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なぜ、メンタルクリニックがホットスパをやるのか?

テーマに行くまでに、ちょっと遡った話からさせてください。

●病院に行って、癒される感覚が乏しいことへの違和感。

そもそも、病院、診療所とは、医療機関です。「医療現場」において、科学的根拠に基づく判断・介入をすることが、非常に重要かつ医療の使命です。

しかし、医学生の頃から、病院という場所は、音・色・雰囲気・導線、、どれをとっても「病める人へのおもてなし」の視点、感情面・五感面を配慮する視点が乏しいことへの違和感がありました。
また、臓器別の医療には、一つのまとまった存在である人の”分断”という印象もありました。臓器別の専門性高い医療が不可欠である一方、「人を一つのまとまった存在としてみる診療科」がないものかと。現実を目の当たりにして、20代のわたしは考えたわけです。

●「心身医学」との出会い。


そんな違和感とともに、わたしも我儘なもので、『「こころ」は大事だけど、医師の基盤として「身体(内科)」はしっかり診れるようになりたいんだよな・・・』とも思っておりましたら、、、あったのです!
そう、「心身医学」というものが。
タイトルにメンタルクリニックと書いておりますが、「心療内科」や「心身医学」のベースは「内科学」です。

●母校を離れて、心身医学講座に入局し、そして産業医になる。

わたしは、母校が大好きなのですが、心身医学講座(医局)というものが日本医大にはなく、さらに、日本には全然なく。東京には2つの大学にのみあることを知りました。
そこで、東邦大学で勉強させてもらい、心身医学の見立て方、患者さまとの関わり方を学びました。確かに、そこには、「病気をみずして、病人をみよ」がありました。
しかし、気づいたら、病院を飛び出し、産業医になっていました(だいぶ端折りましたw)。

補足しますと、、
心療内科外来にも地域差というものがあり、地域によっては、高齢者医療でした。ただし、大学外来には、労働世代の方々も多く通院されており、「病気による休職」を経て、「失業中」の方も多かったです。
「もっと先手でできることはなかったものか、、」メンタル領域では、こう感じる医療従事者は多いはずで、わたしもそんなうちの一人でした。

治療現場にいるのに、こう思っていました。
『治療の前に、その人の人生において、”働く”ってもっと大事なものなのではないか。』

加えて、もっとリアルなところとしては、、、
もともと文系かつ商人の家系なので、「社会課題」「政治・経済」「企業活動」「過重労働」というものには、興味関心が強かったのです。テレ東のWBSは好きな番組の一つ、そんな感じです。
また、「企業で働く術」として「産業医」は視野にありつつ、医局内の変化など諸々もありつつ、音楽活動との両立もありつつの時期で、振り返ると、「そのときがタイミングだった。」のだろうと思います。


●「産業医」としてできること・できないこと。

そして、「産業医」という天職に就いたわたし。今でも楽しく、いい緊張感もあり、生涯続けた想いでおりますが、「産業医は、医業をしません。」この良さと、歯がゆさ、を抱えている自分に、ずっと気づいていました。

例えば、産業医面談においては、目の前の相談者(社員)への問題解決と、会社組織の中における問題解決をどうするか。という課題の整理・調整・解決が、主な仕事です。
「治療はしません、診断はしません。」これは外してはいけない点です。治療に関しても、産業医がやるべきことは、「主治医とのコミュニケーションを円滑にするためのアドバイス」や「治療先の情報提供」となります。

しかし、カウンセリング的な要素を希望して、面談希望される方が多い現実も感じているところです。日本の精神医療がそれらのニーズに応えられていない事実もあるように思います。ですから、わたしは、「カウンセリング的な要素」を加えることを、時間と権限が許される範囲内で提供しているタイプの産業医です。でも、本分ではない…というジレンマなのです。

また、産業医では、上司として本部長クラスの方とお話しする機会こそありますが、『あなたこそ、大丈夫ですか?』という管理職もいらっしゃるし、役員になると使用者側ですので、産業医マターにしづらい側面もあります。こっそり相談は、ありますが。

つまり、産業現場にいながら、こう思っているのです。
『なんだか、みんな苦しそうに働いているなぁ。。』
『楽しそうに働いているけど、心身削ってるなぁ。。』
『でも、傾聴・対話にて、変わっていく人がいるんだよな。』

お節介なわたしは心配になる気持ちと、手応えみたいなものもありました。「もっと心身が癒されている状態」となることを、働く人をみていても、自分自分のセルフケアとしても、必要に感じたわけですね。


●やりたいことを仕事にしよう。

上流に行けば解決があると思ったものの、産業現場では、解決ができないことがある。リーチできない人々がいる。
であれば、「産業医」としてできること・できないことを分けて、後者に関しては、別枠の活動でやってみよう!、と思うに至りました。

