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【メルカリ理論】考え方を変えるだけで登録者数は激変する

店員に横柄な態度で接している男がいる。

「おい!俺は客だぞ?ああ?」

スマホを片手に、それを称賛する恋人らしき女。

「あははー!タカシ言うやんー」

人の振り見て我が振り直せ

という言葉がある。

こんな風にだけはなりたくないと思う反面教師は、町中でたまに見かけることがある。

正義と悪ですらなく、これは生理的に絶対無理、という手本を見習いながら、人というものは引き算で形成されていく。

しかしこれが、ネット社会だとなぜかうまく機能しなくなる。

「YouTube始めたんだけど、誰も見てくれないんだよ」

SNSのフォロワー然り、こういった悩みを抱える人は多いようだ。

ふと、そういう人のホーム画面を見てみると、「これ誰が登録するんだろう…」という仕上がりになっている。

人のふり見て我がふり直せ

が正しく機能していれば、こんなおかしなことにはならないはずである。

では、なぜこうなってしまうのか。

それは、良い例だけを見ているからだ。

六本木を颯爽と歩いているモデルらしきイケメンを見て、「いいなあ、俺もああなりたい!」と鏡も見ずに妙な真似をしてしまうから、変なことになってしまう。

YouTubeは、注目されているチャンネルが上に出てくるアルゴリズムであり、悪い例を学習できる機会が今のネット社会にはほぼないのである。

リアル社会では、好むと好まざるにかかわらず、変な奴を町中で見かけることがあるため、「こうならないでおこう」と学習もできるが、ネット社会では、自分から進んで選択しない以上、つまらないものを見ることができない。

アルゴリズムがおすすめしてくる中から自分が見たいものを見ているだけなので、必然的に「良い例」ばかりを見てしまうのだ。

ヒカキンが「大変なことになりました…」というタイトルの動画を上げればみんなが気にするが、あなたが「大変なことになりました…」と言っても、誰も気にしない。そしてそれが人目に触れることは永遠にない。

これを「メルカリ理論」と名付ける。

人は購入者側としてメルカリを見るとき、

「もっと見やすい角度で写真撮ってくれよ」

「いつ買ったかの情報も入れておいてくれよ」

と、気になることが多々出てくる。

しかし、いざ自分で出品するときは、なんとなく写真を撮って、適当な情報を載せて、大サービス!と宣って、はー、全然売れねーなー、と嘆いている。

複数出品するときには、なぜかタイトルや文面に妙なシリーズ感を出したりもする。

吉田くんという男がシャツとギターと時計を出品していたとして、タイトルに「#1」といれてみたり、ブランド名・サイズ・色の順番で、表記を統一しようとしてみたり。

これらは全部、無駄な行為だ。

吉田くん自身が検索される存在ならいいが、メルカリで吉田くんを検索する人はいないからだ。

吉田くんがすべきことは、それを同じもしくは近いギターを売っている他の人たちを意識することである。

なぜなら、ギターを検索する人が見る画面の中で、自分の出品物を際立たせなければならないからだ。

そして、ギターを買う側の気持ちを考える。

ギターが欲しいと思ったとき、人はまずは楽器屋にいく。良いのを見つけたが、高いなと思う。

そして中古ショップに行く。目当てのものはなかった。

そこで、メルカリで探す。同じので安いのないかな、と。

しかし、傷は気になる。

楽器屋や中古ショップも、実際手に取って見ることができるが、メルカリではできない。

だから、見た目的にどれくらい劣化しているのか、音はちゃんと出るのか、弾きやすさはどうなのか、ネックが反ったりしていないか。いろいろ気になる。

どこで、いつくらいに買い、普段はどこで保管されていて、どれくらい使用していたのか。所有者はどういう人なのか。

また、大きいものになるので、配送や梱包はどのようになるのか。

買う人はいろいろなことを考える。

だからこそ、買う側の意図を先読みして、必要な情報を載せておく人の商品から売れていくのだ。

自分が買うときのことを思い出せば簡単な話であるが、自分が売る側になると、なぜか不要な情報ばかりになってしまうのがメルカリ理論だ。

このメルカリ理論の最大の理由は、面倒くささである。

出品物をキレイに掃除し、撮影する角度を考え、背景も整えて、撮影する。

買った当時の情報を整理し、サイズや配送に関しても細かく記載する。

正直めんどい。

この面倒くささを人は突破できない。

メルカリ理論の中には、「誰も叱ってくれない」という意味も含まれる。

例えば居酒屋で店員に絡むバカに、万に一つまともな彼女がいれば、「みっともないからやめてよ。店員さんごめんなさい。もう大丈夫ですから」と諭してもくれる。

しかし、ネット社会では誰も指摘してくれない。

ただただ、自分のものだけ売れない状態が続く。

You Tubeも同じだ。ただただ再生されず、登録者が増えず、なにがおかしいのかわからないまま時間だけが経ち、3ヶ月もすれば放置するようになる。

なぜダメなのか、なぜ結果が出ないのか、メルカリでもYouTubeでも、ネットで何かを始めるときは、全て自分で解決しなければならない。

このメルカリ理論の突破法はただ1つ。

「面倒くさい」と徹底的に向き合うことだ。

これ意外の突破法はない。

インターネットの世界は「誰でも手軽に」が合言葉となり成長してきたが、誰でも手軽にできるからこそ、ライバルは、リアル社会よりも多い。

そこを突破するには、「面倒くさい」を徹底的にやる他ない。

誰でも手軽にAIに頼めるなら、誰でも手軽に頼むはずで、その方法は途端にレッドオーシャンになる。

だからメルカリとYouTubeのロゴは共通して赤いのだ。

そんなわけねえだろ。

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