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私がnoteで伝えたい「はたらく」その③やりたいことを仕事にするのか仕事をしてやりたいことをするのか

こんにちは。maruねえです。

今まで、私が「はたらく」について考えさせられた家族の話を書きました。その後、私は大人になりましたが、途中から専門学校を中退してまで舞台で女優をやることにのめりこんでいきました。そのため、同級生が次々と就職していく中、いつまでもアルバイトに明け暮れながら舞台に立っていたのでした。自分に「就職する」という選択肢がまったく想像できなかったのです。アルバイトをしながら、いろんな「はたらく」を見てきました。本屋、コンビニ、ファーストフード、ルート営業、テレビ局のAD、歯科助手、カフェ店員、レストラン店員等々。せっかくなので、色んな現場が見てみたいと、舞台公演が終わるたびに、新しいアルバイト先を見つけて飛び込んだりしていました。ただのフリーターで、しかも若さからくるよくわからない無敵感で「会社に縛り付けられるのなんてバカみたい」とか「好きなことややりたいことを仕事にしないなんて考えられない」などと偉そうに考えていました。当時は「フリーター」として「若いうちは組織にしばられずに好きなことをするのがカッコいい」みたいな考えもあり、自分が努力しないことや現実に向き合わないことの隠れ蓑にしていたのです。

そんなある日、ADとして入っていたとあるテレビ番組のドラマの収録で、老舗の劇団の俳優さん数人とご一緒しました。テレビ的には無名の俳優さんでしたが、劇団の舞台では俳優として長い実績のある方たちでした。その時、私はテレビや映画にあまり出ない俳優さんで劇団の舞台だけで職業俳優として生計を立てている方に初めてお会いしたのです。ずっと脇役として何十年も仕事をしていらっしゃって、ご家庭もお持ちで、お子さんもいらっしゃいました。そのドラマでも決して出演時間は多くはなかったのですが、安定した渋い演技が素敵な方々でした。私は、そんな俳優さんたちに憧れるのと同時に、職業俳優とは、地道な努力の積み重ねの上に俳優として成り立つ可能性が少しずつ広がっていき、そこにチャンスが加わることでようやくなれるかもしれない仕事なのだと理解しました。そして、そんな努力を重ねて実力を付けた無名の職業俳優によって、テレビや映画は支えられているのだなと思いました。私にはそんな覚悟も努力を重ねるだけの胆力もなく、流されるままに結婚し家庭に入る、という一種の「逃げ」に走りました。

「やりたいこと」が見つからない。という言葉は、よく相談でも聞くことばです。私自身も舞台が「やりたいこと」のように錯覚はしていましたが、いざ寝食を惜しんでも取り組めるほどの情熱があったのかと聞かれると、そうはいいきれません。特に「やりたいこと」がない場合、どんな仕事をしたらいいんだろう、「はたらく」って何なんだろう。「はたらく」意味ってあるの?という疑問やもやもやは、私自身も感じてきたことなので、とてもよく分かります。

「やりたいこと」が最初から明確で、それに疑問もなく進んでいける人の方が、圧倒的に少数派ではないのかな、と私は考えています。だから、「やりたいこと」なんてなくたっていいし、「夢」とか「将来の目標」なんてなくたっていいと、私は相談者に個人的に伝えたりしています。(まあこれが公共のセミナーではそうもいかないので「将来の目標は・・」なんて話もするんですが)

「はたらく」には生活の自立のための仕事(ライスワーク)、自分の軸としてやっていく仕事(ライフワーク)、好きをそのまま仕事にする(ライクワーク)があります。

仕事として「やりたいこと」がない場合は、生計を立てられる仕事(ライスワーク)を得て、自分がプライベートで「やりたいこと」をやるというスタンスで十分ではないかなと思います。仕事にやたら「こんなことをしたい」などの高い目標設定や「こんなことではないけない」など自分を追い込む対象としてしまうと、どんどん苦しくなってしまいます。与えらえたことを、まずはこなしてみて、仕事をしていきながらなんとなく自分に合うこと、合う業務、けっこうできるかもしれないと思える仕事、を少しずつ体感していき、その先に自分のキャリアビジョンとか、生活としての「はたらく」とか、ずっと自分の軸としてやっていきたいライフワークなどが見つけていけたらいいのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントとして思うことは、生きるという「キャリア」が一番大切で、それを充実させたり楽しくするために「はたらく」が来る。その順番で考えると、少し肩の力を抜いていけるのかなあと思います。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

次回は、私自身の「はたらく」を書きたいと思います。

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