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2021年9月上場!映像プラットフォームの実現を目指すセーフィーCTOが語る今後の展望とは

2021年9月29日、東証マザーズに上場。日本中、世界中のカメラの映像をクラウド化し、誰もが活用できる映像プラットフォームの実現を目指すセーフィーでは『映像から未来をつくる』というビジョンを掲げています。
今回は、ビジネスモデルや技術選定、組織について、取締役 開発本部長 兼 CTOの森本さんに聞きました。

<森本 数馬 プロフィール>
2001年にソニー株式会社に新卒入社し、半導体デバイスのセールス&マーケティング、ウォークマン等メディア系プロダクト用システムLSIのハードウェア、ソフトウェア開発、TV、GoogleTVのソフトウェア開発等に従事。
その後、グリー株式会社にてモバイルゲーム向けライブラリの開発、モーションポートレート株式会社にて顔認証、3D関連のライブラリ、アプリケーション開発に携わった後、2014年にセーフィー株式会社をモーションポートレートの同僚である佐渡島、下崎と共に設立。
セーフィーでは取締役開発本部長兼CTOとして、開発活動の統括や組織マネジメントに携わっている。

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クラウドカメラによる高品質な映像を、簡単操作・低価格で提供

——セーフィーのビジネスモデルについて紹介してください。

森本:当社のメインビジネスは、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」の運営です。

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当社サービスでは、Safie ViewerというWebアプリケーションを使ってクラウド経由で1台〜数千台に及ぶカメラを管理・制御することができます。
録画データはすべてクラウド上に保管しているので、インターネットにさえ繋がっていればある程度特殊な環境でも問題なく視聴できます。また、モーションや異常音の検知機能も搭載しているので、想定外の動きや音がしたときには通知したり、フラグを立てて後で簡単に振り返ったりすることが可能です。

更に、サービスを通して当社システムに大量の「映像データ」が集約されていますので、これらを分析して付加価値のある情報をお客様に提供するといったサービスも展開しています。

その一例が「Safie Visitors(セーフィー ビジターズ)」です。

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Safie Visitorsは、顔認証技術を使って年齢や性別といった人の属性を推定したり、何人が現場を訪れたか人数をカウントしたりすることができます。また、一度現場を訪れたことがある人に対してフラグを立て、その人が同じ店舗や系列店を訪れたときに再来訪を通知するといった使い方も可能です。

——同業他社と比較して、セーフィーならではの強みはどこにありますか?

森本:3点あります。
1つ目は、直感的に扱いやすく分かりやすいアプリケーションを提供している点かと思っています。現在はBtoBが主となっていますが、もともとBtoCでスタートしたのもあり、ユーザーフレンドリーなUI・UXを心がけてアプリケーション開発を行っていました。
2つ目は、サービス価格を低く抑えつつ、高い映像品質や信頼性、セキュリティを担保出来ている点です。
最後に、「他サービスとの連携」や「解析機能の提供」など高い拡張性の実現をサービス提供当初から目指していた事も特徴的であると考えています。

あらゆる現場でDXを実現し、業務効率化や安全管理に貢献するプラットフォーマーを目指す


——セーフィーのビジョンや今後の展望を教えてください。

森本:現在、建設現場や小売店、飲食店など様々な業界でセーフィーのカメラの導入がすすんでいます。それらのうち幾つかの現場では、カメラの映像を単に視聴するだけでなく、セーフィーのサービスや技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)による課題解決が進んでいます。

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建設現場の場合、下記のようにサービスを導入することで工事全体を俯瞰し遠隔から進捗確認が行える事から始まり、安全管理や業務改善まで行えるようになっています。

