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セルフケアの、「セルフ」とは何か?

セルフケアは、「セルフ」と「ケア」から出来ています。
ちょっと、某進次郎氏のようなことを言ってみたかった、わたしです。

しかし、あながち間違いでもない。

わたしは、セルフケアを「自己管理」とは言いたくない派なのです。
「ケア」と「マネジメント」は、同じではないはず。

あくまで、わたしは、このワード自体を構成する「ケア」という二文字を、こころの中で大切に扱っています。
非常に、ポテンシャルのある言葉だと思うのです。

(それなのに、なぜ、「こころの中で」かというと、この文脈が馴染まないシーンもあるため。その時には、確かに、「マネジメント」「パフォーマンス」の文脈で語ることもあり、それはニーズが多いがゆえ致し方ない、ということにしています。)

それから、産業保健の領域にいる身としては、「セルフケア」は、「4つのメンタルケア」のうちの1つとして台頭したキーワードであるため、基本的に「メンタルケア」の領域のこととして、捉えています。

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出典:厚労省の「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針〜」

図中にも記載があるように、「セルフケア」とは「メンタルヘルスへの正しい理解、ストレスへの気づきと対処である。」と定義づけられています。

ということで、前置きが大変長くなってしまいましたが、、
ここでは、「メンタルケアとしてのセルフケア」のお話をします。言い換えるならば、「セルフヘルプ」にやや近い概念として考えます。

●この「セルフケア」はどこへ向かえばいいのでしょうか。
上記の文脈のまま、「セルフケア」を拡大解釈していくと、、
その行き着く先というのは、、、どうでしょう。
「自分を愛すること」「幸せに生きること」に至るではないか、とわたしは捉えています。

お金のため、家族のため、会社のため、締切のため、そんな側面も持って、生きているわたしたちですが、「自分のため」の時間や注目というのは、非常に大切なものです。
以前のnoteにも書いたように、「感情は伝播」しますから、自分がまず幸せでないと、人を幸せにするのはなかなか難しいところがあるのです。だから、「セルフケア」には意味と価値があります。

とはいえ、「自分を愛する」まで行くのは、容易でないですよね。
これまでに、自分を大切にできない、愛せないという人、をたくさん見てきました。
そのような気持ちが、こころを埋め尽くしている訳ではなくとも、部分的に「そういう自分」を認識している人も多いのではないかと思います。

そもそも、自分を愛せない気持ちや、自分へのコンプレックスは、悪いものとは限りません。それが「原動力」にもなるからです。

しかし、心配なのは、「原動力にもできない」ときです。
そこに、「それでも愛しましょう」なんて言うほど、わたしは無神経ではないし、そうなったには「背景」があり、よく聴けば、「ここまでよく頑張って来ましたね、自分を愛せないのも仕方ないかもね。」という気持ちがまず沸くような話は、実に多い。

ですから、うまく「自分のため」ができない方に、こんな変化球はどう?とお伝えすることが、このテーマ設定をした、わたしのモチベーションです。

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●セルフケアの、「セルフ」とは何か?
では、変化球かのごとく、ぐわんと角度を変えて、「セルフ」を捉え直すという立場から、「セルフケア」を見渡すと、どうなるのでしょうか。

ここからは、わたしの個人的見解が強まりますが、
先ほど話題とした、「自分」を大切にできない、愛せない、という状況の「」には、『「自分」を「自分のもの」と思っている』という思考や判断、が隠れているのではないでしょうか。 そこへの疑問を投じます。

本当に、「自分」は「自分(だけの)のもの」なのか。

「自分の人生の主体を、自分に。」このことは言い続けていることでして、ここから離れるつもりは全くありません。

けれども、その肉体、その存在。
それらは、本当に、「自分(だけの)のもの」なのか。

そこに、自分を超えた何か、がわたしたちにはあると思うのです。(思考そのものは、「自分のもの」だと思うのですけれど。)
というのは、先祖代々への慈しみがあるにせよ無いにせよ、「先祖代々がいた」ことは事実であり、その「子孫」として自分がいます。ここは拒否しようがないものです。

そうすると、自分の肉体も存在も、自分や両親だけ、では語れない、長い歴史の延長線上にあるような、自分の存在が浮かび上がります。

そうして、自分の肉体や存在を、「よく知らないけど色んな人の運命や判断で出来たもの」と捉えると、
『「自分」のことを愛せないから、「自分」のこともケアできない、という思考・判断』から抜け出せるではないでしょうか。

自分だけのものではない、「借りもの」「よく知らないけど色んな人の運命や判断で出来たもの」と思えば、「ま、大切に扱っておくか。」という気にはならないでしょうか。

だから、理由や意味はわからなくとも、
「とりあえず、大切に扱っておく。」をスタートラインにするのはどうだろうか、と思っています。
きっと、毎日毎日、動いてくれているこの肉体には、「ありがとう」という言葉がぴったりなのですよね。

この「ありがとう」こそが「セルフケア」です。

●では、ここで練習。
こちらの写真をご覧ください。太陽の光の差す、自然の風景ですね。

じっと眺めてみましょう。
引いたり、近づいたりしながら。

何が、見えますか?
どこに、フォーカスがいきますか?
この写真を好きですか?嫌いですか?
それは、なぜですか?

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こころの中で、問いに答えてみましょう。

何か、想い起されることはありますか。
いまの気分は、いかがでしょうか。

この瞬間、「あなたはあなたのための時間」を過ごしておられるはずですし、「自分を労わる行為」をしてくだっています。この積み重ねです。

そろそろ春が訪れるみたいですね。
今日もあなたに笑顔がありますように。

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