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「鉄の古代史(奥野正男)」に岡山県の雄町遺跡から出土した食用植物種子のリストが載っています。

炭化籾、マクワウリ、スイカ等とならんで、エノコログサ、タデ、タカサブロウ、ハコベ、カタバミ、カナムグラなどの雑草種子も書かれています。

え?、タカサブロウ?、カナムグラ?、食用種子?

そんなものを貯蔵していたの?、カナムグラの種子をわざわざ?、一瞬目を疑いました。

よく読むと溝遺構出土とありました。

つまり、カナムグラの種子を土器とかに蓄えていたと言う話ではなく、「溝」の中にカナムグラの種子があったと言うことのようです。

これを上記の本では、「食用植物種子」と記載してるわけですが、カナムグラの葉だったら、オヒタシかなんかにすれば食べられなくはないと思います。そして、その種が遺跡の溝の中から出てきたと言うなら分からなくはありません。

ただ、弥生人はカナムグラの葉を食べていたのでしょうか?

食用になりうる雑草の種が溝の中から発見されたとして、それを食べていたかどうかは、また別の問題です。

ところで、魏志倭人伝には、「倭国、土気温暖、冬夏、茄菜を生ず」とあります。この茄菜は食用植物の事で、これまで僕は冬でも野菜が育つ暖かい国として、中国人が倭国を認識していたと理解していました。

しかし、カナムグラやタカサブロウみたいな「雑草」を食用植物と位置づけると、魏志倭人伝の記載は、年中、食べられる雑草が生えている状態を書いていることになります。

古事記には「山県にまきし青菜も吉備人と共にし摘めば楽しくもあるか」と言う歌が載っています。この青菜は、カブのことなのだそうです。

日本書紀には、「峰つう山背女、小ぐわに掘りし大根の」と言う歌が載っています。

カブも大根も中国から伝わった野菜です。

カナムグラやタカサブロウを食べていたところに、カブや大根が伝わってきたとすると、これ旨いじゃんって言うのが古事記や日本書紀の歌の趣旨なのでしょうか?

萬葉集の「御籠よ、御籠もちよ、御ふぐしよ、御ふぐしもちよ、この岡に菜摘ます子」とか、「上毛野の佐野の茎立ち、折はやし」の歌は、アブラナ科の菜の花のような植物を摘んでいると思います。

これらのアブラナ科植物は、栽培していたと言うより、野原に生えてきたものを収穫しているようです。ただ、もともと倭国に自生していたのでしょうか?それとも中国や韓国から伝わってきたものなのでしょうか?

萬葉集釋注(伊藤博)は、「この岡に菜摘ます子」の歌は奈良時代に上演されていたオペラの中で歌われたとの説を記載しています。

また、「佐野の茎立ち折はやし」の「折はやす」とは、菜の花を摘むと脇芽が出てきて、もっと蕾がつくようになることを指していて、「恋のおまじない」なのだそうです。

倭国に自生していた雑草は、タカサブロウとかカナムグラみたいなもので、大陸と交流するうちに、菜の花も倭国に入ってきた、それで倭国の野原でも菜の花が摘めるようになってきた、

そういう状況を背景にして、「恋の歌」の中に菜の花が出てきた?

倭人がどういう野菜を食べていたのか?って事で、魏志倭人伝の記事、古事記や日本書紀、萬葉集の歌の解釈も変わってくるかもしれません。

ところで、見沼菜園クラブでは、この頃、ハキダメキクをよく見かけます。

3月頃から生えてきたヒメオドリコソウやオオイヌノフグリのような春雑草は枯れてきました。

ツメクサは全盛を極めていますが、後1ヶ月ぐらいで枯れるでしょう。

ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、ツメクサ等は、初夏から梅雨期にかけて枯れると思っているので、野菜と競合して生育を妨げない限り、放置しています。

シロザ、オオブタクサ、ホナガイヌビユみたいに夏場、背が高くなってジャングル化する草は見つけ次第、抜いています。

イシミカワやカナムグラ等のツル草は、背が高くなる雑草と絡まって、ジャングル化の状態を一層ひどくしてしまうので、こちらも見つけ次第、抜いています。

ハルジオンは、今、かなり花を咲かせていますが、とりあえず、様子見です。

スズメノカタビラのような叢性の越年草は6月頃に枯れて地を覆ってくれれば、返ってその場所の夏草の繁茂を防いでくれるので、放置しています。(かなり背が高くなって1メートルを越えています。)

こうした中、ハキダメキクはどうすべきなのでしょうか?

ハキダメキクが群生していると、地面に光が届かず、メヒシバのような夏の強勢雑草が生えるのを防いでくれると思います。

反面、夏場、ハキダメキクが背が高くなると、枝分かれして、横にも広がるので、けっこう「邪魔」な気がします。

そうすると、しばらく放置して、梅雨期から梅雨明け頃に抜くのが正解でしょうか?

一つ一つ、草の名前を覚えながら、どの草をいつ抜くか?、それとも抜かずに済ませるか?、たんぽぽ農法の試行錯誤が続いています。

昨日は、少し雨が降りました。

2週間予報は、5/12 雨が降らず、最高気温21℃
5/13–16 雨が降り、17℃-21℃で推移
5/17–20 雨が降らず、26℃-29℃で推移
5/21–25 雨が降り、24℃-26℃で推移

との見通しです。

雨が降ると平年並み、降らないと平年より3-4℃かそれ以上に高くなる状態が続いています。

平年値そのものが5月末頃から横ばいになっているようです。「梅雨」で雨や曇の日が多くなるためだと思われます。

晴れて気温が上がる日の頻度が多くなるとすると、「梅雨」と言う概念自体を見直した方がよいかもしれません。


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