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日々を軽やかにつま弾けたら

ポッドキャスト番組オーバー・ザ・サンを聞いている。オーバー・ザ・サンとはジェーン・スーさんとTBSアナウンサー堀井美香さんの1時間程度のトーク番組である。

ジェーンスーさんのエッセイが元々好きで、知ったきっかけは確かこれまた心の姉貴と勝手に崇めている書店員、新井見枝香さんのエッセイだったように思う。

番組初回のテーマはずばり『離婚』。エンジンも暖まらないうちからぶっこんでいる。ニッチそうでいてそうでもない誰もが気になる場所にやってきた黒船、フックもフック。フック船長である。先日は番組で何かの賞を取っておりすっかり人気番組である。

最新の放送は、朝ごはんの買い出し中にイヤホンで聞いた。氷河期世代の胸を打つ投書もあり、また少なくない私のような海外リスナー勢に向けて語りかける一幕もあり大変素晴らしく、どこであれ1人じゃない、自分を1人にするのは結局自分なんだなと深く息を吸えた気がした。私の住んでいるエリアには外国人は1人しかいない。コロナ禍ということもあり、今は広い省全体でも日本人は5人くらいしかいないんじゃないかと思う。

番組の後半のお便りで思い当たる節があった。「大変な時には他人の手を借りていこうよ」、「自分なんかと思ってしまうこともあるけど、そういう時は無自覚でもすり減っていく一方だ」みたいな内容だったように思う。詳しくは今週の放送を聴いてほしい。

実は先日、ネイルの店へ行った。若い同僚たちにわっしょいわっしょいとモアイ像のように運ばれて。以前、世間話で「ちょっとだけ興味がある。ちょっとだけね」と言ったのをおぼえていてくれたようだ。同僚の幼馴染がオーナーのお店で、気づくとポンヨージャー(お友達価格の意味)でやってもらっていた。

私にとってはネイルは7年ぶり2回目。元々さほど興味がなかったし、和菓子を作ったり、家事や仕事で雑に手先を使うことも多く利便性の点でうーん?と思っていた。なにより、やり始めたらサロンへ行き続けなければならないのは染髪以上のものである。義務感は途端に人の足を重くさせる。
しいて言えば、昨年帰国ラッシュの中すれ違った協力隊の後輩のお爪が綺麗で「ほー、やるねえ」とその欲求を希求する姿勢と行動力、妥協や遠慮しない部分をちょっぴりうらやましく思ったことも事実である。

甘皮とささくれまみれの指がみるみるピカピカになっていく。思えば人生のある一点からこのようなことから遠ざかり、いつしかしてはいけない、見てはいないような自縄自縛に陥っていたことに気づいた。仕事の上での自分像も「こうではありたくないけどありがちな地点」に着実に向かいつつあった。

「私ってこういうことしてもいいんだ〜」と思ったらなんだか解放された気がして、ちょっと泣きそうになった。ぶっきらぼうでクールな接客がありがたかった。

これまで仕事で〝ネイルをしてはいけない〟とか〝出来るだけネイルをしなさい(尚いつもどの角度でも最大公約数的に完璧に身だしなみ美しくあれ。そのためのお金は補助しないけどね。)〟ということはあったけれど、こんなふうに自分だけのために人の手を借りてしたのは初めて。

後ろで待ってくれていた若い同僚たちから綺麗だね、良かったねー、と言われて、納得満足に足らない何か、の付属品ではない自分というものを少しばかり取り戻せたような気がした。ネイルする理由って、多分たくさんあるんだなと思った。

あとあんまり関係ないけど、自分でお金を稼いで、自分で考えて使って、冠婚葬祭というように人を祝う時には祝えて、悼むときは悼んで、というのが人を大人にさせるわけで、国全体がこんなふうだとどうなっちゃうのかなと思ったり。

もっと関係ないけど、主要産業が中抜き、手数料に思ってしまう今、勉強した先に何もないっていうのは辛いなと思ったりした。まとまらないけどこんな地味な今日の人生。

今日読んだニュース。

全国の自殺者数 4月は1799人で前年比292人増 特に女性は37%増
2021年5月14日 16時49分 NHKニュース

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20210514/amp/k10013030711000.html%3Fusqp%3Dmq331AQQKAGYAZyf3veE8cmNXLABIA%253D%253D

こちらの街を歩いていて、ドラえもんのTシャツを着ている人に出会うと、おおお、ここにはまだ日本の貯金がかろうじてあるなと思ったりもする。

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