見出し画像

「同調圧力」的行動は世界的に見られるものですが、日本の場合、稲作受容以前の時代に遡る歴史的事情による「特徴」があるのかもしれません。

日本は同調圧力が高い社会だと言われる事が多いようです。

「みんな」と同じにしなくてはいけない、違うことをすると「出る杭は打たれる」と言う諺どおり、叩かれる・・・

果たして、「同調圧力」型の社会と言うのは、日本独自のものなのでしょうか?

ヨハネ福音書8章に「姦通の現場で捕らえられた女」について、イエス・キリストが「あなたがたのうちで罪を犯した事がない者が、まず、この女に石を投げなさい」と言う場面が書かれています。

「これを聞いた者は、年長者から始まって、一人、また一人と立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。

イエスは身を起こして言われた。『婦人よ、あの人達はどこにいるのか、誰もあなたを罪に定めなかったのか。』女は『主よ、誰も』と言うと、イエスは言われた。『わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。』」

実は、この話は「同調圧力」的に生じる「炎上」状態を描いていると思います。

みんなが立ち去った後、真ん中にいた女が残った・・・つまり、罪を犯した人は「みんな」の真ん中に立たせられて、石を投げつけられる寸前だったわけです。

しかし、「炎上」が起きるには、最初に石を投げる人がいる、一人が投げ始めると、「みんな」も一緒になって石を投げる・・・

そこで冷静に「では、罪を犯したことがない者が最初に投げなさい」と言われると、それぞれに自分の事を考えてしまう・・・

カトリックのミサでは、「私は思い、行い、言葉において罪を犯しました。主よ、憐れみたまえ」と祈る場が式次第の中にあります。

「思い、行い、言葉」のどれにおいても罪を犯した事がないと言う人はいないわけで、「行い」と「言葉」では品行方正に見えても、「思い」については、「コンチクショー、あの野郎」ぐらいの事を絶対に思った事がない人と言うのはいない、

「兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きをうける(マタイ福音書第5章)」と言うように、心の中に生じる「怒り」についても「罪」だと考えたら、罪を犯した事がない人はいないわけです。

そこで罪を犯した事がない人が最初に石を投げなさいと言われたら、「最初に」投げる事は誰もできなくなってしまう・・・

こうして、一人、また一人去っていくわけですが、この「一人、また一人と立ち去って」と言うのも、一種の同調圧力のように思います。

つまり、「最初の一人」が立ち去ると次に立ち去る人が出てくる、石を投げるのも、立ち去るのもなかなか自分からは出来ない、他の人が投げれば自分も投げる、他の人が立ち去るなら自分も立ち去る・・・

そういう同調圧力による行動が、この場面には描かれていると思います。

と言うわけで、僕は「同調圧力」的行動が日本独自のものだと思わない、聖書にだって出てくるじゃないかと思っているわけです。

さて、「鉄の古代史(奥野正男)」には、日本国内の稲作の伝播について、こういう見解を紹介しています。

「(稲作伝播以前の東海地方には)当然、集団労働や祭儀を媒介とする地域・村落の結びつきの網の目が細かに張り巡らせていたはずである。

一つのムラ、あるいは村落が稲作に転換しようとすれば、伝統的な結びつきをもっていた他の村落やムラの了解が必要となる。

また、一つのムラ、村落の内部でも、それまで維持されてきた伝統的な労働の周期や分業の体制を組み替える必要があった。

稲作は、東海から更に北、津軽平野に到るまで北進を続けるが、つねに一つの地域では、ほぼ一斉に稲作の受容が行われている。」

つまり、稲作以前にも、分業や集団労働、祭儀と言うものがあった。「ムラ」の内部でも、また他の「ムラ」との関係でも、「自分だけ稲作します」、「自分のムラだけやります」とは言えない、

周りの了解を得て「みんなで稲作」、「どのムラも稲作」でないと出来ない、こうして、稲作を始める時には、「一つの地域では一斉に稲作の受容」をすると言うことになる

と言うことのようです。

同調圧力的行動は、日本独自のものでなく、世界的に存在すると思いますが、日本で見られる「同調圧力的行動」は、稲作以前に遡る歴史を反映した「日本的特徴」があるのかもしれません。

このへんは、引き続き考察を続けたいと思います。

2週間予報は、3/22から3/27まで6日間連続して雨が降るとしています。もっとも一日中雨と言うのでなく、曇り後雨とか、曇一時雨のように、一日のうちで雨が降る時もあれば、降らない時もあると言うことのようです。

3/22-24は最高気温20℃を越え、26-27も15℃を越えます。3/31に20℃となった後、4/1-2は19-20℃で曇り後雨や晴れ時々雨となっています。

雨が断続的に降り、気温も高い状態だと野菜の発芽も生育も良くなるでしょう。今週は、ブロッコリー、キャベツ、ネギ、春菊、サニーレタス、ニンジンなどを種まき予定です。チンゲン菜や小松菜も種まきしてもよいかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?