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妊娠中のアルコールと子どもの顔つきの変化

妊娠中の母親のアルコール摂取と子どもの顔つきの変化について調べた報告があります

アルコール12g(175mlのグラスワインや330mlのビール)の影響を受けた際の顔つきの変化として

・鼻が短い
・上向きの鼻
・目の下の部分の窪み
・上向きの顎

が見られることを報告しています

生まれる前にアルコールにさらされると、子どもの健康状態に重大な影響を与える可能性があり、また、定期的に多量のアルコールを摂取することで胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)を引き起こし、そのことで子どもの顔貌や健康に影響を与えることがあります

胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)では、特異的顔貌(薄い上口唇、平坦な人中、平坦な顔面中央)、発達遅滞(低体重、体重増加の遅れ)、中枢神経系の障害(出生時の頭蓋の大きさの減小、小頭症・脳梁欠損などの脳の形態異常、感音性難聴、協調運動障害など)が見られることがあります

一方、アルコールが「少量」の場合の影響はよくわかっていませんでした

今回の報告では、少量のアルコールと、顔つきのへの影響を調べたものですが、アルコールは少量であっても上記に示した変化につながる可能性があるようです

子供が年齢を重ね、他の環境要因を経験するにつれて顔つきは変化しますし、成長パターンによって上記の変化がわからなくなる可能性もあります

実際、上記の報告では、9歳では有意差を認めましたが、13歳では有意差を認められなかったとしています

だからといってアルコールの健康への影響がなくなるわけではなく、そもそも妊娠中のアルコール摂取の安全なレベルは確立されていません

母親と胎児の健康を守るためには、妊娠前からアルコール摂取をやめることが重要です

今回の報告は、アルコールスペクトラム障害(FASD)を調べた研究ではなく、少量のアルコールと子どもの顔つきに現れる変化を示した報告であり

・鼻が短い
・上向きの鼻
・目の下の部分の窪み
・上向きの顎

という顔つきの特徴は、胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)で見られる

・薄い上口唇
・平坦な人中
・平坦な顔面中央

とは異なります

またこのような顔つきを「変形」とする記事がありますが、「変形」ではなく「変化」であり、顔つきについては主観的なものです


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タナココ


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