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スローかつ包括的一貫指導体制の構築を目指して

東京オリンピックで指揮をとった日本代表チームの中垣内監督が辞任を発表するとともに活動期間5年間の総括を行なった。

本記事では、総括の中で触れられている強化の3本柱の中でも特に一貫指導体制の確立について焦点を当て考察を深めていきたいと思う。

まずは、強化の3本柱について簡単に触れておきたい。


強化の3本柱

(1)外国人コーチの招へい、選手が海外挑戦することの積極的支援
(2)サーブを中心としたディフェンスからのブレイクを目指す
(3)一貫指導体制の確立

(1)については、フィリップ・ブランコーチを招聘し、彼を信頼して任せるべき部分を明確にしていた様子は試合中の様子などを見ても明らかであった。また、選手の海外挑戦への支援という点においても、大会後ではあるが代表チームの3名が海外リーグ参戦を明らかにしていることからも確実に身を結んでいると言えるのだろう。世界的コロナ感染拡大がなければもっとより多くのプレーヤーが海外リーグに挑戦していたのではないかとも思える。

(2)については、東京オリンピックとその前哨戦とも言えるVNLでのゲームを観ていてもその意図は見てとることができたように思う。ビッグサーバーの個人能力だけに頼るのではなく、各プレーヤーの特長を活かしたサーブを起点とするトータルディフェンスを敷き、そこからのシンクロ4(同時多発位置差攻撃)でブレイクを狙う場面を多く見られたように思う。

さて、ここまで強化の3本柱のうち、(1)と(2)について簡単にではあるが触れてきた。

次に、本記事の主題となる(3)一貫指導体制の確立における実際の取り組みとその成果について詳しく見ていきたい。まずは本記事冒頭で紹介した記事の抜粋を紹介する。

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