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【読書録】神田 昌典「2022――これから10年、活躍できる人の条件」

こんにちは、さあいです。

今年度が始まってから、ありがたいことにご縁があって、読書会に参加しています。これまで小説ばかり読んできたわたしですが、社会人3年目となった今、ようやくビジネス書を読み始めました。
世の中のトレンドとか経営学とか本当に何もわからなくて、「何から読めばいいのか??」と思っていた矢先、本書を勧めていただいた次第です。

結論からいえば、初学者でも理解しやすくて、非常にためになる本でした!

■要約
本書のテーマは「これから日本はどうなるのか?」「日本人としてどう生きたらいいのか?」です。

以下、章ごとに簡単に要約してみました。

・第1章 歴史は70年周期で巡っており、今ひとつの歴史サイクルが終わろうとしている。これからは日本が世界に先駆けるモデルとなるかもしれない。
・第2章 新しい社会のプロトタイプ作りが、草の根運動によって始められる。
・第3章 人口減・高齢化社会・アジアの儒教経済圏というキーワードから見る日本と世界の未来について。
・第4章 2024年に向けて「企業」の「器」にとらわれない社会が始まる。
・第5章 変革リーダーになるためには、「エクス・フォメーション」(内の認識を外に形つくること)が必要。
・第6章 会社がなくなるかもしれない、時代の転換期においては、「起業力」=「生きる力」になる。本当に熱中できる仕事(ライフワーク)にはリスクはない。
・第7章 人生とは一様に流れるものではなく、次のサイクルの前に「空白」が訪れる。「空白」に未来を描くのはあなた自身である。

■感想
本書の中で、わたしが特に納得した部分は、第6章の「組織が動かなくなる理由」(=「組織を動かす3つの歯車」)です。

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それぞれの歯車は、以下のように説明されています。

・「経営の効率性」:ルールやプロセス、計画を用いて、規模の利益を追求する。
・「顧客との親近感」:さまざまな顧客ニーズに応えようとするため、画一化や急速な拡大は困難。しかしブランドを確立し、顧客からの信頼を勝ち取れば、多様な事業展開が可能となる。
・「商品・サービスの革新性」:次々に新商品コンセプトや新プロジェクトを立ち上げ、とにかく驚きをもたらす。

これまで知らなかった、「会社という組織がどのような歯車で成り立っていて、さらにどこに強みがあるか」という視点が新鮮でした。
この3つをすべて満たすのがかなり難しいこと、また、それぞれの歯車がぶつかり合うことで組織の身動きが取れなくなってしまうということもわかりました。

大量生産・大量消費(ここでいう「経営の効率性」に近いでしょうか)に見られるように、現代は物質的には豊かになりました。しかし、所得格差や自死・うつ病などに目を向ければ、精神的・質的にはまだ豊かにはなりきれていないように思います。組織として、そして個人としても、ここでいう「顧客との親近感」を高めることで、精神的・質的に豊かな社会を作れるのではないかと感じました。

お読みいただきありがとうございました!

さあい

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