そこで、社外セミナーなどを通じて、「健康とは何か。」「健やかに生きるとは何か。」「幸せとは何か。」というテーマを扱ったり、「健康経営〜経営者の意識改革」という難儀なテーマをくださる講演にチャレンジしたり。

そんな文脈の一つとして、「心身が癒されている状態」の提供を念頭に、形を変えて医療に貢献してみたいと思いました。これは、原点回帰というか、やっとやりたかったことに着手する勇気が出たのかもしれません。

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●なぜ、メンタルクリニックがホットスパをやるのか?
(やっと、本日のテーマまで来ましたw)

心身医学の教えである「心身相関」、仏教の教えである「調身→調息→調心」、アーユルヴェーダの教えである「体を中心に、魂・精神(感情)・感覚器官がある」という概念。共通項があります。

メンタルケアを目的としながらも、「こころ以外」の部分、むしろ「身体」からのアプローチを是としています。

加えて、「こころ」は科学だけで解決できない言語化できない部分があるという想いから、「医療以外」の部分(五感、芸術、美)も大切にしようと思ったことが、SAHANAのコンセプトが浮かび上がったキッカケです。

こころの痛みは、身体に出るのです。
頭痛、喉の詰まり、息苦しさ、肩こり、腰痛、耳鳴り、下痢便秘、、、
これらは、身体からのSOSです。

それが、「心身医学」「心身相関」の考え方です。

メンタルクリニックがボディケアをするのは、もしかしたら当然なのかもしれません。

●SAHANAでは、どんなことをしているのか?

「こころと身体の調和・癒された感覚」
を提供することを構想し、
提供サービスとしては、
・メンタルケアのコース
・メンタルケアとボディケアを併用するコース
・ボディケアから入るコース(そこからメンタルケアにも繋がるイメージ)
を設定しました。

常に「おもてなし」のこころで、
お客さまの『困っているんだ、、。』を解決したいのです。その観点から、体質の相談、薬以外の解決法、生活記録表のチェック、呼吸法のガイド、オンライン診察、診察日以外のLINE相談などに、広がりつつあります。

スパに関しては、日本人には冷え性の方が多いこともあり「温める」を中心に、心身の凝りを「緩める」リラクゼーションをもたらすインディバ社のホットスパを導入しています。

提供サービス全体を医師が管理することで、安心安全も提供できるのはないかと思っています。

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●いつかの日か、「ヘルスリゾート」「リトリートスパ」を日本に。

ご存知でしょうか?このヘルスリゾートを。
エントランスはゆったり。緑がいっぱいで、お花が咲き誇るお庭を、何をするでもなく、ゆったり歩くのです。池があって、そこには睡蓮の花。
空は青く、澄み渡り、太陽がわたしたちを照らします。
スパ、ヨガ、カウンセリングなど、心身のメンテナンスもできるのです。

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その中でも、アーユルヴェーダ(インド・スリランカの伝統医学)による心身の調和の意識したものを、リトリート施設と呼んだりします。
わたしは、アーユルヴェーダのメッカである「スリランカ」に逃亡した過去があるのですが、素晴らしい体験でした。

その後、イスラム圏のスパ文化も体験したく(ハマムが有名ですよね)、UAEにも視察目的で行きました。
ただ、まだヘルスリゾートのメッカであるタイの「チバソム」には行けておりませんし、アメリカの「エサレン研究所」、ドイツの炭酸泉、イギリスのフラワーレメディーなど。行ってみたいスパやリトリート施設は尽きません。  

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だが、しかし、、、ここで 1つ重要なのは、、、
「日本」に創りたいという想いがあることです。

忙しく働き、気を遣い、土地も狭くて、息が詰まりそうになる日本にこそ、ヘルスリゾートは必要だと思うのです。郷土愛も関与しているのかも。

「心療内科」と「自然」と「リトリート」とを繋げるべく、模索の日々です。似たマインドを持つ方があっちやこっちにいらっしゃることが最近掴めてきたので、一緒にワクワクする空間を作ってみたいです。

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●「健康」はあなたに何をもたらすのか。

心身両面を早めにメンテナンスすること・習慣化すること
は、難しいのですけどね、そんな時代にどんどんなって来ている感覚はあります。

コロナの影響、デジタルシフト、5Gによる更なる通信の高速化、超高齢社会、人口減少、多様な働き方、外国人就労者、健保の破綻危機、地球温暖化、そして変わらず日本が抱えている過労死・自殺問題。
この先の未来もまた、大きなうねりと変化に富んでいることでしょう。  

そのとき、
あなたは、どうありたいのか。
健康は、あなたに何をもたらすのか。
最後、人生をどのように、締めくくりたいのか。  

For inner peace:)

まずは、今週、6月のいいスタートがきれるといいですね!
あなたに笑顔がありますように。

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https://www.vdr.co.jp/clinic.html

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