見出し画像

苦境を乗り越えるまでの軌跡と振り返り【前編】

2週間前。1年半振りに臨んだフルマラソン。
申し分ない準備ができていたように思えましたが、23㎞付近で右わき腹に差し込みが起きて途中で止めてしまいました。天候やスケジュールを見て「もう1度チャレンジできるだろう」と思い、4月27日にリベンジしました。

ーー前回のレースのまとめーー

今回リベンジした内容や、結果からの振り返り、課題発掘を細かくしてみます。「走る時の考え方」や「データの扱い方」「気付き」など、少しでもご参考になれば幸いです。


2年振りの完走、そしてベスト更新

画像1

画像2

従来の自己ベストは2019年3月に記録した2時間35分33秒。結果的には約45秒更新の「2時間34分48秒」でした。(20mちょっと余分に走ってしまったので、本当はもう少し早いのですが)

100%の目標は「2時間31分切り」でしたので、万々歳の記録とは言えませんが、「自己ベスト更新」という最低限の目標を達成できたことは素直に嬉しかった。

”鉄は熱いうちに打て”と言いますが、当日の感覚が生きているうちに数字と合わせて振り返りってみようと思います。


■ラップ・ペースを振り返る

画像6

序盤10㎞は設定(5㎞を17分55秒)よりも10秒/5km程遅く、気持ち余裕を持って入りました。10㎞手前で1つ目のエナジージェルを補給したおかげか?、10㎞過ぎ~30㎞位まではとても気持ちよく走れていました。タイム自体も前半10㎞よりも2秒/1kmほど速くなっていますね。2つ目のジェルは30㎞手前で補給しました。

しかし、35㎞に”壁”が待ち構えていました。
何とか折り返しの38㎞まではキープしましたが、その後の向かい風で追い打ちをかけられて更にペースダウン。時計は見ずにただ足を前に運ぶことだけに集中し、何とか34分台でゴールしました。

ちなみに途中17㎞過ぎで窪んでいる部分は、靴紐を結び直している影響です。これで約30秒程のタイムロスしてしまいました。走る前に”二重結び”をするのを忘れてしまったのがミスでした。


■心拍数を振り返る

画像4

レース中、心拍数は表示しないように設定しています。というのも、予想よりも高い心拍数を見てしまった時、僕は心理的にマイナスに捉えてしまうためです。なので、心拍数はいつも走り終えてから確認しています。

結果、感覚的な予想よりも意外に低い平均156bpmでした。最高値で165bpmとフルマラソンを走り切るにはちょうどいいペース配分だったと思います。普段の練習でも170bpmを越えてくると”ほぼ全力”状態になるので、体感と数字の感覚はとてもマッチしていたようにも思えます。


【比較】2週間前のフルマラソンTT時の心拍数

画像6

前回、リタイアしてしまったレースでは心拍数がかなり高い数値で変動していました。平均で162bpm、最高値で175bpm。この数値は機器の測定誤差も考えられますが、それでも”上がり方(傾き)”を見ても余裕度の無さが見て取れます。なぜ、この2つのレースで大きく心拍数変動が異なったのか?以下の2つの違いが考えられました。

①「コースとペース」の違い
②「疲労度」の違い

①コースとペースの違い
前回は東京の駒沢公園(1周2㎞強で多少のアップダウンがあるコース)で、風も少し強め。また、序盤のペースも3分33秒/kmと少し早めのペースで入っていました。

今回は風もそこまで強く吹かない予報でもあったので、荒川河川敷の比較フラットなコースを選択しました。このように直前までコースを選べるのも”セルフマラソン”ならではですね。ペースも前述のように3分37秒/kmほどで入りました。

これらの違いから心拍数変動の差≒大きな疲労の出現(ペースダウンし始める距離)の違いにつながったと思います。

23 - 疲労

②「疲労度」の違い

今回の走る前日の疲労度は「23」で、前回の時(4月12日)の「疲労度 35」と「12」の差がありました。これも心拍数が比較的低い値で数位した要因の1つと思われます。

両レースとも1週間前の疲労度は「35」であったので、直前1週間の調整内容(ピーキング)の違いが疲労度の差に繋がっていたではないか?と、身をもって体感できました。


次にもつながる「良かったこと」

結果的に完走・自己ベスト更新ができたので、良かったこともいくつかありました。

✔カーボローディングがうまくできていたこと
特に胃腸の違和感や、むくみのような感覚もなく当日の朝を迎えられました。この要因として、従来の推奨方法に+α であるポイントが影響したのかと思います。その詳細については今後noteでまとめようと思います。

