そして5ちゃんねるに戻っていった
「結婚した鬼龍院翔は2股でした」
このニュースを見て、僕はなにを思えばいいんだろう。僕はなんていえば言いんだろう。
そもそも、これが「ニュース」として扱われていることに僕は震えている。
しかし、媒体を否定するつもりはない。
世の中は広告でできている。
ここで言う広告とは今の広告産業単体を指しているのではなく、看板でもお店でもYou Tubeでもnoteでも、人目を集めてなんぼだからだ。
広告とはつまり「広く告げる」の意。
「川口春奈 胸元チラリなミニスカワンピ姿…」
「木下優樹菜 キワキワ水着で…」
「肉食女子 弘中アナ 男達と密写真流出…」
目に止まればタップしないわけにはいかない。からだは熱くなるばかり。
いかに人の目を引くか。
近づけさせ、触れさせるか。
これはどんな仕事であっても常に考えなければならない課題だ。街は矛盾の雨。
10代ならまだしも、いい大人が昼間からキワキワ水着にうつつを抜かしているのはさすがにまずい。構わなければいいだけだが、下半身が10代のままだから構わないわけにもいかない。
であれば、目に入らないようにすればいいとしたのが5年前。ニュースアプリを全部消し、ついでに使っていないFacebookも消した。
なにか調べたいことがあったとき、人はGoogleを使うが、検索上位に出てくるのはアルゴリズムに愛された優等生たちだ。みんな押し並べて同じことを言っている。
「You Tuber なんでも勧めてくる説」
の通り、みんないいことしか書いてなくて、そこに本音がない。
確かに今は、ネットでさえ本音を書けなくなった。
この映画つまらなかった、あの俳優ダメだ、と言えばそのファンから石が飛んでくる。
音楽でもなんでも、作品に対する感想の中に微量でも否定が交じると、なにかしら飛んでくる。僕のチャンネルでもくる。
だから巷のインフルエンサーたちはオンラインサロンを作り、コミュニティを形成していった。世の中の村化現象だ。
僕も際どい本音は、You Tubeメンバーシップで言うようにしている。今や本音は、有料の閉鎖空間にしかない。
カメラを新調するにあたりGoogleで検索していろんなレビューを見たが、やはり本音が見当たらないので、Twitterで調べてみた。
トイレの落書きスペースの如く荒廃化してしまったTwitterだが、だからこそ本音がある。検索ツールとしては最適なのだ。
しかし最近はTwitterも、ニュース機能を取り入れ、とにかくニュースを出してくる。
現代におけるニュースというのは、バカを釣り上げる最適な方法だ。世の中から遅れたくない、賢く見られたい、知ったかぶりしたいという人の虚栄心をつき、今これを知っとかないとヤバいですよヅラして一丁前にニュース然と出してくる。
木下優樹菜のキワキワ水着のどこがニュースなんだ。でも川口春奈の胸元チラリなミニスカワンピ姿は今見とかないといけないから忙しい。
だからどこもかしこもニュース機能をつける。LINEもそう。ニュースさえつけておけばバカを長く滞在させられるからだ。そのうちメルカリもつけるんじゃないか。
LINEはニュース表示をオフにすることができるが、Twitterはできない。
そのうえ、どう見ても裏で繋がってんだろと突っ込み待ちの如く、特定の媒体の記事タイトルだけがトレンドを埋め尽くしていて、こりゃダメだと思って、先日、共に数え切れぬ夜を越えたTwitterも、スマホからさよならした。
今、無料で本音が見れるところはどこにあるのか。
そこで、10年ぶりくらいに2ちゃんねるを開いた。
今は5ちゃんねると言うらしい。
トップページが変わっていたが、「掲示板」をクリックすると、昔と寸分変わらぬ2分割画面が現れた。
なにかのスレッドを見てみると、そこは、未だ気持ち悪い感じの言葉たちが蠢いていて、20代の自分と再会したような懐かしさがあった。
しかも、昔に比べ、住人たちがちょっと知性を持った感じが、また気持ち悪くて良い。
以前はもっと破壊的で暴力的な投稿も多かったが、今はTwitterのように、小利口なマウントの取り合いになっている感じが、気持ち悪くて良い。名無しのなんとかさん達が必死に気持ち悪くやりあっている。
さっそく自分の購入予定のカメラを検索してみたが、あそこは未だ仕様が進化してなくて、その見ずらさに耐えきれず、離脱してしまった。
昔はなにも気にならなかったが、今見るとさすがに見ずらく感じる。
僕もすっかり現代のネット社会に飼い慣らされてしまったようだ。
若い人は見ていられないだろう、あれ。あそこにいるのは、40代オーバーに違いない。
試しに20代の女性に聞いてみると、知らないと言っていた。ちなみにイエローモンキーも知らないそうだ。
最後くらいは真面目な話をしようと思うが、僕が今なにかを調べる時は、個人ブログを見る。
検索したいものに、スペース「ブログ」と入れる。または「はてブロ」「アメブロ」とか。
文字が小さかったり、謎の大量改行とか、古臭い顔文字がキラついて見にくかったりすることはあるが、内容は本音で、一個人目線のものが多いので、信用できる。
そういう見にくい個人サイトは、検索上位に出てこないので、一手間かかる。
「あきたんのゆるふわ日記」とかクソみたいなタイトルのブログは狙い目だ。絶対に個人ブログに違いないから。
アフィリエイトで稼いで儲けるぞ!という意志も感じられないため、本音率が高い。
そんなことを思いながら、また明日を待っている。
※僕も個人ブログで、買ったものを忖度なしで紹介しています。
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