先手を打ったもん勝ちみたいなところがあります。

クーッときました。とてもシンプルで分かりやすい。この言葉から良いゲームモデルというのは、将棋の世界で言うところの定石みたいなものなのかと思った。

1回ぽっきりのトーナメント戦であれば奇策が功を奏するようなことがありますが、複数回同じ相手と対戦するようなリーグ戦ではやはり定石を持っているチームが最終的に勝つのではないでしょうか。

相手チームにバレても勝てる定石となるようなゲームモデル。

これが良いゲームモデルと言えるのではないでしょうか。

ゲームモデルは1日にして成らず

では、定石となるようなゲームモデルを作るには?

まだゲームモデルを作ったことのない私にも分かることといえば。

まずは作ってみて運用する。そして、修正して運用する。そしてそして、修正して運用する…。ひたすらトライアル&エラーを繰り返すしかないのだということ。

そのためにはまず叩き台となるゲームモデルを低いクオリティであったとしても、まずは形にして人に見てもらうことが必要。行動あるのみです。

ローマは1日にして成らず。ゲームモデルは1日にして成らず。


バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。