✔補給を改善したこと
2週間前にも今回と同じようにフルマラソンをチャレンジしていました。その時は23㎞付近で急な差し込みがあり、25㎞で止めてしまいました。差し込みの原因は恐らく「補給ミス」にありました。今回はジェルの個数を減らす(補給タイミングを遅らせる)ことで差し込みも無くなり、終始気持ちよく走れました。

✔調整方法の”型”の発見
まだ”より良い”方法もあると思いますが、今回の調整方法は1つの”良い”調整方法だと言えるのかと思います。詳細については後編で記したいと思います。


やり方云々ではない課題

レースの後の筋肉痛は

・横隔膜付近 ・両太ももの付け根 ・右ふくらはぎ

に痛みを大きく感じています。練習量の少なさが大きな原因の1つでもありますが、右ふくらはぎに関しては左右差があるのでランニングフォームも関連しているように思えます。これに関しては専門ではないので、この辺りはどなたかにアドバイスを貰いたいと思います。


今回、最後のペースダウンになった原因としては

①給水量の不足
②長い距離を走る”余力”

の2つにあると思います。②が抽象的なのでもう少し分解すると
②-1 LT値の低さ
②-2 体幹の弱さ
②-3 普段の練習で”やり切れていない”
これらが原因にあると思います。

特に3つ目の”やり切れていない”ことは自分の弱さでもあります。ただやることをこなそうとするのではなく、練習の意味合い・本番・目的意識をイメージするような”やり切るための準備”を意識していこうと思います。

今後のターゲットとなるのは10月開催予定の東京マラソン。先日、まさか「当選」したので、これらを改善する”地獄の夏トレ”を頑張ります。。。


後編では…

フルマラソンを走るのは2019年11月のつくばマラソン以来、完走に至っては同年3月の板橋Cityマラソン(これまでの自己ベスト 2時間35分33秒)振りでした。2020年は大会も出ずに黙々と練習を重ねてきましたが、ここまで辿り着けて大きな安堵感に満ち溢れています。

マラソン大会は自分の立ち位置を把握できる絶好の機会でもあります。大会のような”効果測定”がないと前に進めているのか?後退してしまっているのか?が判断しづらいものです。

そのような中でも試行錯誤して前に進めたことは意義あるものだと思います。今年の1月に行ったハーフマラソンから約4ヵ月間、”マラソントレーニング”としてメニューを組んできました。後編では僕がどういった”ランニング”を取り組んできたかをまとめてみたいと思います。


【備考】一人でフルマラソンを走る時の工夫

なかなか一人でフルマラソンを走るという”猛者”は少ないと思いますが、だからこそ参考になる方法は数少ないと思います。今回、このような”セルフマラソン”をするに当たり、準備段階で気を付けたことが3つありました。

①どんなコースで走るか?
②給水はどうするか?
③折り返しをどうするか?

①どんなコースで走るか?

画像2

自分1人で走るのでコースを決めるのも自分次第です。とは言え、信号機のあるようなロードで行うのはできません。周回コースのある公園や河川敷が有望な選択肢になるのではないかと思います。

また、可能であれば前日まで天気予報(風)を見て影響が出にくいコースを選択するのも良いでしょう。1回目に駒沢公園を選択したのも、当日の風速が5m以上と強く吹く予報だったためです。


②給水はどうするか?
コースを選択する上でも大事な要素になるのが「給水」についてです。大会では数㎞毎に配置してくれますが、”セルフマラソン”では自分で用意・ピックアップしなければなりません。

今回、自転車のかごを”給水テーブル”代わりにしたので、地べたに置いたボトルを拾い上げるよりも減速を軽減できました。また、善意でゴミ拾いをしている方もたまにいらっしゃるので、間違えて拾われないように「今、走っています!」とボトルにテープを貼っておきました。

画像7


③折り返しをどうするか?
周回コースであれば問題ないですが、河川敷で同じ方向をずっと走ってしまうと給水箇所の確保ができなくなります。そのため「折り返し」をせざるを得なくなります。

折り返しは減速を伴うため極力なくしたいものです。そのため『上流・下流』の両方向に2㎞ずつ行っては折り返すというコースに設定しました。①の写真にある緑色のポイントが基点となります。これで給水回数を変えずに折り返し回数を減らせます。また景色も多少変わるの(河川敷自体何もないですが汗)で、気持ち的にも楽になります。

また「2㎞で折り返す」ことしたのも、4㎞毎に給水を取りたかったことが理由の1つです。計10回の給水機会ができるので、暑さにも概ね対応できたと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?