バレーボーラーのための学びのプラットフォーム構築のために:その2「バレーボールは何が難しいか?」
その1 「バレーボールとはどんなスポーツか?」
その2 「バレーボールは何が難しいか?」
その3 「バレーボール指導の現場に必要なものは?」
その4 「学校体育のバレーから学べることがたくさんある」
バレーボールが難しいのは、まず、何と言っても「ボールを手でヒットする」というのが日常生活でも他のスポーツでもやらない動作なので、どのプレイもなかなか難しいと言わざるを得ません。
アンダーハンドパスは「腕をラケット(平たい板)にしてヒットする」ので、まだ難易度は低いのですが、オーバーパスのハンドリングやスパイクのミートとなると経験者でも苦手とする人は多く、どこまでも難しくすることが可能です。オーバーパスのハンドリングもスパイクのミートも、その「原理」を理解すれば「手を適度に固めて何もしないことによって起きる現象」なのですが、実はこの「何もしない」ということが結構難しく、「受動的に起きる現象」がどうすれば起きるか、試行錯誤で感覚をつかむしかないのです。
「こんな感じでやれば、こんなことが起きる」という経験をたくさん積み重ねて、「どんな感じでやれば起きてほしいことが起きるか」という自分の感覚を見つけていくということです。それを「正しいやり方を教わって、自分の意思で(能動的に)動かす」というのが土台無理な話で、そう思ってしまうとどんどん難しくなります。「正しいやり方を教えよう」とするとさらに難しさに拍車を掛けてしまいます。
バレーボールは「味方でパスをして攻撃を組み立てる」ところが本質なのに、パスがコントロールできるようになるのにはかなりの時間を要し、それまではゲームを楽しむどころではないというのが多くの初心者の現状でしょう。パスそのものがさほど難しくなく、床にバウンドさせてもいい、地面に転がっていてもいいスポーツでは、ボールとゴールさえあればそれなりに遊べてしまうと思うのですが、それに対して、バレーボールのように遊べるようになるまでの道のりが長く険しいというのは、プレイヤーを増やす上でとても不利だと思います。
難しいことは他にもいろいろありますが、かなり重要だと思うのが「お見合い」が起こりやすいというところです。ボールを落とさないためにプレイすべきタイミングは一瞬なのですが、コート上の人数が多く、複数の人がプレイ可能で、誰が取るのか判断に迷っているうちにボールが落ちてしまいます。
もう1つ重要だと考えているのが「ブロック」ですが、これが難しいのにはまた別の理由があります。
ブロックは現代バレーではとても重要な技術ですが、自らボールをヒットする他のプレーとは違って 「相手のプレーに対して、障害物を用意する」のがブロックなので、上手くいったかどうか、プレーの善し悪しがやっている本人にはなかなか分からないんですね。そのため上達が難しく、さらに、有効なブロックができるようになるまでは「レシーブした方がいいから跳ぶな」とか、チームから邪魔にされることが多くて、練習が疎かになりがちです。
バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。