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英語を捨てたキャリアのススメ

英語が苦手だなあと思う。
実力として聞けない・話せないみたいな苦手だけでなく、
英語話せるようになりたいな、という根っこのモチベーションがないところから苦手だなあと思う。

本記事は、英語モチベがないゆえの英語学習礼賛の世の中における私が感じている生きづらさについて、綴ってみようかなと思う。

小学校時代の英語観

私の母は、英語教師だった。

私が小学校三年生のときに自宅で英語塾を始め、塾を辞めてからは小学校で英語の非常勤講師も長年務めていた。

母は英語のモチベがある方の人だったのだと思う。
何かにつけては英会話のサークルに参加し、家では時々机に向かって英語を勉強していた。

TOEIC900点とかそういうレベルでは全くないものの、母は自分の言いたいことは英語で言えていたし、同僚のフィリピン人の英語講師の女性たちと日本語混じりで楽しく会話できるくらいのレベルには達していたのだからすごいことだと思っている。

私もそんな母に家の塾で指導される形で、小学校3年生から英語を習っていた。
当時は英語になんのバイアスもなく、とても楽しく学習していたように思う。

中高時代の英語観

中高一貫の女子校に進学し、英語が授業として始まった。
私は小学校では勉強はどの科目もある程度得意だったけれど、初めて苦手科目が生まれた。
それが英語である。

私の中学は英語の指導が下手だったというのもあり、大学受験を見据えた塾で中1から英語をやっている子や、もともと帰国子女でペラペラな子に混ざって、私の英語のテストは平均点を割ることが頻繁にあった。

おそらく、私は英語の勉強の仕方を、高校3年生までよくわかっていなかったように思う。
高校3年でようやく英語の勉強の仕方のコツがわかって、急に成績が伸びた。その頃は英語への苦手意識は無くなっていた。

大学時代の英語観

大学へ進学し、人並みに英語の授業を取得した。スピーキング系の授業や、TOEIC対策の授業も受けた。時々TOEICも受験して、就活にも備えてスコアも作っていた。

別にグローバルに働きたいなんて当時から特に希望もなく、ただ受験の必須科目のような存在が英語だった。
大学にはたくさんの留学生や、英語を専門で学ぶ学生も多くいたので、なんとなく自分はそこまで国際的に生きるモチベがないのだな、とは感じていた。

社会人時代の英語観

1社目: 通信会社


新卒で入った通信会社では、英語を使う仕事をなぜかやることになった。
アメリカとの時差で、朝9時から会議があり、朝一MTGが苦手な私はしんどい気持ちで出社していた。

英語会議の議事録を取らなくてはいけなかったが、日本語の議事録スキルもままならない中、英語を聞いてメモを取るのは本当に苦行だった。

当時の上司は外語大卒の30代の男性で、彼は色々愚痴をこぼしながらも、なんだかんだ英語で働いている自分が好きなように見えた。
本人曰く、「単語が聞き取れるからなんとなく言ってることの意味がわかる、英語力より国語力があるのかも」らしい。

当時の職場には「英語で働くのが好き・英語力が私の武器・アイデンティティ」というタイプの日本人がチラホラいた。そういう人を見て、私はそうなりたいと思えず、私とは違う、と感じていた。
また、もはや日本語より英語の方が自由に扱える「英語が自分にとって当たり前」のネイティブの方もいた。

担当業務は、海外パートナー企業との協業推進だったので、頻繁にアメリカからパートナー企業の社員が日本市場に自社サービスの売り込みやテストマーケティングにくる。
海外からの来客対応として、会議室へアテンドしたり、ビーガンOKの店を探して会食を調整したりが新卒の私の仕事だった。

英語苦手意識はありながらも、やらざるを得ない環境で、ついにその頃私はオンライン英会話とTOEIC900点を目標に英語の猛勉強をすることになる。
オンライン英会話は案外楽しく、英語で仕事するのも悪くはないかも、と思えるくらいにはなっていた。
TOEICは頑張ったが900点には届かなかった。

結局、自分の価値観(海外のものを日本に仕入れるより、日本のものを良くする活動をしたい。)と、業務内容のギャップに悩み、私は転職してしまう。

2社目:コンサル

2社目のコンサル会社では、パタリと英語を使う業務がなくなった。

クライアントも日本企業で、アサインされるプロジェクトも日本市場を相手にしたものばかり。
周囲も一部英語で業務している人はいるが、ほとんどが英語苦手な日本人、という構成に変わった。

私は1社目でトリッキーな仕事ばかりしており、社会人基礎力が大きく欠けていたので、2社目でそこを鍛え上げられることになった。

忙しく仕事をする中で余裕もなくなり、続けていたオンライン英会話も辞め、英語と距離を置いた。

しかし、30代を目前に控えた最近、また英語を使うキャリアを歩むか迷う段階にきている。
初めて英語話者もいるクライアントを担当することになり、英語の会議が週1,2回はある。
バイリンガルのメンバーがいるのですっかり頼っておりなんとかなってはいるが、今後自分がマネージャーになっていく中で、本当に英語をやらなくていいのか?に解が出ない。

英語を使うキャリアを歩むか捨てるか

①英語を使う×激務
②英語を使う×ワークライフバランス良好
③英語を使わない×激務
④英語を使わない×ワークライフバランス良好

を自分の中で優先度を考えた時に、

④③②①の順で理想だ。

やっぱり、私は今全然英語を使ったキャリアを歩みたいと思っていない。

④か③で年収1000万1人で稼げたら、全然良い。
①②なら年収2000万くらいもらわないと割に合わないな、とすら思う。

英語を捨てたキャリアについての情報が割と乏しく、英語学習ビジネスも多い日本では、皆英語をできるようになりたいと思わなくてはいけないような、そんな錯覚にすら陥っている。

もうちょっと、英語を捨てたキャリアのススメ的な情報があると生きやすいなと思いつつ、
私のキャリアは英語で行き詰まるのかなと恐怖も抱えつつ、
キャリアが行き詰まったとしても、
幸せだったらOKではないか、なんて今時点では考えている。