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四谷大塚 合不合判定テスト③ 9月 ふりかえり 国語

9月8日に四谷大塚の合不合判定テスト3回
が行われ、点数・偏差値も公開されました。

夏休み明けの試験で、夏勉強をがんばってきた成果が
客観的に数字として表れる試験です。

その結果に、成長を感じたり、あるいは
思った以上に取れなくて焦ったり、
悲喜こもごもであったのではないでしょうか。

塾や家庭教師で担当している生徒たちの答案を分析し、
家庭教師の子はいっしょに解きなおし・解説をしてきたうえでの
私なりの感想・分析をなどをざっくりまとめました。


合不合9月 国語の概観

平均点 男子76.7点、女子 81.4点
文章総量 約8000字+図表 

文章量が多く、図表もあり、ボリュームがありますね。

正答率表を見て、特徴的なのが、正答率が20%以下の問題は、
大問1の物語の記述のみ。

際立った難問(捨て問)が少なく、基本的な難易度の問題が多かったようです。

塾の上位クラスでは、最後までやり切れた生徒が100点以上(だいたい偏差値60ライン)を取れていました。

中堅クラスでも、偏差値55オーバーしている子もパラパラ、中には偏差値60超えの子も。
他の科目より、国語がずば抜けてできていたケースがわりと見られます。

国語が苦手な子は、ボリューム感に圧倒され、合不合の難易度にはじきかえされてしまった子も多かったようです。

また、普段から日常的に読書をしている子たちが、点数を積み上げていた印象です。塾の休み時間にも、本を持参し読んでいるレベルの子たちは力が発揮できていましたね。

いちはやく物語のストーリー・状況を理解し、問題も順当に解き終わり、
論説文も余裕を持って最後まで解き切るといったことができていたのでしょう。

一方、物語に時間を使ってしまい、論説文のほうで、最後まで終わらず空白が多い子たちは、偏差値が伸び切れていなかったようです。

大問1 物語文

字数 約4900字
読む目安  9分(1分600字ペースで)

『カフネ』 阿部 暁子

予習シリーズ小5下巻第1回発展問題の題材にもなった
『パラ・スター〈Side 宝良〉』の作者でもある阿部 暁子さん
上記作品も中学入試で頻出です。

今回も、テーマが重く、読み応えのある物語でした。

物語の読解で大切なことのひとつに、他者理解があると思うのですが、
今回は中学受験生にとって、あまり馴染のないであろう
貧困家庭の母子が題材となる「遠い他者」についての話でした。

自分のまったく知らない世界の話に、うまくイメージできなかった子もいたのではないでしょうか。

一方、豊富な読書経験があり、自分の見識や世界観を拡げてきた生徒たちが
うまく順応していた感があります。

また、あまり点数が取れていない子のなかには、

   問2の選択肢内の「したたか」「うとましい」「厚かましい」
   問3の傍線部内の「先入観」
   問5の選択肢内の「せせら笑う」「ほくそ笑む」「目じりを下げる」
   問6の「不信感」「肯定」「否定」 

などの、語いの意味自体がわからず、誤答していた子も見られます。

【語いノート】 

  • したたか・・・粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しない。しぶとい。

  • うとましい・・・好感がもてず遠ざけたい。いやである。うざい。

  • 厚かましい・・・恥知らずで遠慮がない。ずうずうしい。

  • 偽善者・・・うわべだけを飾って正しいように、あるいは善人のように見せかける人。良い人ぶるが、うそっぽい。

  • 先入観・・・前もっていだいている固定的な観念。それによって自由な思考が妨げられる場合にいう。

  • せせら笑う・・・ばかにして笑う。あざけり笑う。

  • ほくそ笑む・・・うまくいったことに満足して、一人ひそかに笑う。

  • 目じりを下げる・・・非常に満足そうな表情をする。

  • 不信感・・・信じていない思い。信用できないという気持ち。

  • 肯定・・・そのとおりであると認めること。 

  • 否定・・・そうではないと打ち消すこと。

  • ぶっきらぼう・・・そっけない、愛想のない。

  • 頑な・・・意地を張って自分の主張や態度を変えないさま。頑固。

  • 物怖じしない・・・物事をこわがらないこと。

点数が取れていない子たちに、解説の段階で上記のことばの意味を聞いてみたら、「わからない」という答えが多かったです。

大問2 論説文

字数 約3200字 
読む時間の目安 7分(1分500字ペースで)

『生き物の「居場所」はどう決まるのか』 大崎直太

トレンドの図表の読み取りも含んだ難度高い文章。
話題や図表に〇をして、情報の整理をしなが読むのがポイントでしょう。

文章は固有名詞も多く、興味のない人なら読んでいるうちに、
心が折れそうになりますが、設問自体は平易。
結果が出た子たちも、口にそろえて「文章は難しいけど、問題は簡単」と言っていました。
最後まで解き切れば、得点力のある子なら点が取れたかもしません。

【語いノート】

  • 識別・・・物事の種類や性質などを見分けること。

  • 際立つ・・・他との区別が著しく、はっきりしている。目だつ。

  • 劣悪・・・性質・状態などがひどく劣っていて悪いこと。

  • 密生・・・草木などがすきまなく生えること。

  • 最適・・・いちばん適していること。

  • コストパフォーマンス(コスパ)・・・投じたコスト(金額・労力)に見合う効果や満足度。費用対効果。

  • コスパが悪い・・・投じたコスト(金額・労力)と比べて得られるパフォーマンス(成果)が小さい。


大問3・4 知識・漢字 

大問3 問1  ことわざ 問2 俳句の季節

知識・漢字問題は正答率が高く、地味にここで差が付きましたね。

語いノート】

  • 小春日和・・・初冬のいかにも小春らしい穏やかで暖かい日和。《季語 ・冬》

  • 残雪・・・消え残っている雪。また、春になってもまだ消えないで残っている雪。《 季語・春 》

  • 常夏・・・一年中が夏であること。常に夏のような気候であること。

  • 由来・・・物事がそれを起源とするところ。いわれ。


次回に向けての対策

1.最後までやり切ることが最優先
時間配分が命。なるべくやり残しを作らず、最後の問題までやり切ることがポイントです。
まずはどこで時間を費やしたか(本文の読みか、設問か)、どこの問題でつかまってしまったのかを分析しましょう。

2.一問ずつ、丁寧に根拠さがし
簡単な問題で落とさないことが、とにかく大事です。
本文が長く時間がないと、つい記憶に頼って問題を解いてしまいがちですが、
一問ずつ本文に戻り、ぼう線部の近くをチェックし、手がかりを見つけて選択肢を選びましょう。

3.語い力の強化
語彙力と読解力は2本の柱。
毎日、語いを増やしていきましょう。
選択肢にわからない言葉があったら、解く前に勝負が決まってしまいます。

国語ができない子は、大人から見て、「え、そんな言葉も知らないの?」ということがけっこう見られます。

本文、ぼう線部、選択肢のなかのわからない言葉に印をつけ→調べ→語彙ノートやときなおしノートにメモするとよいでしょう。
私が上でまとめたものを、書き写すのも手です。


以上となります。
ご自身のときなおし・分析の参考になれば、幸いです。

見つけてくれた方、ありがとうございます。
noteもはじめたばかりなので、どうぞ生あたかく見守ってください。

作品紹介

カフネ 阿部 暁子 

パラ・スター 〈Side 宝良〉 阿部 暁子


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