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播州赤穂・御崎地区、小さな灯台のある街。

#先日の余談

飲みの席で初めてお会いした方に赤穂御崎周辺を案内してもらった。ずっと徒歩でしたが、御崎の坂道から瀬戸内の海岸沿いをぐるりと5時間ほど!僕より30歳ほど目上の方ですが、健脚は宝ですね!

と、その時の様子を備忘録としてまとめておく。 

赤穂市立美術工芸館 田淵記念館の前で待ち合わせをして、裏の坂道を上がる。けっこうな坂なんだけど、集落が集まっていることもあって、その土地の匂いや景色が広がる。この辺りはランドマークとして赤穂御崎の高台に「白亜の御崎灯台」というのがある。

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弘法大師の祠

この御崎地区に8箇所ある。祠の中には小さな石像があって、確かに袈裟を着た弘法大師(空海)が祀られている。

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坂の途中にある桜の木

たわわに実るさくらんぼ。散歩の途中で1ついただく♪

その近くには、「補陀山正福寺」というお寺がある。赤穂藩歴代藩主浅野家の菩提寺である花岳寺の開山秀巌龍田大和尚の隠居寺。正保三年(1646年)に建てられた曹洞宗の寺院。当時、正福寺の良雪和尚と大石内蔵助良雄は親しく、「二良の対局」と呼ばれる囲碁仲間。

少し戻って、雑木林の遊歩から灯台を目指す。

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赤穂の名産の一つは「塩」である。江戸時代前期からこの地域で塩田、塩問屋などを営んできた「田淵家」という名家がこの御崎周辺の地主のようで、田淵家の庭は日本国指定名勝として文化財登録がされている。この御崎周辺も田淵家が所有していたようで、当時整備されたであろう石積みが残っている。

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未整備の林道を通って雑木林を抜けると小さな農地が点々とある。奥はみかん畑のようだ。

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これは?

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海も見える。

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この植物は?

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御崎の高台から見下ろす赤穂市

その昔、この辺り一帯は塩田が続いていた。今は赤穂海浜公園や住宅地が続いている。奥の山は天狗山(392m)か黒鉄山(431m)だったか?もう目の前は岡山県備前ですね。

400年間行われた入浜式(いりはましき)塩田や、昭和20年後半から40年代後半の廃塩田まで行われた流下式(りゅうかしき)塩田があった。昭和62年7月にこの広大な塩田跡地につくられたのが兵庫県立赤穂海浜公園。(兵庫県立赤穂海浜公園HPより)

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赤穂御埼灯台

昭和38年3月30日に設置・点灯。白亜の八角形の灯台と呼ばれる赤穂御崎のシンボル。(赤穂御埼灯台を表記する際、「埼」の漢字があてられている)

・位置:北緯:34°43′48″、東経:136° 24′43″
・塗色及び構造:白色(白亜)、塔形、コンクリート造
・灯器及び灯質:30cm回転灯器、閃白光、毎10秒に1閃光(海上方向に限らず360° 光を放っている)
・光度:11万cd(一般的な蝋燭の光度は1cd カンデラ )
・光達距離:20.0海里(約37km)
・高さ:地上〜頂部 16m、水面〜灯火 84m


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灯台の正面(南側・海側)に「表忠碑」がある。灯台と表忠碑の関連性は確認できていないのだけど、この近くには古くから伊和都比売神社もあって、海運業、船乗りや戦没者などの忠魂を祀っているのだろうか。

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アザミと蝶

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野いちごだな。

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クローバー。茎は苦味があるが美味しかった♪

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御崎の東側からあがるのが、灯台の正面の道。(車が通れる道もある)

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何だったか?

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グミの実。食べた♪

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廃屋となった国民宿舎

瀬戸内の穏やかな海が広がる光景と、都会のノイズも無く保養するには適した地域。灯台の周辺は赤穂温泉として栄えた時代から時間が止まったままで、廃屋となった建物が点在している。そんな中、ところどころ今も別荘のように利用されているようなマンションもある。これからゆっくり変わっていくのだろう。

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初めて見ました桐の花。確かに桐の御紋です。

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旧御崎小学校跡

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何だったか?枇杷っぽいが...

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灯台の東にある高台。(旧八方台荘)

奥に赤穂御埼灯台が見える。

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桃井ミュージアム(水琴窟の庭より)

「雲火焼」や「赤穂緞通」の展示がみられる。

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尾崎・大塚古墳

横穴式石室 5〜6世紀後半。腰をかがめながら石室の中にも入れる。中は4畳ぐらいの広さ、少しひんやりしている。

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大塚海岸遊歩道とライオン岩

海が穏やかであったせいか、スナメリ(小型のイルカ)を見ることができた♪

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マグマの痕跡

赤穂市がある地域は「赤穂コールドロン(カルデラ)」とも呼ばれ、およそ8,000万年前の白亜紀、巨大噴火の後に残ったカルデラ(火山活動で形成された陥没地形)の中である。その規模は桜島や阿蘇のカルデラにも匹敵する。

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ハマヒルガオ

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ニンドウ

海岸遊歩道は、様々な植物(山側と海側)を楽しむことができる。

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伊和都比売神社

伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)の石鳥居の上部の扁額には「伊和都比売神社」と「元帥伯爵東郷平八郎謹書」、左右の柱には「連天海路平無浪」「終古神威儼有祠」と彫刻されている。

海軍の東郷平八郎が日露戦争開戦前に勝利祈願のため訪れており、当時から帝国海軍関係者の信仰を集めていた。その光景を地元の方から聞くと、神社の正面、いつもな静かな入江に巨大な戦艦が停泊し、ボートに乗り込んだ参拝者が海側から訪れる。伊和都比売神社の参道は海に向かって延びており、海岸沿いの階段を上がって参拝されたそうだ。今も航海安全や大漁の祈願など、船乗りらによる参拝があるそうだが、階段が老朽化しているようなので、陸ルートかも知れない。

伊和都比売神社は一千余年前の延喜式神名帳にもその名が記載されている古社である。もともとは海上の八丁岩に祀ってあったのを浅野内匠頭長直(赤穂浪士で有名な浅野長矩の祖父であり、初代播磨赤穂藩主)が現在の地に移した。


冒頭にも記したが徒歩で5時間ほど、ゆっくり赤穂御崎を散策しながらいろいろご案内いただいた。英気を養う時間でもありました。感謝!!


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僕のnoteは自分自身の備忘録としての側面が強いですが、もしも誰かの役にたって、そのアクションの一つとしてサポートがあるなら、ただただ感謝です。