------------建設現場 現場DXの事例-------------

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①Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー):ウェアラブルカメラを従業員に装し、遠隔で全体を俯瞰するだけでなく現場の特定領域の確認や遠隔での指示出しが可能
②Safie Entrance(セーフィー エントランス):顔認証サービスを活用して入退者管理
③ドボレコJK:重機に取り付け、近くに人がいることを検知してアラートを出すことで安全管理
④クレーンカメラ:遠隔から現場確認をしたり、クレーン運用の効率化に向けての分析・改善
⑤Safie GO(セーフィー ゴー):LTE搭載・電源さすだけの屋外向けカメラを置き、長期間における全体の進捗管理を行う

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こちらは建設現場での例ですが、我々はこのような現場DXをより多くの業界で実現していきたい。それによって様々な現場課題の解決を実現していきたいと考えています。

——そうした展望を叶えるための事業戦略やロードマップをどう考えていますか?

森本:こうしたビジョンは当社だけで叶えられるものではなく、他社も巻き込んで広く取り組んで行く必要があります。

そのためにも、当社がハブとなり、データだけでなくAPIやノーコード/ローコードツール、SDK(ソフトウェア開発キット)など、データに効率よくアクセスし利用する手段を提供していく必要があります。
また、作成されたアプリケーションを広く頒布できる「マーケットプレイス」のような仕組みも必要です。

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私たちは、それらを「セーフィークラウドプラットフォーム」と定義し、現在その開発を進めています。

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こうしたプラットフォームを実現するために更に増員を行い、プロダクト開発体制の強化を図っていきます。

エンジニアに求めるのは「サービスを通じて顧客の課題を解決する意識」

——セーフィーがものづくりにおいて大事にしている価値観やマインドを教えてください。

森本:私たちが最も大切にしている事は、「お客様の課題を解決する」ことです。技術的に非常に優れたものを作ったとしても、お客様の課題の解決につながらなければ意味がありません。エンジニアであっても、そこを最優先に考えてほしいと思っています。
「お客様が日々の活動の中でどのような課題を抱えているか」「そこに我々のサービスを当てはめた場合に課題が解決できるか」「どうすれば日々の活動の中でよりお客様が使いやすくなるか」。そういった点に注力できるようなエンジニア組織でありたいです。

——それぞれの領域ではどのような技術スタックやアーキテクチャが使われていますか?

森本:最近ではほとんどのカメラのOSにLinuxが使われており、その上で動くアプリケーションをC++で書いたり、デバイス上でエッジAIを実現したりしています。
クラウド環境はメインでAWSを利用しており、各種アプリケーションはPython、GO、Java等で開発をしています。
WebアプリケーションはAngularとVue.jsを併用しています。
また、クラウド上で駆動する画像解析、AIの部分はOpenCVやPyTorch、TensorFlowなどを用いています。

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——こうした技術選定はどのように行っていますか?

森本:以前はある程度先を見越して創業メンバーで選定していました。現在は直近の課題だけでなく、今後どんなインフラが必要になるか、それがどれくらいの規模になるか、どれくらいの人数でどう管理しなければならないかといった先々の展開も考えて、チーム内で候補を挙げて選定しています。

——エンジニアの自由度や働き方はどのようになっていますか?

森本:あくまで所感ですが一般的な会社と比較するとエンジニアの自由度はかなり高いのではないかと感じます。好きな技術や仕組みに取り組めるという点でも、自分たちでチャレンジングに進めていけますし、裁量も広いと思います。
社内コミュニケーションではエンジニアだけでなく全体でSlackを利用しています。業務上では、グループやプロジェクトの定例を通じ日々の情報共有を徹底しています。また、働き方についても、コロナを機にリモートワークを導入しており、各部署・グループで柔軟に活用して頂いています。

——セーフィーのエンジニアにはどんなタイプの人が多いのでしょうか?

