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ベトナムで有機農業が採算ベースに

有機農場での生産需要が世界的にもベトナム国内でも劇的に増し、この分野でのビジネス投資に明るい兆しが見えてきたと5月12日にホーチミン市で開かれたセミナーで発表された。

国際認証検査機関Control UnionのWouter Van Ravenhorst氏は、欧米での有機食品の需要は年間10-15%のペースで増えていると言う。

世界的には有機農業用地は1999年から2014年までで劇的に増したが、ベトナムをはじめとするアジアには、これは当てはまらない。逆に言えば、この地域にはまだこれから十分な可能性があると言えると同氏は言う。

Organik Đà Lạt社のNguyễn Bá Hùng社長は、有機農法には通常の農地と完全に区切られたの残留農薬のない農地で、記録を残し生産プロセスを追跡できる仕組みが必要とされるという。

彼の有機野菜の生産は需要に追いつかず、生産拡大のために他の生産者と協力したいと考えている。

食品安全は世の中すべての人にとって最大の関心の的で、それを保証する有機農業の役割は重大だと科学技術省のTrần Quốc Khánh副相は言う。

ベトナムでは有機農業は2万3400haまで広がったが、これはベトナムの農地全体のわずか0.2%にすぎないと彼は言う。

カマウ省のViễn Phú Organic and Healthy食品株式会社によるHoa Suaブランドの有機米、前述のOrganik Đà Lạt社による有機野菜の生産、トゥインクアン省の厚皮の有機オレンジ生産などが例に挙げられるだけである。

有機農業は残留農薬がないために、商品の価値を高め、うるさい市場でも選ばれやすいという強みはある。

しかし、この分野の生産会社にも多くの課題はある。たとえば、ベトナム国内に認証機関がないため、Control Union、IMO、JASといった海外の認証機関に頼らざるをえない。

Viễn Phú有機健康食品の会長兼最高経営責任者(CEO)Võ Minh Khải氏は、有機農業や気候適応農業の発展に関する政府の方針がはっきりしないと言う。

さらには、有機農産物の認証基準も不明瞭である。

VietGap、GlobalGap、Organic、Natural、CFAなど多くの生産基準があり、それぞれの違いがはっきりしない。これは公的機関が明確にしなければならないと彼は言う。

政府が長期的な方針を打ち出し、混在避けるために生産種別の地域区分をする必要がある。

持続的な農業の発展のためには、政府は方針を明確にして、農業従事者が無機農法から持続的な気候適応農法に転換して、国際競争力を身につけ、社会の健康の安全を図るようにするべきである。

土地使用、信用、市場方針などの政策は強固であり、有機農法、無機農法のいずれにも関しても、生産者に明確である必要がある。

有機農業と有機農産物に関して一般大衆の認知を拡大することも大きな課題の一つだとセミナー主催者は言う。

農業・農村開発省のTrần Thanh Nam副相は有機農業を展開するために政策を見直し、修正するつもりだという。

「ベトナムには、野菜、果物、米、茶などの有機農業を発展させるための十分な自然条件と社会条件が揃っている」

これまで締結されてきた自由貿易協定(FTA)は有機農産物に輸出の道を開くだろうと彼は言う。

セミナーでは、Hưng Thịnh Co., Ltd、Binca Seafoods An Giang、Saigon Co.op、Organic Life JSCの各社とホーチミン市貿易振興センター(ITPC)、ベトナム有機農業経済研究所、タイニン省農業・農村開発局が有機農産物の生産と消費を拡大する合意書に署名した。

農林水産物加工貿易・塩製造・有機生活局主催の「ベトナム有機農作物の認知と市場展開への見通し」と題されたセミナーには、500名の現地及び外国人ビジネスマンや政府関係者などが集まった。

2016年5月13日 「ベトナム・ニュース」より

習得困難な #ベトナム語 を巧みに操り交渉事を纏める「ベトナムの達人」#サイゴン 在住23年を経て2018年から #ハノイ 住まい。本業は #アパレル #生産#ベトナム の今を呟く。