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校正者になりたい留年生 vol.1

校正者になりたい


そう思ったのは大学4年の6月、周りが次々と内定をもらい始める中、内定のなの字もない私は就活という茶番に飽き始めていた。

特にやりたい仕事もなく、適当に選んだ会社を何十社か受けて落ちて、受けて落ちて、最終までいったと思ったら落ちて

私は他の子みたいに内定をもらえるまで頑張る気力を持ち合わせていなかったので、早々に就職活動を諦めた。

就活というクソ地獄から一旦離れることができて開放感に満ち溢れ、ぼーっと本棚を眺めていた時になんとなく目にとまった本をとった。それが

川上未映子 「すべて真夜中の恋人たち」


「だから僕はここをでて行くんだよ。自分で選んだものだけで関係を築いて、自分で選んだものだけを生きるのさ。誰も僕を知らない。僕も誰も知らないところへ行って、僕は僕のほんとうの人生をつくるんだ。僕の人生はね、まだ始まってもいないんだよ」

という、主人公が学生時代に仲の良かった男子生徒のこの言葉が好きで以前から何度か読んでいた本だ。


そう、何度か読んでいるのに校正者という主人公の職業に一切興味はなかった。

しかし、就活を(自主的に)終えてこの本を読んだら、校正者という職業に興味が湧いた。


新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた頃、私は大学2年生でキャンパスに行くことなどほとんどなく、毎日自宅でオンライン授業を受け、夜はアルバイトという生活を送っていた。

実家を出て祖母の家に住んでいたため、休日に地元の友達と遊ぶこともままならず、ほとんど家にいた。

そんな中始めたのが読書であった。

本を読むのが好きになり、人生の教訓となる言葉にたくさん出会い、そんな本と共に仕事ができたらいいなと思った。

そんなことをなんとなく考えていたらあっという間に秋がきて冬がきた。


そして少しいろいろあって半年の留年が確定した。


まさか留年することになるとは思わなかったし就職も決まってないし、一般的にはダメダメな人間である。

しかし、将来のビジョンはなんとなく見えてきた。


やっぱり、校正者になりたい


そのためにやらなければならないことが

①秋学期で卒業する
②12月に行われる校正技能検定試験に合格する
③東京へ行くための資金を貯める

の3つである

校正者になるためのスクールには、校正者だけでなく編集者や書き手になるためのカリキュラムもあったが、私は企画をぽんぽんと出せるセンス脳も、文章能力も持ち合わせていないので校正のカリキュラムのみを受講することにした。現在進行形で勉強中である。


12月には校正技能検定試験があるので中級合格を目指したい。この試験に合格したら校正者になれる(多分)

そして、出版社の多くが東京に集中していること、就職先もそうだがいずれはフリーランスになりたいと考えているため、仕事がしやすいことを考慮して東京へ住みたいと考えている。

そのための資金を貯めなければならない。

私はまあまあの浪費家なので貯金などこれまでした事がない。そして今も貯まるどころかマイナスである。


これまでの人生の節目(受験や就活)で成功した事がない私であるので不安でしかないが、やっとできたやりたいことのために頑張ってみようとおもう。


どうか、暖かく見守っていただけると幸いです。


安寧



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