森本:自分たちでサービスやプロダクトを作りたいと考える人が多いですね。転職前の業種や職種はさまざまで、メーカー出身の人もいれば、デバイス関連の仕事をしていた人、Web系のベンチャー出身の人など、多種多様な背景を持っています。全体的には大手企業出身の人もそこそこ在籍し、社内の雰囲気が比較的落ち着いているように感じます。
ベンチャー企業に転職してもなじめないのではないかと迷っている方でも、溶け込みやすいかと思います。

組織をより強化するために、エンジニア個々の成長を促し価値を高める

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——セーフィーはなぜIPOを目指したのでしょうか。

森本:2点あります。
1つ目は、映像データという重要なデータを扱う会社であることから、社会の公器として、クローズドではなく万人に関わって頂けるよう「何ごともオープンにしていくべきだ」と考えたからです。
もう1つは、プラットフォーム構想など、今後私達が描いている内容を実現するためには、会社、組織を強く大きくしていく必要があります。その為に少しでも会社の知名度を上げ、より多くの人を集められるようにしていきたいと言う点があります。
今回のIPOにより採用活動を大きく前進させ、ロードマップの実現を確実に進めて行きたいと考えています。

——そうした展望を実現するにあたって、現時点で課題に思っていることはありますか?


森本:やはり組織だと捉えており、まだまだ成長途中だと感じています。
個々は優秀なメンバーが集まってくれていますが、組織として最大限の力を発揮できるようにしていく必要があります。
そのために、リーダークラスの人材の育成などを推し進め、チーム力を更に高めていきます。

——教育やキャリアについて、森本さんの考えや会社としての制度があれば教えてください。

森本:教育に関しては、まさにいま課題意識を持って取り組み始めているところです。開発本部としては、次の2点で成長してほしいと考えています。
1つは、セーフィー社内だけでなく社外に出てもエンジニア市場で価値を発揮できる人材に成長してほしいという点。
もう1つは、それぞれにしっかりとキャリアパスを描いてもらい、それを実現してほしいという点です。

そして、個人の成長をチーム全体の成長につなげられるよう、お互いにリスペクトしチームワークを持って仕事をしてもらいたいです。
成長していってくれるための施策としては、メンター制度によるOJTや勉強会によるノウハウ共有などを実施しています。
また一例ですが、テックブログなどの運用そのものに関わって頂き、その経験からプロジェクトマネジメントスキル等を身に着けて言ってもらいたいと考えています。

——そういった課題も含めて、いまセーフィーにジョインするとどのような成長チャンスが得られると思いますか?

森本:3点あります。

1つ目は、技術的な難易度が高くエンジニアとしての技術力は確実に上げられる点です。具体的にいうと、上述の通り関わることができる技術領域が非常に幅広いですし、約15PBと扱うデータ量が膨大で管理するサーバー数も既に1000台レベルとなっています。そして、それらを新機能を開発しつつ、無停止で保守・運用していく必要があるのも、エンジニアの方にとってはチャレンジングな環境だと感じています。

2点目は、様々なキャリアが描けることです。組織・会社を拡大していく上で様々なキャリアパスが存在し、エンジニアを極めて行く事も、マネジメント系にシフトしていく事も可能となっています。

最後に重要な要素として、自分がやったことが会社の成長に直結するというやりがいがあります。規模の大きな会社だと、自分がやったことと会社の利益のつながりが見えにくいものです。その点セーフィーでは自分の成果がダイレクトに会社の成長に結びつくので、事業目線を持ちたいという人にとってもよい環境なのではないでしょうか。

最後に

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——今後どんな人と一緒に働きたいですか?

森本:お互いにリスペクトし、チームとして協力しあい、前向きに楽しく働ける人と一緒に働きたいと思っています。
その他の項目としては、「当社のビジョン、ミッション、カルチャーに共感できる人」「目的意識を持って取り組める人」「自分から主体的に動ける人」などもありますが、やはり共に楽しくが一番だと思っています。
あとは、欲を言えば技術力があることはもちろんですが、組織を成長させたり、仕組みや事業を作ったりできる人にも是非ジョインして頂ければと思っています。

もし少しでもセーフィーに興味を持っていただけたら、まずはカジュアルにお話しましょう!本日はありがとうございました。


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