見出し画像

「ここが私のアナザースカイ!」スペイン・セビージャ編

「アナザースカイ」というテレビ番組をご存じでしょうか。毎回変わるゲストの方々が、自分の人生を変えてくれた思い出の地・第二の故郷を訪れて人生を振り返るという内容で、東京に住んでいたころよく見ていたんです。「ここが私のアナザースカイ!」というお馴染みの台詞の後ろで流れるピアノの曲も大好きで、お気に入りプレイリストに入れいつも聞いている特別な曲でした。

(ぜひ再生して曲を聞きながら読んで頂きたいです)

セビージャという街はまさに私の第二の故郷。雲一つない青空とギラギラ輝く灼熱の太陽の下で過ごしたこの4年間は、私の人生を大きく変えてくれました。かけがえのないパートナーや友人たち・翻訳家&客室乗務員という天職とも出会い、毎日があたたかく幸せに満ちていました。笑ったり泣いたり、悩んだり怒ったり…数えきれないほどたくさんのことを感じ学びながら人間的に成長し、そして2020年秋─私はさらなる夢を追いかけるため、1人でバルセロナに引っ越す決意をしたんです。


「そんなに大好きな場所ならどうして出て行くの?大切な人たちを置いてまで挑戦することに意味があるの?」そう何度も自問自答しました。でも私の心は新しい世界を見たいと叫んでいて、その声にどうしても応えたかった。だからこそ愛するホームを出て前に進もうと思ったんです。それでも心のどこかで、「せっかく築いた大切なものを壊してしまうのではないか」という不安を抱いている自分にも気づいていました。


そんな想いを抱えながらも出発の朝はやってきます。フライトまで時間があったので名残惜しさにいつもの道を散歩していると…どこからともなくアンサンブルの音色が。それがなんと、あのアナザースカイのテーマ曲だったんです。


「地球上のどこからだっていつでも空を見上げれれば、セビージャのこの澄み渡った青空につながっているよ。ここにはいつもの美しい景色も、宝物のように大切な思い出も、陽気な笑顔で迎えてくれる仲間たちもちゃんといるから、カナは絶対大丈夫。さあ笑顔で行ってらっしゃい。」


そんな風にエールをもらった気がして、嬉しさと切なさで胸がいっぱいになり涙が止まりませんでした。いつでも帰れるホームがあるというのはなんて幸せなことなんでしょう。たとえどれだけ遠く離れていても、いつもお互いの幸せを祈り合える仲間たちがいてくれるからこそ人は前に進んでいけるのではないでしょうか。


セビージャでの日々がくれた宝物のおかげで、私は今日も幸せに生きていけます。まっすぐ前を向いてどんなことにも挑戦できます。そして想像してみるんです─いつの日か「ここが私のアナザースカイ!」と叫ぶ日が来るとするなら、私の上にはあのセビージャの太陽がギラギラと輝いているんだろうなって。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?