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【僕が病院で気づいたこと】看護師さんとのコミュニケーションで、入院中も気が楽になれたよ。

 「大島さん、こんにちは! あら、今日は顔色が良いわね」このひと言が聞きたくて、今日も地下2階の放射線治療を受けに来た。

 僕は、中咽頭癌の治療のために、抗癌剤と放射線治療を受けている。
放射線治療は、35回治療を受ける。今日は25回目だ。20回目くらいから、喉が腫れてきて口からの食事が出来なくなった。今は、事前に用意した胃瘻のお世話になっている。
 さらに舌も腫れてきて話すことも苦痛になっている。看護師さんから優しく声をかけて貰っても、返事が出来ない。何とか笑顔を作ってニコッとするのが精一杯だ。

 今は、夏真っ盛りの7月だ。女房が買ってきてくれた首に巻くタイプの保冷剤を手ぬぐいに包んで、首に巻いて、日傘をさしての通院だ。なりふりなんて構っていられない。抗癌剤の治療と放射線治療で体が弱っている。そしてこの暑さでヘロヘロの状態でやっと通院しているのだ。

 放射線治療は、週5日間、7週間連続で通院しなければならない。決して休まないようにと念を押されている。
最初は、土日に休めれば何とか通院できるだろうと思っていたが、体力の衰えが予想以上にあった。特に駅の階段がきつい。エレベーターを利用しても良かったが、素人考えで少しでも歩こうと階段を使う。半分くらい登ったところで、フゥッーと深呼吸が必要だ。僕の最寄り駅は、大手の会社があるので通勤のビジネスマンが多い。そのビジネスマンを横目で見ながらの通院は、予想以上にきつかった。コロナ禍は、少しは落ち着いたものの、今の僕は、感染症も怖いから、マスクははずせない。

体力の低下、夏の暑さ、混雑している車内、「しんどい・・・」

 僕は、女房から貰った往復のタクシー代をお守り代わりに体力付けようと何とか電車で通った。

 なお抗癌剤治療は、隔週で5日間入院する。さすがに抗癌剤治療後の退院の時は、タクシーで帰った。退院の時は、息子達が代わる代わる来てくれた。退院の荷物は、一人で整理できるが、中型キャスターと鞄の量の荷物は、さすがに重くて一人では難儀だった。
 帰りのタクシーの中では、息子達は、病気のことは話さずに自分たちの仕事のことをいっぱいしてくれた。しかし、僕は、放射線治療の副作用で声が出せないので、息子の顔を見ながら、うんうんと頷くしかない。
 真夏の暑さで、放射線治療35回の連続通院は、本当にきつかった。
しかも回数を追うごとに放射線の副作用で喉や舌の腫れが酷くなり、会話も出来なくなっている。

 毎回の治療の度に症状を看護師さんに報告しなければならない。
 ・痛みがある所はどこですか?
 ・痛みは、10段階でどれ位?
 このような質問に毎回応えるのもしんどいので「今の体調報告」を作成した。痛みの部位、症状、痛みレベルを図解化した。この報告書を見せれば、毎回聞かれることもないし、僕も楽ちんだ。

 下図のファイルは、【エッセイを書き始めた動機】のエッセイからダウンロード出来ます。よろしければ、御利用下さいませ!

看護師さんへの報告書【エッセイを書き始めた動機】からダウンロード出ますよ。

 この報告書は、放射線科の看護師さんからも大変誉めて貰った。「こんな報告書は、初めて見た。これを考えた大島さんは、素晴らしい。コピーを取らせてください」とまで言われた。
 そんなに誉められるとやっぱり嬉しい。ただ、この報告書を作成した動機は、看護師さんから、機械的に毎回聞かれるのが面倒くさかったからだとは言えなくなった。

 放射線科の看護師さんは、大勢いるが、いつも声をかけてくれる優しい看護師さんがいる。受付機に診察券を入れていると後ろから「大島さん、こんにちは! あら、今日は顔色が良いわね」等と優しい笑顔で毎日声をかけてくれる。僕が声を出せないことも知っているので「例の報告書見せてください」と言われる。そこで、僕は得意になって見せる。

 こんな些細なことだが、辛い放射線治療も看護師さんとのコミュニケーションで気持ちが楽になるものだ。やっぱり助かるな。

 このエッセイは、自分への励ましの意味でも綴っている。癌になって、死への不安や治療の副作用の辛さに負けないように・・・

 だから「今日は雨が降っているような気分だけど、明日は、腫れるさ!」としている

がんになってから、「お布施をすると気持ちが変わる」ことに気がつきました。現在「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」に毎月定額寄付をしています。いただいたサポートは、この寄付に充当させて頂きます。サポートよろしくお願い致します。