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ソーラーシェアリングを描く

何かをわかるということは、何かについて定義できたり記述できたりすることではない。むしろ知っていたはずのものを未知なるものとして、そのリアリティにおののいてみることが、何かをもうすこし深く認識することにつながる。・・中略・・机の上で軽くほおづえをつくだけで世界は違って見える。ものの見方や感じ方は無数にあるのだ。その無数の見方や感じ方を日常のものやコミュニケーションに意図的に振り向けていくことがデザインである。

『デザインのデザイン』原研哉 岩波新書

これは、『デザインのデザイン』という本のまえがきです。
この本自体はデザインを通した世界とのかかわり方を示唆するもので、この本でいうデザインとは、気にも留めていないような事柄から何かを浮かび上がらせ、生活を豊かなものへと変容させるきっかけ、というようなイメージでしょうか。

このまえがきを読んではっとさせられました。ここの所悶々としていたことの答えのきっかけが見つかりました。みなさんはソーラーシェアリング(太陽光発電でもよいです)を描けますか?実際に紙にデザインできるでしょうか?形はなんとなくかけそうですが、細かなところや背景となると難しいですね。自分自身もイメージがきっちりできていないことがわかります。

トップの画像はChatGPTに「ソーラーシェアリングの画像を描いてください」と頼んだものです。ぼんやりとソーラーシェアリングというとこのくらいの解像度のものが出てきます。もっとたくさんの指示を加えるとだんだんと精緻化していきます。

さて、太陽光発電やソーラーシェアリングについて、様々な世間的な評価や期待感、はたまた環境問題への言及などいろいろなことが言われています。
特に否定的な意見が目に付くことが往々にしてあります。「山林を切り開く環境破壊だ」「製造時にたくさんの資源をつかう」「製造時に有毒な物質を使っている」「廃棄処分の方法がなく不法投棄されてしまう」などという意見が目につきます。

こういった意見を目にして「そうなんだぁ、太陽光は環境によくないんだぁ」と思っている方、一度実際に農園に見に来ていただきたいです。その土地の歴史、地域の特性、ソーラーパネルの架台や農地の状況、日陰の感じ、手触りや空気感などいろいろなことが感じられます。そして、太陽光パネルの日陰の恩恵を受け育ったブルーベリーを食べてみてください。五感をたっぷり使い、一つの実体験として得られるものがあるのではないかと思います。

また太陽光発電やソーラーシェアリングに否定的な記事や意見を無意識にでも気に留めている方は環境意識が高い方が多いのではないでしょうか?そういう方にこそ見ていただきたいです。よりよいみらいを作っていくための一つの解決手段として自然エネルギーの生産は進めるべきというのは多くの人の共通認識なのではないでしょうか?その方法の一つがソーラーシェアリングです。この形が最適解ではないのかもしれませんが、一度実際に見て、感じて、ご自身の認識をアップデートしてみませんか?

体験型のソーラーシェアリング農園の価値の一つは、誰かの言葉を自分の言葉にするのではなく、楽しみながら自分自身の感覚でつかみ取ることができることだと思います。気持ちのいい景色の中で五感をまっさらにして感じられれば、きっとあなたのソーラーシェアリングが描けるはずです。

ということで、少し硬くなりましたが宣伝です。

さがみこベリーガーデンにぜひお越しください!
ブルーベリーの季節は6月~8月。それ以外の季節はスタディツアーの受け入れなどご来園をお待ちしています。

2024.3.23  小出竜士

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